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設定資料集・魔法

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『緑の大陸の伝説』における魔法とは?

魔法
 この世界において、超科学的な現象をさせる技術の総称。その使用には魔力の存在と呪文の詠唱が不可欠。使用者は一般に魔法使いと呼ばれています。

呪文
 魔法を使用するための言葉。転じて、魔法においてある特定の効果を発生させるために編集された個々の文章。魔法を使う時には、最低でも呪文を正確に発音しなければなりません(他の条件は各魔法の系統ごとに異なる)。

魔力(マナ)
 超科学的な現象を発生させる要素で魔法の原動力。

色彩宝石魔法(色彩宝石魔術)
 ナディール・ラント・インダールが開発した魔法の1形態。魔力が付与された宝石を媒体にすることによって、術者の精神集中が容易になり、本来ならば魔力をコントロールすることが困難であった天空の民以外のヒューマノイド達でも、魔法が比較的容易に使用できるようになりました。なお、宝石は色の着いたガラス玉で代用可能。
 色彩宝石魔法は、その行使形態などから更に魔術、呪歌、風水術、召喚魔法、神聖魔法の5つに細分化されます。

魔法発動体
 色彩宝石魔法を発動させるために必要な道具。特定の色の宝石(またはガラス玉)を埋め込んだ装身具や武器などを指します。呪文詠唱時に身に付けていれば魔法は発動しますが、手に握り締めると呪文発動率や威力が向上します。

魔法の系統別説明

色彩宝石魔法の種類1・魔術
 色彩宝石魔法の中心的存在。魔力を術者が望む形態に変換して行使する魔法。魔法発動体は指定された色の宝石が埋め込まれた手のひらサイズの装飾品。魔法発動体を握りしめた状態で呪文を唱えれば発動します。最大の特徴は呪文数とその種類の多様性にあり、魔法発動体に使われている宝石の色によって使用可能な呪文が変化します。そのため、「魔術」という言葉が使われることは少なく(「魔術師」という表現以外に使われている例は少ない)、一般に「《★》呪文」または「《★》系統呪文」と呼ばれています(ここで「呪文」という言葉が使われるので、しばし「魔法発動体」を「呪文発動体」と混同する現象も起きている)。術者は魔術師と呼ばれています。
 なお、宝石の色は以下の10種類。

 (熱・炎)
 (水・電撃・気象現象)
 (毒・酸・化学変化)
 (生命・植物)
 (精神・情報)
 (魔力・呪文操作・時空支配)
 (動物・地殻変化)
 (冷気・封印)
 (光・浄化・聖なる力)…実際には無色透明の宝石でも可
 ●黒(闇・上記9系統に属しない特殊な行為)

色彩宝石魔法の種類2・呪歌
 術者が指定された歌詞を歌い、指定されたメロディーを魔法発動体を使い演奏することにより発動する魔法。術者の歌声が一定の音量以上(40〜50dB)で聞こえる範囲内に効果が及びます。戦闘能力の向上や傷の自然治癒の促進など、効果は支援系に偏っています。効果の無差別性を嫌ってか、術者の数は多くありません。魔法発動体は、色の宝石を埋め込んだ楽器(管楽器以外ならばほぼ全ての楽器が魔法発動体に転用可能)。術者は吟遊詩人と呼ばれています。

色彩宝石魔法の種類3・風水術
 術者が魔法発動体を握りしめた状態で呪文を唱えると発動します。地形変化や天候操作などの天変地異を発生させられるのが特徴。相手を攻撃する時も、落雷や鎌鼬など自然現象の形態を取ります。術者の数は極めて少ないようです。魔法発動体は青緑色の宝石が埋め込まれた直径5cmの金属性の円盤。術者は風水術師または風水師と呼ばれています。

色彩宝石魔法の種類4・召喚魔法
 術者が呼び出した魔力と、術者が使役するモンスターが保有する魔力を融合して行使する魔法。魔法発動体は10cm立方内に収まる程度の大きさの壺(素材は不問)で良いのですが、壺の中に色の宝石を入れ、所定の儀式を施すことによって、壺の中に異次元空間が発生し、初めてモンスターの封印が可能になります。壺の管理は儀式の実行者のみが可能で、儀式を行った者のみが召喚魔法の術者になることができます。使用時には、魔法発動体を身に付けた(普通は腰に下げている)状態で呪文を詠唱すれば良いのですが、召喚対象のモンスターが壺の中に封印されていなければなりません。術者は召喚術師と呼ばれています。
 なお、モンスターを壺に封印す方法としては、術者がそのモンスターよりも強力であることを証明する(戦闘に勝つか話術で相手を丸め込む)のが普通ですが、状況次第では相手のほうから自発的に協力を申し込むことも見られます。
 ……え? 「壷の中はどうなっているか」って? さあ……異世界にでも繋がっているんじゃないでしょうか(^^;)。

色彩宝石魔法の種類5・神聖魔法
 信者が精神力を供出する代わりに、信者の要望に応じて、神が自分の使える呪文を信者を介して発動させる魔法。術者が魔法発動体を首から下げた状態で呪文を唱えると発動します。信奉する神によって使用可能な呪文が異なる点が特徴で、特定の神に仕えていることによって初めて使える呪文も数多く存在します。術者は司祭階級や聖騎士などの聖職者に限定されています。魔法発動体は色または赤紫色の宝石を埋め込んだネックレスで、一般にホーリーシンボルと呼ばれています。術者は聖職者としての地位の呼び名で呼ばれています。

その他の魔法の種類1・言霊
 天空の民やデーモンが使用している魔法で、魔術に近い形式のものを指します。色彩宝石魔法と異なり、呪文詠唱の補助具(いわゆる魔法発動体)が一切不要である点が特徴。呪文さえ詠唱できれば自由に魔法を使用することができます。術者は言霊師と呼ばれています。
 便宜的に、色をアイコンとして使用します。

その他の魔法の種類2・祈祷魔法
 天空の民やデーモンが使用している魔法で、神聖魔法に近い形式のものを指します。色彩宝石魔法と異なり、呪文詠唱の補助具(いわゆる魔法発動体)が一切不要である点と、魔法の発動には神が介在している点が特徴。術者は祈祷師と呼ばれています。
 便宜的に、黄緑色をアイコンとして使用します。

魔法の習得制限
 各個人は、魔術・呪歌・風水術・召喚魔法・神聖魔法・魔術・言霊・祈祷魔法の7種類の魔法のうち1つのみを習得することができます。また、言霊・祈祷魔法は天空の民またはデーモン(及びその種族の1/8混血まで)などに限定して習得が認められます。ただし、魔術以外の色彩宝石魔法に関しても、習得・使用には一定以上の資質が要求されています。なお、魔術の中で細分化されている10系統については、本人にどれだけ魔術師としての資質が備わっているかによって、使用可能な系統数が左右されるので注意(6系統以上を習得する人は極めて稀)。

魔法の使用制限
 呪文を正確に発音することが絶対に必要不可欠。これは全魔法共通です。
 また、上記の条件に追加して、呪歌・神聖魔法・召喚魔法については、魔法発動体が魔法の使用に必要不可欠です(魔法発動体無しでは必ず失敗する)。風水術・魔術については、魔法発動体が無い場合、消費精神力の増加、魔力の低下、そして詠唱時間の延長という代償を払うことによって、術者の熟練度から見て初歩の呪文に限定して(=低レベルの呪文に限って)魔法を無理やり発動させることが可能です。このペナルティーは天空の民やデーモンなどにも適用されています(だから、彼らのほとんどは言霊か祈祷魔法に頼っている)。

神聖魔法と祈祷魔法
 大戦後、地球に残った神々のうち、マレバスとゾルトスを除く全ての神は神聖魔法のみしか使えません。魔法発動体は呪文詠唱の補助具であるが、同時に忠誠の証でもあるのです。他の神々は祈祷魔法と神聖魔法の両方が使用可能です。

魔法に関する補遺

サロニア公会議
 新太陽歴1343年2月1日、サロニア出身の魔術師アドルフ・フォン・ロイエンタールの提唱によって開催された会議。魔獣レクサス開発未遂事件の反省に基づき、魔法技術の開発を制限することが議題となり、9月1日にサロニア協約の締結を実現させました。同協約では、新生物創造・時空操作など一部の分野における新しい魔法技術の開発やその使用が禁止され、その履行を監視する機関としてサロニア市立図書館とサロニアの六賢者の制度が設けられました。

禁呪
 サロニア公会議及びサロニア協約によって使用禁止に指定され、世界各地の魔術師ギルドやサロニア市立図書館で厳重に封印されることになった呪文をこう呼びます。具体的には以下の9種類。

 (1)新生物創造の呪文及び魔法技術
 (2)タイムワープの呪文
 (3)デーモンや魔法的に封印されたモンスターを召喚する呪文
 (4)広範囲を破壊する攻撃呪文
 (5)アンデッドモンスター作成呪文
 (6)脳組織を失った生物の蘇生呪文
 (7)+12以上の魔力付与を行う技術
 (8)言霊及び祈祷魔法
 (9)以上の8項目に該当しないが「極めて危険だ」と判断された呪文


ロイエンタール文書
 アドルフ・フォン・ロイエンタールが作成した書物。表紙は青緑色。サロニア公会議の議事録、そしてサロニア協約唯一の原本として作成された文書で、サロニア市立図書館内部に保管されています。世間一般にはただの羊皮紙の書物であると知られていますが、実際にはもっと危険な秘密が隠されているようです。
 
魔獣レクサス
 飛行生物の一種。巨大な羽ときわめて高い知性を持ち、口からは高濃度の青酸ガスを吐くことも可能でした。地球解放戦争の初期に、天空の民を支援する戦争神レゼクトスが創造したのですが、大地の民側に味方したデーモン達の奇襲によって倒されています。大戦終結後も、新太陽暦1340年2月にセネヴィス教団がレクサスを創造しようと実験を重ねていたという事件(サロニア公会議開催の一因とされている)などが発生しています。この世界における恐怖と破滅の象徴の1つであり、「レクサス」という名前は忌諱されています。

マジックアイテム
 第1魔法文明期、マジックアイテムは多数の魔法使いによって大量に生産されていました。しかし、現在では、高品質のマジックアイテムの生産に不可欠だったコバルトが枯渇してしまったことや、マジックアイテムを作り出せるほど優秀な魔法使いが減ってしまったことが原因で、生産量は全盛期と比較すると大きく減少しています。
 この事態に対処するため、リマリック帝国や大陸東部のラドン帝国、南東部のペルフィット王国では、国全体を挙げて魔術師の育成に取り組んでいます。特に、ペルフィット王国では、マジックアイテムの大規模な増産に成功し、滅亡への道を進みつつあった国勢を回復させています。ちなみに、最近作られるマジックアイテムは、魔法発動体や魔晶石など魔法使い達の活動を支援する諸々の道具と、通信用クリスタルや永久照明(照明の呪文が永久的に付与されたランタン)、人工磁石、イレイザー(魔力でインクを分解消去するチョーク型の道具)などの生活用品が主流を占めています。
 戦争で頻繁に使われるマジックアイテムは、通信用クリスタルと魔力を永久的に付与された武器や防具です。大昔には大量の戦闘用ゴーレムが製造されていたそうですが、サロニア協約により現在では製造が禁じられています。

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