マンフレート:……ひょっとして、政治ネタのコラムって図書館長は私たちに全部押し付けるつもりなんでしょうか?
キャサリン:そうかもしれないわね。 ラプラス:まあ、それがこの作者の癖だから、あきらめるしかあるまい。……ところで、今回はマンフレートがメインのプレゼンターになっているはずだが……。 マンフレート:法律の話ですから、そういうことらしいですね。じゃあ、早速説明を始めますよ。 キャサリン:今回施行される法律の名前って何なの? マンフレート:正式名称は「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」です。 キャサリン:その禍々しいくらい長ったらしい名前はどうにかできないの? マンフレート:無理です(--;)。だから、ここでは面倒なので「プロバイダ責任法」の通称を使わせていただきます。その中身は、「プロバイダの損害賠償責任に関する法律」とでも言えばいいですかね。 キャサリン:損害賠償責任、ねえ……。 ラプラス:通称を見ればインターネットを対象とした法律だということは分かるだろうけど、正式名称を見ただけでは何の法律なのか全く分からんぞ。そもそも、「特定電気通信」という表現が初耳だしな。 マンフレート:そこまで仰るなら、条文を見てもらったほうが早いですね。
キャサリン:第1条は法律名を繰り返して書いているようなものだから、気にしなくても大丈夫ね。問題は第2条のほうかしら。 マンフレート:ここでこの法律の中に登場する語句の説明を行っていますね。 キャサリン:……早速分からないわ(T_T)。そもそも「電気通信」っ何? ラプラス:それについては電気通信事業法第2条第1号に説明があるはずだ。それによるとだな、「有線、無線その他の電磁的方法により、符号、音響又は影像を送り、伝え、又は受けること」が電気通信らしい。 キャサリン:これだけだと、対象が広すぎるわね。テレビやラジオも含まれてしまうんじゃないかしら? マンフレート:はい。だから、「公衆によって直接受信されることを目的とする電気通信の送信を除く」という文言を使って、テレビやラジオを法律の適用範囲から外しているんです。 キャサリン:次に気になるのは「不特定の者によって受信されることを目的とする」という文言ね。 マンフレート:これだけを見ると、受信対象者が特定される「通常の」電子メールは除かれるんですよね……多分。 キャサリン:多分、ねえ……。 マンフレート:あと、「受信されることを目的とする電気通信の送信」とあるように、相手に受信されたかどうかは考慮しないと考えて良いでしょう。 キャサリン:つまり、不特定の人間の目に触れうる状態に入ったら法律の適用範囲内……。 ラプラス:そういうことだろうな。 マンフレート:第2号の説明は特に問題ないでしょうからすっ飛ばしまして、第3号の話に移ります。 ラプラス:特定電気通信役務提供者が2種類いるなあ。(1)「特定電気通信設備を用いて他人の通信を媒介」する者と(2)「特定電気通信設備を他人の通信の用に供する者」。 キャサリン:どういう人達が含まれるの? マンフレート:まとめてしまうとこんなところでしょう。
キャサリン:2つをまとめてしまって大丈夫なの? マンフレート:以降の条文では、両者は「特定電気通信役務提供者」として一緒に扱われています。ですから、まとめて話を進めていきます。 キャサリン:分かったわ。……じゃあ、第4号に書かれている「発信者」は? マンフレート:こんな人達のことでしょうね。
キャサリン:ホームページ開設者と電子掲示板管理人が別格になっているの? ラプラス:この法律では、サービスの提供者と実際に情報を記録・入力した人間は別という扱いになっている。だから、当然このような結末になる。掲示板の運営は「サービス」に過ぎないからな。 キャサリン:うーん……具体例が無いと分かりづらいわねえ……。 ラプラス:(--;)そうだよなあ……。 マンフレート:じゃあ、こんな話はどうでしょう?
キャサリン:(--;)…………具体例が生々しいわよ。 ラプラス:(--;)…………どこかで聞いた話が部分的に混ざっていないか? マンフレート:(--;)……え、ええとですね。このケーススタディの場合、誰が本法におけるどの人間になるかと申しますと……
キャサリン:CとGのことは無視してもいいんじゃないのかしら? 彼らはどっちもどっちなんだから。 マンフレート:確かにそうなんですけどね、一応書いていたほうが良いと思いまして……。それに、これは「ケーススタディ」なので色々なケースのことを書いておかないとまずいと思いますし……。 ラプラス:では、今から法律の本体となる第3条と第4条の説明に入るのだな。
マンフレート:ここは、特定電気通信役務提供者が権利侵害の被害者に対して行う損害賠償についての条項です。 キャサリン:……書いてあることが難しすぎるわね(--;) マンフレート:(それでよく裁判官が務まったなあ……)……ええとですね、分かりやすく書き直しましょうか?
キャサリン:(1)は当然として、(2)はどういう意味? マンフレート:特定電気通信役務提供者に送信防止措置を講じる能力がある場合、それが免責の理由になりうる、ということです。電子掲示板だった場合には問題となった書き込みの削除、インターネットサーバ管理者……強いて言えばホームページのサービスを提供している人達の場合には、問題となっているページの削除・差し替えなどが該当します。逆に言えば、管理人が「技術的に管理できない」電子掲示板を運営していた場合には、その掲示板の運営者には権利侵害に対する責任が発生する、ということでもあります。 キャサリン:「管理人が技術的に管理できない」? そんなことってあるのかしら? マンフレート:CGIを知らない人間が無料掲示板を借りて掲示板を運営し、そこで不注意にCGIや設定をいじくってしまったせいで、掲示板管理者も記事の削除ができなくなる場合とか、掲示板管理者が管理用パスワードを忘れてしまったために掲示板の管理が不可能になってしまった場合とかが考えられますね。パソコン初心者も気軽にホームページを作ることができる時代ですから、このような「事故」も珍しくはないでしょう。 キャサリン:ふんふんなるほどなるほど。じゃあ、(3)はどういう意味なの? ラプラス:2つに分かれているので細かい説明が必要になるが、まず情報が流通している事実そのものを知らなかった場合には、特定電気通信役務提供者の免責が成立しうる。次に、権利侵害の事実を知らない場合でも、書き込みや記事を見て「これは危険そうだ」と管理人が判断できそうな記事だったらその場で削除しなければいけないことになる。削除を見送って実際に権利侵害が発生してしまったら、被害者から訴えられても管理人(特定電気通信役務提供者)は反論できない。 キャサリン:権利侵害が起きてしまったらもうダメなのかしら? 権利侵害の事実を知って直ちに送信防止措置を講じた場合には? ラプラス:それは各裁判官がケース・バイ・ケースで判断する事項になるだろうな。ただ、賠償額を減らすくらいは認めてあげても良いだろう。 キャサリン:あと、誰が「管理人が『権利発生の侵害を予測できたのか』を判断できたのか?」という質問に対して答えを出すのかしら? ラプラス:今の制度だと、それは法廷に任せるしかないだろう。この条文を巡って裁判沙汰になった時、権利侵害の被害者側が「特定電気通信役務提供者は権利侵害を予測できた」ことを証明しようとして、特定電気通信役務提供者が逆に「自分達には権利侵害を予測することは不可能だった」ことの証明を試みるんだろう。おそらく、過去の学歴や法律に関する知識・造詣の深さ、法律やインターネット関連の資格の有無などが判断の決め手になると思うな。 マンフレート:……まあ、そんなところですね。 キャサリン:今回のケーススタディだと、AとEが特定電気通信役務提供者となっているわけだけど、この人達が被害者からの提訴を回避する為には何をすればいいのかしら? マンフレート:第3条第1項に関連して言えば、これだけですね。
マンフレート:ただし、AやEの免責が成立する為には……
マンフレート:……という2条件の一方が満たされなければなりません。 ラプラス:……ちょっと待て。それは微妙に違っていないか? マンフレート:どこが違うんです? ラプラス:Eが記事を削除する必要性なんてあるのか? キャサリン:どうしてなの? ラプラス:DのホームページによってAやFが何らかの被害を蒙るとすれば、それは名誉毀損の話になるはずだ。刑法第230条にある「公然と事実を指摘し、人の名誉を毀損した」という文言そのままの事例じゃないか。 キャサリン:それは分かるけど……。 ラプラス:でも、刑法第230条第2項には「前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、事実であることの証明があったときは、これを罰しない」とある。つまり、Dの作った記事が「公益を図る目的で作られ」「全て真実であった」場合は彼は罰せられないわけであって、今回はまさにそのような事例── マンフレート:ちょっと待って下さい、教授。 ラプラス:……何だ? マンフレート:今の話、刑法の話でしょう? キャサリン:……?(--;) ラプラス:それがどうした? マンフレート:今の話ですと、「公共の利益に合致する」云々の条件が満たされた場合にのみ「罰しない」ということだけであって、名誉毀損が行われたという事実はそのまま残ってしまうことになりませんか? ラプラス:どういうことだ? キャサリン:……?(--#) マンフレート:つまり、ひょっとしたら、公共の利益に合致していたとしても、記事を削除しないと損害賠償を支払わせられる可能性が無いとは言い切れないわけで── ラプラス:しかし、それで損害賠償を認めるとなると、通信の自由や報道の自由を阻害することに── キャサリン:ああもう、わけ分からないわね(--#) ラプラス:…………(--;) マンフレート:…………(--;) キャサリン:要するに、特定電気通信役務提供者は危険そうな記事を見つけたら速攻で消さないといけないってことでしょ? こうしないと、被害者からの損害賠償請求を受けるかもしれないし、煩わしくて難しい法律の論議に巻き込まれてしまうかもしれないわけだし。 マンフレート:そ、それは確かに間違ってはいませんが……。 ラプラス:まあ、ケーススタディの場合、EがDの記事を削除する必要性は多分無いだろうけどなあ……。 キャサリン:じゃあ、次に第3条の話に移るわね。 マンフレート:はい。こちらの条文は以下のようになっています。
キャサリン:こっちはどういうことなのかしら? マンフレート:問題となった記事を送信停止にしてしまったり削除したりした場合、情報の発信者から損害賠償請求を受ける可能性があることは分かりますね? 理由は何であれ、削除するという行為によって、情報発信者の「通信の自由」に制約を加えることになるわけですから。 キャサリン:うんうん。 マンフレート:そんな時、通信防止措置を講じた特定電気通信役務提供者が損害賠償請求から免れる為に必要な条件がここに列挙されています。具体的には──
キャサリン:「必要な限度」? ラプラス:問題となった情報の通信を防ぐのに必要な最低限の措置だけを講じるべきだってこと。度の過ぎた処置は損害賠償請求の免責を受けられない可能性があるわけだ。例えば、今回のケーススタディでは、CやGによって書き込まれた当該記事を削除するところまでは十分に許容されるだろうが、見せしめとしてCやGのメールアドレスを晒し者にしたり、掲示板への出入りを禁止したりする措置が免責の対象になるのかどうかは微妙なところになる。メアドを晒すことについては、この法律の第4条も見ないといけないのだがな。 マンフレート:メールアドレスを掲示板に晒し者にする……って、それってどこかで聞いたことのある話じゃ……(--;) ラプラス:(--;)……それは無視しよう。 キャサリン:それにしても、照会手続きに関する記述が複雑で分かりにくいわね。何が何だかさっぱり分からないわ。 マンフレート:じゃあ、分かりやすく解体してみますか?
キャサリン:面倒だわ。これじゃあ、特定電気通信役務提供者が危険そうな記事を見つけたら、照会手続きなんて取らずにすぐに通信防止措置を講じたほうが楽じゃないの。 ラプラス:(--;)……いや、この手続きは、不幸にも(?)特定電気通信役務提供者が権利侵害の原因となる記事を見つける前に適用されるものだ。それに、第3条第1項のことを考えると、この手続きもあながち無視することはできないんだ。 キャサリン:どうしてなの? ラプラス:第3条第2項で、はじめて「他人の権利が不当に侵害されている」という表現が登場する。 キャサリン:「不当に」? じゃあ、事実に基いた政治家の批判のような、「正当な」侵害だった場合には── マンフレート:特定電気通信役務提供者が独自に判断を下し、権利侵害を引き起こすと判断した記事に対して通信防止措置を講じた場合でも、当該情報の発信人からの損害賠償請求に対する免責を受けられないことになります。 ラプラス:そう。だから、権利侵害を発生させる情報が公共の福祉に供するものだった場合、情報発信者からの損害賠償請求から逃れる為には、権利侵害の被害者からの申出が来るのを待つしかない。 キャサリン:でも、それって変よねえ。第3条第1項の記述を見る限り、特定電気通信役務提供者は危険な記事を見つけたら、その記事による権利侵害が「正当」だろうが「不当」だろうが関係無く、すぐに通信防止措置を講じておかないと、被害者からの損害賠償請求を免責できる可能性が減ってしまうわけでしょ? 被害者からの申出があった時点では、権利侵害は既に発生してしまってるんだから。 マンフレート:そう言えばそうですよね。 キャサリン:つまり、どっちにしても特定電気通信役務提供者が誰かさんに金を払わないといけなくなっちゃうんじゃないの。 マンフレート:ここで、問題となっている「トラップ」の中身を再整理してみますか。
キャサリン:進むも地獄、退くも地獄って感じだわ。だとしたら、特定電気通信役務提供者はどうすれば良いのかしら? マンフレート:いくつか方法はあります。例えば、権利侵害の被害者から送信防止措置を講ずるよう求める申出があるまで、権利侵害の原因となる情報を知らないままでいること。これは管理人などに「怠け者になって管理を怠れ」と言っているようなものですが、こうすれば「トラップ」から脱出できます。権利侵害を引き起こす情報の存在そのものを知らなかったとしたら、第3条第1項第1号の記述を逆手にとって免責を勝ち取ることも不可能ではなくなりますからね。ただし、この方法には、「法律を悪意的な解釈した」と裁判官から突っ込まれても反論できないという問題点もございますが……。 ラプラス:ひどい話だな。 マンフレート:他には、「正当な」権利侵害を引き起こす可能性のある記事の掲載を掲示板書き込み規則やサイト運営規則で事前に禁止してしまうという方法もあります。現在、ホームページを貸し出すサービスを行っている会社の多くは、政治や宗教に関するホームページの開設を制限しています。これは、本法律の「トラップ」にはまることを予防するという意味では、なかなか賢明だと言えるでしょう。 キャサリン:「言論の自由」って単語、どこに消えてしまったのかしら(--;) マンフレート:もう1つ考えられる方法は、誰かさんがこの「トラップ」に関する極めて微妙な訴訟を起こすことです。 ラプラス:条文の不備は判例で補うしかないというわけだな? マンフレート:はい。高裁か最高裁辺りで「第3条第1項における『他人の権利が侵害されたとき』という文言は、『他人の権利が不当に侵害されたとき』と解釈するのが適当である」という判決が出てくれたら完璧です。これで、サーバ管理人や掲示板管理人は、「不当な権利侵害」を引き起こしうる危険な情報のみを削除すれば良いことになります。記事が公共の福祉に供しているのかどうかを判定することなど、微妙な問題点は相変わらず残されていますが、致命的な「トラップ」はこれで消えますから、それで良しとするしかないでしょう。 キャサリン:……あのねえ、この法律を改正するっていう建設的な対応策は考えられないの? マンフレート:うーん……今の日本の国会議員にそれを期待するのは難しいのでは……(--;) キャサリン:さて、やっと最後の第4条に辿り着いたわね。 マンフレート:じゃあ、早速見てみましょうか。
ラプラス:ここでは、権利侵害を引き起こした情報の発信者の個人情報を、どのような場合に被害者側へ公開すべきかということが書かれているな。 マンフレート:そうみたいですね。 キャサリン:……読んだ限りでは、特に目立った問題点があるとは思えないわね。第2項で「開示するかどうかについて当該発信者の意見を聴かなければならない」と書かれているところが若干注意を要しそうだけど。 マンフレート:発信者の意見は聞かなければならないわけですけど、発信者の意見に従う必要性は全く無いんですよ。当然と言えば当然かもしれませんが。 ラプラス:意見聴取というよりも事前通告の義務と考えたほうが良さそうだな。 キャサリン:そういえば、ケーススタディに出てきた「メールアドレスを掲示板に晒す」という行為はどうなるのかしら? マンフレート:この法律の条文から見れば、第4条第3項の「第一項の規定により発信者情報の開示を受けた者は、当該発信者情報をみだりに用いて、不当に当該発信者の名誉又は生活の平穏を害する行為をしてはならない」という規定に抵触することになりますね。ケーススタディの原案となった「リ●フ掲示板閉鎖騒動」では、メールアドレスを晒された人物の元に発信人不詳のメールが届くなどの被害が発生したそうですから、結果的に「平穏を害する」ことになってしまったわけですし。 キャサリン:でも、ここの図書館長って、以前メールアドレスの晒し上げが問題になった時、晒し上げを実行した掲示板運営者側を擁護する発言を行ってなかったかしら? マンフレート:いや……それはなんだ、その……まあ「心境の変化」って奴ですよ(--;) マンフレート:さて、これで「プロバイダ責任法」の説明は一通り終わりました。どんな感じですか? キャサリン:テクニカルな「穴」が多く開いているというのは驚かされたわ。ひょっとしたら、慌てて作ってしまって、細かい手直しをする暇が無かったんじゃないかしら? ラプラス:プログラムでいうところの「デバッグ不足」ってところかな。 マンフレート:テクニカルな「穴」を除いた感想はどんなところでしょう? キャサリン:プロバイダなどの特定電気通信役務提供者は、次に書くどちらかの対応策が合理的ってことになるわね。
ラプラス:いくら合理的とはいえ、(2)を実践するのは人としてまずいと思うぞ。 キャサリン:だとすると、(1)を実践するのが合理的ってことになるわね。でも、そうなると、プロバイダに検閲者としての役割を与えることになるんじゃないのかしら? これって、憲法との問題にも発展するんでしょ? ラプラス:確かにそうなんだが、現在のインターネットが半ば無法地帯化していることを考えれば、このような法律が登場するのも仕方無いという気がするぞ。特に注目すべきは著作権法に関する問題だろう。CDからコピーしたMP3ファイルをインターネットサーバ上に晒している人とか、18禁ゲームなどから入手したゲームの画像を衆人に公開しているアダルトサイトなんかが山のように存在する。そんな時、この法律があると実に便利だ。プロバイダ側は問題となっている記事を容赦無く削除できるようになる。少なくても、違法データを削除しても民事訴訟から守られるというのはありがたいはずだ。私が思うに、この法律はプロバイダ側にMP3ファイルなどの違法データを削除するよう促す為に作られているんじゃないかな。「不当な」権利侵害の原因となっている情報ならば、第3条に放置されたままの「トラップ」に引っ掛かることなく、送信防止措置を講じることができるし。 キャサリン:でも、その巻き添えで普通の文章にも「検閲」が入ることになったら、たまったものではないわね。 マンフレート:ネットにおける「検閲」という話だと……ここを封じ込めようってことですか? キャサリン:うーん……どうかしら(--;) マンフレート:プロバイダ責任法と表現の自由との関係については、他の方に論議してもらったほうが良さそうですね。ここの図書館長は人権問題の専門家ではありませんし……(--;) |
マンフレート:あれ? 上のところで終わったんじゃないですか?
ラプラス:いや、プロバイダ責任法の第3条にあるテクニカルな穴を見ていて、ふとしたことを思い付いたんだ。 キャサリン:何かしら? ラプラス:権利侵害を発生させうる情報の発信者と、権利侵害の被害者が秘密裏に結託すれば、特定電気通信役務提供者から確実に金をせしめることが可能になるんじゃないかと……………………い、いや、私がそんなこと実践するはずが無いじゃないか(--;) マンフレート:教授……それは犯罪ですよ(--;) |