病原体:炭疽菌/Bacillus anthracis
分布:世界的に分布
●動物では世界各地で発生。人間に対しては獣疫管理が不徹底な国で起こりやすい。
●炭疽菌の産生する毒素が症状を引き起こす。
●感染経路は主として感染した動物との接触や昆虫を介した皮膚感染。 稀に、胞子による空気感染なども発生する。
●潜伏期は1〜7日。
●炭疽の症状は、発症部位によって大きく4つに分かれる。
(1)皮膚炭疽:無痛性で非化膿性の悪性膿疱が出現。致死率は最も低い。
(2)腸炭疽:腸管感染では吐き気・腹痛・吐血・血便・腹水の貯留など。 口咽頭部感染では咽頭炎・嚥下障害・発熱など。
(3)肺炭疽:発熱・疲労感・倦怠感の後、頭痛・筋肉痛・悪寒・発熱など。 重症になると呼吸困難・チアノーゼ・昏睡・失見当識を伴う。治療しなかった時の致死率はほぼ100%。
(4)炭疽菌性髄膜炎:意識消失。致死率ほぼ100%。
●ペニシリンなどの抗生剤を感染初期に大量投与することが主な治療法。
●人間から人間への感染は報告がない。
|