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2002年4月の図書館長日誌

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サロニア私立図書館・玄関へ戻る日誌収蔵室で過去の記録を閲覧する

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  • 2002年4月28日 00時01分30秒
    10万個のポスト

    ゴールデンウィークっていいねえ……(謎)


    そう言えば、小泉さんが首相になってからもう1年経つんですよね。
    前任者の迷走振りと放言振りを大変楽しませてもらったあと、国民からの期待を一身に背負っての登板。
    小泉さんが起用した外務大臣の引き起こした諸々の騒動とか、アメリカで発生したテロ事件とか、
    狂牛病の問題とか色々ありましたけど、結局1年間をなんとか乗り切ることに成功したようです。
    ですが、内閣支持率は全盛期の約半分──それでも40%台の支持を得ているのだから上出来というべきだが──ですし、
    国民の構造改革に対する期待も若干冷めたものになりつつあります。

    4月26日に提出された「郵政公社法案」「信書便法案」という2つの法律は、
    そんな右肩下がりな状態が続く小泉さんにとっては、支持率と政治力を回復する切り札になるなるはず……でした。
    しかし、法案提出後の周囲の様子を眺めるに、期待通りの効果が得られるのかどうか若干疑問に思えて来ました。
    自民党のみならず与野党の郵政族にとっては「民間に対して少しでも門戸を広げるのはまずい」という立場で反対するようです。
    これだけならまだ良かった──想定される範囲内の反対だったのですが、
    民間から郵便事業に参入する会社の中では最大のものと思われていたヤマト運輸もそっぽを向くからちょっと大変。
    ヤマト運輸社長の有富慶二さんによると、事業の許可制という部分がどうも気に入らなかったようです。

    個人的には、あの法案には「許可制云々以前の問題だろ」と突っ込みを入れたくなる点があるんです。

    10万個のポストとか10万個のポストとか10万個のポストとか(爆)

    本気で10万個のポストを置かせるとなったら、初期投資に一体いくらの金が掛かるんでしょう?
    何というか、「コンビニエンスストア」という便利な代物はどこへいった……?


    今回の法案は「審議時間切れで継続審議行きになるだろうな」と思っています。
    問題は「その時に小泉さんが何をするか」なんですが……うーん…………総選挙やってしまうのかねえ……。

  • 2002年4月22日 22時48分57秒
    「国民戦線」という政党

    先日の日記に書いたフランスの大統領選挙ですが、私が予想していなかった方向に転んでしまったようです。
    国民戦線党首のルペン氏が、シラク大統領と並んでベスト2に選ばれてしまったのです。
    この結果、第3位に転落してしまったジョスパン首相は
    「今回の敗北の責任を負い、大統領選の終結に当たり政界からの引退する」
    と、集票終了前から早々と敗北宣言。
    5月5日に行われる決選投票は現職大統領と極右政党の党首という組み合わせになりました。

    しかし、この投票結果に対するシラク大統領、ジョスパン首相双方の反応が実に過敏。

    ジョスパン首相「衝撃的な出来事」「フランスと我が国の民主主義にとって非常に懸念される兆候だ」
    シラク大統領「人権擁護のため、国家統合の再建のため、(大統領の元に)結集せよ」


    個人的には「そこまで過激な表現を使って非難することは無いだろ」と突っ込みたくなるところなのですが、
    フランス国内ではルペン氏が決選投票に進んだことに対する抗議デモが続発。
    デモに用意されたプラカードの中には「ルペン、恥」と書かれていたり、
    「ファシズムの勝利を許すな」というシュプレヒコールが連呼されていたりしています。
    どうも、「生理的嫌悪感」のレベルで嫌われているようです。

    「……じゃあ、どうしてそこまで毛嫌いされるようになってしまったのか?」
    その理由を突っ込むべく、今日はフランスを席巻する「国民戦線」と
    党首をしておられるジャン・ルペンさんに着目してみたいと思います。


    国民戦線(Front National=FN)がジャンマリ・ルペン氏らによって立ち上げられたのは1973年のこと。
    1970年代には泡沫政党程度の力しか無かったのですが、
    1980年代以降にフランス国内の治安悪化・失業率上昇が問題になり始めてからフランス南部を中心に勢力を拡大。
    1990年代に入ると、国内主要都市の市長職を選挙で勝ち取るなど、
    欧州では最大規模の極右政党としてヨーロッパ中にその名を轟かせることになります。
    1999年1月には党の幹部だったブルーノ・メグレ氏らが国民戦線を離党して
    「共和国民運動」(Mouvement National Republicain=MNR)を結成するという災難にも見舞われますが、
    党勢の方は一向に衰える気配が見えませんでした。
    そして、今回の大統領選が国民戦線の勢力拡大の1つの「絶頂」となったわけです。

    彼らの主張は典型的な極右そのもの──欧州統合反対、愛国心の高揚、移民排除・治安回復最優先──なのですが、
    単に主張を並べるだけでは済まなかったのが興味深いところ。
    国民戦線は外国人犯罪による被害者に対して救援活動に手を付けたのです。
    彼らは

    「外国人の不法流入を放置したのは国家の責任」
    →「不法流入した外国人が引き起こした犯罪によって犠牲者が出た場合、国家が賠償金を支払うのは当然」


    という論理を展開し、外国人犯罪の犠牲者・遺族に対し、国相手の裁判を起こすように勧めたのです。
    1980年代以降に国民戦線が躍進したのは、この地道な活動があったからこそではないかと言われています。
    前回の日誌でも触れましたが、今回の大統領選挙でルペン氏は他の誰よりも犯罪対策に熱心に取り組んでいました。
    そして、ネオナチに通じる過激な主張を控え目にし、フラン復活やEU統合反対など
    フランス人の愛国心に訴える政策を展開しました。移民排斥論の展開も忘れていませんでした。
    これが、不法外国人による犯罪を選挙戦の重要な争点と見なしていた人に受け入れられ、
    多くの人がルペン氏に票を投じていった……ということなんでしょう。
    特に、最近は同時多発テロの影響で、イスラム教徒の移民──フランスの場合にはアルジェリア出身者などに対する
    風当たりも強くなっていましたから、いつもよりもルペン氏の勢いは強めになっていたと思います。
    もっとも、ルペン氏に票を投じた方の多くは、過去に氏が行った人種差別発言はあまり気にしなかったのではないでしょうか。
    単に「治安と雇用対策をしっかりとやってくれそうだから」というだけの理由で票を入れたんじゃないでしょうか。


    ただし、国民戦線が勢力を拡大したことの背景を正確に知る為には、流入する外国人の問題だけでは不十分です。
    1980年代以降フランスに広がった「コアビタシオン」という動きも考慮する必要があります。

    フランス語を知らないので「コアビタシオン」という単語の正確な日本語訳は知りません。
    ですが、ここでは「保革共存」と意訳してしまっても概ね問題無いでしょう。
    この動きは1986年のミッテラン大統領時代に始まりました。
    ミッテラン氏は社会党出身の左派系大統領だったのですが、
    行政府の長である首相には、中道右派「共和国連合」のシラク氏が就いていたのです。
    当初は閣内不一致や大統領・首相の確執が懸念されていたのですが、この両者は共存できていたのです。
    そして、この流れはその後もさほど変わらず、現在は中道右派の大統領と社会党の首相が一緒になっています。
    この「コアビタシオン」という流れは、フランスの共産党が民主集中制を廃止するなど
    「左派勢力の中道化」と表裏一体の関係にあります。
    シラク大統領のライバルになるはずだった社会党のジョスパン首相が、
    「原子力発電所を積極的に支持する」という発言をして同じ左派の「緑の党」を怒らせたことなど
    首相に左翼らしくない言動が多々見られたことも、「コアビタシオン」による副産物なのかもしれません。

    個人的には、社会党という左系の政党に属していながら原発を積極的に支持する辺り
    「原子力立国たるフランスの政治家らしい行動だな」と思っています(爆)


    この保革共存政権が政治的な実績を残すことができたのならば良かったのですが、
    実際には全く逆の結果が導き出されてしまいました。
    国民から真剣に解決を求められていた失業問題に話を限りますと、
    ミッテラン大統領前が就任する直前の1981年1月の時点では156.1万人だった失業者数は、
    1993年には306.6万人にまで膨らんでしまいました。
    この間、移民は合法・非合法関係無くフランス国内に続々流れ込みましたし、
    フランス国内の治安は1970年代と比較して悪化してしまいました。
    ……こうなると、この事実を目の当たりにしたフランス人の間に、こんな思考が生じたとしても不思議ではありません。

    「右翼と左翼の際が判然としなくなった」
    「保革が一緒になったとしても、全然社会が良くなっていないではないか」
    「右派政党でも左派政党でも無能だという点では一緒ではないか」
    「今までの政党じゃ信用ならねえ」


    そんなわけで、本来ならばジョスパン首相に対して投票されるはずだった
    左派政党支持者の票が他の候補者に分散してしまい、
    結果的にジョスパン首相の3位転落を招いてしまったというわけです。
    更に付け加えるならば、分散した票の一部は国民戦線のルペン氏に流れていったとも言われています。
    これを裏付けるかのように、複数の政治学者・社会学者が「国民戦線の支持者の中には
    かつての革新系政党の支持者も含まれていた」
    ことを指摘しています。

    一連の流れには、日本における無党派ブーム──そして「石原新党待望論」に相通じるところがあります。
    既成政党──政権与党の腐敗振りと「反対する為の反対」を繰り返すだけの野党に対する不信感が膨れ上がり、
    シャボン玉のように現れては消えて行ったたくさんのブームを経て、
    コテコテの右派に属する人間への支持へ化けているわけですから。
    もっとも、日本の野党はフランスの諸政党ほど政策立案能力が高いわけではありませんので、
    日本とフランスを同列扱いにして論議することには無理がありますけどね。


    今回の大統領選挙で大躍進を遂げた国民戦線に対して、大多数のメディアは否定的な姿勢を示しています。
    とある朝刊誌は今回の大統領選挙の結果を報道する新聞の第1面にルペン氏の写真を掲載し、
    その上には、フォントサイズが1000ptを超えそうなくらい(謎)巨大な字で「NON」と書かれています。
    ここまで明確にルペン氏ら国民戦線が嫌われる理由は、やはり60年前の第2次世界大戦に求められるでしょう。
    フランスには、ナチスドイツがヨーロッパを席巻していた時代、
    ヴィシー政権という形でユダヤ人迫害に手を貸したという「前科」がありますからね。
    ルペン氏とヒトラー(もしくは旧ヴィシー政権の参加者)の姿が重なって見えたとしても不思議ではありません。
    それに、現在進行中のEU統合にとって、ルペン氏のようなナショナリズムに基いたEU反対論者は邪魔以外の何者でもありません。
    EUの統合理念とは、各国のナショナリズムを排するところ──究極的には「欧州合衆国」の実現にあるわけですし。
    そんなEUの統合において、重要な旗振り役を務めてきたシラク大統領などフランスのエリート達の耳に
    ルペン氏の言葉がどのように聞こえたのか……想像するには難くないでしょう。


    フランスの大統領選挙の決選投票は5月5日だそうです。
    今のままだとシラク大統領の続投は確実です。
    しかし、ルペン氏と国民戦線の躍進はEUの政治統合にとってブレーキとなるのは間違い無いでしょう。
    とりあえずは、今後のヨーロッパ各国で行われる国政選挙の行方に注目する必要があります。


    追記1:
    善悪は別にして、今回の大統領選挙における国民戦線の躍進は、
    1990年代後半に西ヨーロッパの政界を席巻していた(そしてEU統合の原動力となっていた)
    中道左派勢力が衰退する過程の一部であると捉えることもできます。
    日本のメディアはあまり好んで取り上げたがらないでしょうけど。

    追記2:
    フランスの左翼・右翼による政治対立ですが、これには非常に興味深い点が1つだけあるので補足。
    この国には「ジャコバン愛国主義」と呼ばれる考え方がありまして、
    左翼と右翼の間では安全保障問題に関して合意が形成されています。
    これはフランス左翼の源流となるフランス革命時代のジャコバン派が愛国心に富んだ人々であったことも関係しています。
    日本における左右の対立が、究極的には安全保障問題に行き着いてしまうのとは大違いです。

    追記3:
    国民戦線に関する情報を集めている途中で、サッカーに関する興味深いコラムを発見したので御紹介。
    サッカーやワールドカップに興味のある方は一度御覧されたし。

  • 2002年4月21日 22時45分57秒
    公約は守る為に作るものです

    今日になって、小泉さんが何を思い立ったのか靖国神社を訪問しました。
    御本人は「終戦記念日前後に訪問して混乱を招きたくない」と思ってのことなのでしょうが、
    結果的に、この配慮(?)は裏目に出てしまった模様です。早速、中国や韓国からはクレームが付けられています。
    「ワールドカップに影響は出ない」と韓国側が言っている分だけ、まだ救いようはありますが……。


    で、本日見つけた面白いニュースはいずれも選挙関連のもの。

    <バンジージャンプ>初当選59歳の村長さんがバンジージャンプを披露
    今年1月、山形県朝日村で村長選が行われました。
    候補者3人が立候補した激戦を制したのは佐藤征勝さんという旅館経営者の方。
    で、この方、選挙期間中に「当選したらバンジージャンプする」という公約を掲げており、
    今日、その公約を実行に移したんだそうです。
    観光振興の為に村長自らが率先して範を示したという、日本の政治関連ニュースでは久々に聞く明るい話題です。
    公約を果たさない政治家諸氏には見習ってもらいたいものです。
    もっとも、「バンジージャンプをする」というのは履行しやすい公約だったのかもしれませんが……。

    大統領 vs 首相 vs 極右政党のボス
    日本のニュースでは殆ど取り上げられていないフランスの大統領選挙。
    取り上げられないことの一因には
    「盛り上がりに欠ける」「争点がぼやけている」「政策が似たり寄ったり」
    というような理由が上げられており、学校の長期休暇中であることも相俟って
    投票率はとても低くなりそうだと言われています。
    今のところ、上位2人は現大統領のシラク氏(共和国連合/保守)と現首相のジョスパン氏(社会党)。
    しかし、今回は極右政党「国民戦線」党首のルペン氏にも相当数の票が集まっているようでして、
    上位2人による決選投票に進めるのが誰になるか、やや微妙な情勢になっているようです。

    ……で、土曜日のニュースでは、そのルペン氏と国民戦線に関するニュースが流れていました。
    ニュースの映像には、ヨーロッパの極右政党では欠くべからざる存在(と私が勝手に思い込んでいる)
    スキンヘッドの党員達も健在でして、この辺は「やっぱり極右だなあ」と思いました。
    ただ、今回の選挙戦では「コテコテの極右」ではなく「ナショナリズムがちょっと強めの保守政党」としての
    イメージを前面に打ち出しているようでした。選挙戦で掲げていた政策課題は「治安維持と外国人問題の解決」。
    旧植民地国やアジアなどからの移民が流れ込んでくるフランスでは、外国人による犯罪が社会問題の1つになっており、
    元から移民導入に消極的だった国民戦線にとっては、自説を展開するのに好都合な展開となっていました。
    しかも、トップ2を争うシラク氏とジョスパン氏は、ルペン氏ほど明確な治安対策を打ち出せませんでした。
    そんなわけで、今回はルペン氏の調子がとっても良いと言うわけです。
    たとえルペン氏が決選投票に進めなかったとしても、新大統領は治安回復を求める国民の声は無視できないでしょうね。

    それにしても、フランスの大統領選挙では、「史上最低の投票率」が「77.6%」なんだとか。
    夢物語を見ているような気分ですねえ(コラ)

  • 2002年4月16日 00時34分20秒
    「辞職」という方法論に関する雑念

    今日、とある会社の就職試験を受けに行った時、会社の玄関前で抗議活動を展開している市民団体の方を発見。
    40前後の女性と思われるその市民団体関係者の手にはチラシが握られており、
    私も中身が少し気になった(以前、ここで取り上げたことがある話題に関連していた)ので、
    面接の帰り掛けにチラシを1部だけもらい、帰りの電車の中で読んでみました。
    中身については省略しますが、1つだけどうしても気になった記述があったので触れておきます。
    ビラは2種類ございまして、1種類が今日面接に出掛けていった会社に対する抗議声明、
    もう1種類はその団体の活動報告(4ページ構成)だったのですが、
    活動報告の1ページ目右上に、こんな言葉が印刷されていたのです。

    「謹賀新年」

    年始に印刷した団体の機関紙(?)に余りが出たから、それを使い回しているということなのでしょう。
    これも不景気の影響でしょうか?


    で、ここから本題。
    得尊さんから話を振られている以上、答えないとまずいだろうということで考えてみました。

    組織のトップが「辞職する」という行為によって、
    属する組織の犯した失策の穴埋めを行うということは珍しいことではありません。
    この方法論には──

    ●トップに責任を取らせる方が国民に対して説明しやすい
    ●組織のトップを交代させるという方法を用いることによって組織を引き締めなおすことができる
    ●トップをはじめとする首脳部に組織全体の監督者としての意識を持たせやすい

    ──といった「効用」が存在するらしく、それ故に頻繁に用いられ、
    また国民も、企業や政府の犯した失策に対し、
    対応策・改善策の立案と同時に責任者と組織トップの交代を求めるようになっているのでしょう。
    ですが、私はこれを「『高度情報化社会』における問題」との表現のように、
    特定の社会・情況における問題として捉えているわけではありません。
    程度の差はあれ、「組織のトップを人身御供にして不祥事を清算し組織防衛を図る」という慣例は
    昔も存在したんじゃないかなと思うんです(事例が提示できないので説得力には欠けるんですが)。
    最近、辞職が目につくようになったとすれば、それは「辞職するという責任の取り方」が一般化したのではなく、
    ただ単純に不祥事そのもの回数が増えただけじゃないのかなという気がしました。
    もっとも、今回取り上げたみずほ銀行の場合、トップ自身が複数のミスを犯していることも考慮しなければなりませんが。

    あと、「辞職」という行為は基本的に「懲罰」も兼ねています。
    不祥事が刑事事件に発展した時にも、被告人がその職を辞していた場合には、
    「社会的制裁は既に下されている」として刑の減免を行うことは珍しいことではありません。

    ……とまあ、色々と脈絡も無く考えてみたのですが、やっぱり「トップが職を辞する」というのが、
    多くの不祥事の処理において極めて妥当な解決策になっているのは間違い無いと思います。


    うーむ……貧血気味の頭で書くとまとまりがつかない……(汗)

  • 2002年4月13日 00時40分17秒
    すみません、いつ治るんですか?

    シャロン首相とパウエル国務長官の会談が不調に終わったというニュースや
    ベネズエラで事実上の軍事クーデターが起こり大統領が辞任したというニュースが外交面を賑わせている今日この頃。
    世界最大級の銀行で発生したシステムトラブルは未だに完全復旧が実現されていません。

    とりあえず、これまでにみずほ銀行で発生した主なシステム障害ですが──

    ◆口座振り替えの遅滞(4月頭の時点で250万件)
    ◆二重引き落とし(5万件以上)
    ◆ATMの障害

    ──といったところ。
    その障害の規模の大きさに経営トップは国会に参考人招致され、
    既に掘られている墓穴を大きくするような失言をやらかしてしまったことは皆さんの記憶に新しいところでしょう。

    で、この巨大なシステム異常の原因はなんだったのかということを考えなければならないのですが、
    ニュースやインターネット上で流れている情報を総合しますと、大体こんなところに落ち着くようです。

    まず、みずほホールディングスの母体となった3銀行は、それぞれ別の会社のシステムを導入していました。
    (第一勧業銀行:富士通、富士銀行:日本IBM、日本興行銀行:日立製作所)
    このままでは不便なのは目に見えていますので、3銀行のシステムを一本化しなければならないはず。
    ですが、「どの会社のシステムに統合すべきか」を巡り各銀行(+各メーカー)の間で熾烈な綱引きがあったこと
    (互いのメーカーにもメンツがありますし、銀行の方だってそれは同じです)や、
    3銀行の抱えるデータ量の総和が膨大だったため2日間(土日だけATMを止めてシステムを統合する)での
    新システム移行が不可能であると分かったことが重なり、今年4月の完全なシステムの統合は行われませんでした。
    そこで、一時的な処置として旧3銀行のコンピュータを中継する「リレーコンピュータ」なるものを用意したのです。
    ところが、そのリレーコンピュータのうち、
    旧第一勧業銀行と旧富士銀行のリレーコンピュータがバグ持ちだったから一大事……というわけです。
    あと、最初にトラブルが発生した渋谷区の事務センターは旧第一勧業銀行のシステムが使われていたのですが、
    NNNの経済記者が語ったところによると、
    このシステムには「二重引落を防止できない」という問題点があったそうです
    (旧富士銀行の使っていたシステムですと二重引落も防げたらしいのですが……)。
    しかも、システム統合のテスト(リレーコンピュータのテストってことになるんでしょう)で、
    コンピュータに対して掛けられた負荷というのは通常取引の2倍程度。
    過去に行われた大手銀行間のシステム統合では「5倍の負荷を掛けた」ことがあることを考えると、
    見込みが甘かったのではないかという印象がどうしても拭い去れません。
    特に、今回はシステム統合が4月1日に行われると分かっていた以上、
    システムに巨大な負荷が掛けられることは予測できたとしても不思議ではありませんでした。

    こんな感じで、複数のトラブルが重なってもたらされた今回の大騒動。
    2年以上の準備期間がありながら、システム統合に失敗してしまったことは、
    銀行の持つシステムを繋げることがいかに難しいかを物語ると同時に、
    下手なメンツの張り合いが自滅を招くという教訓を周囲に残すことになりました。
    システムエンジニアの世界に事例集や教本のような物があるのなら、「悪かった例」として掲載されてしまいそうです。


    みずほ銀行のシステムが完全復旧したら、今回の大失態の責任者を探す作業が待ち構えています。
    責任者探しという行為には常に「魔女狩り」的な側面が付きまといますが、
    一連のトラブルが「人災」だったらしいとなると、責任者の首を飛ばさざるを得ないのです
    (そうしないと国民を納得させることができません)。
    今のところ、統合前3銀行の前CEOだった3人の特別顧問が引責辞任するのではないかという見方が強まっています。
    表向きは「退任」ということになりますが、退職金を一部(もしくは全額)払わないようなので、
    これは「辞任」と表現すべきところになるのでしょう。
    あと、持ち株会社・みずほホールディングスの前田晃伸社長に対する責任問題もおそらく不可避。
    前田社長に関しては、国会において
    「利用者に直接的な実害が出ているということではない。クレームがあったということだ」
    という致命的な失言を犯した問題に対する責任を取らされることになるでしょう。
    一方、金融庁は業務改善命令の発動も含めた厳しい処分を検討中とのことですが、
    下手に厳しい処分を下すと、今度はみずほ銀行からの顧客離れを引き起こし、
    これが日本の金融システム全体に対する信用不安の引金になりかねないという問題もあります。
    「元から金融庁が信用されていないから、どんな処分を出しても大差無い」という
    寒い突っ込みが聞こえてきそうですが……(汗)

    しかし、責任を取らされるのはみずほ銀行の幹部だけかと言いますと、それも違っているようです。
    4月12日、柳沢伯夫金融担当相は衆院財務金融委員会で語ったところによると、
    みずほフィナンシャルグループのシステム障害について、金融庁が昨年3月から6月にかけて実施した検査で
    システムに障害が発生する可能性を指摘していた……ということ。
    この点について、柳沢氏は「私どもは手順を踏んで行うべきことを行ってきた」と話し、
    自分達には問題は全く無かったという認識を示しています。
    手続き上はこれで問題無いと私も思いますが、これで国民が納得するのかというと全く別問題ですから……。


    それにしても、ここ2〜3年の間、銀行に関しては悪いニュースしか耳にしていないような気がする……何でだろ?


    追記1:
    今日、金融庁に対する特別検査の結果が公表されたのですが……どうも不安。
    大手銀行の中にも、「自己資本比率8%」という危険水準に達している銀行が見られたようです。
    更に、自己資本のうち繰越税金資産や公的資金など「純然たる自己資本とは言い難い」
    金が一部混ざっていることを考えますと、金融庁が安全と言い張っても信じられないというのが偽らざる本音。
    うーん……頭が痛い……。

    追記2:
    昨日のNHKの『ニュース10』で、学力低下を防ぐ公立小学校の取り組みが紹介されていました。
    「学校は教育の場である」という本来の姿に立ち返り、子供達の教育に工夫を凝らす小学校の先生方の姿には多いに共感。
    これからも頑張って欲しいところです。

  • 2002年4月9日 01時09分30秒
    優柔不断なプリンスの最後

    今日、新しく始まったクイズ番組を確認。
    『ミリオネア』の時は「これなら出場できるかも」とは思ったのですが、今度の番組はちょっと無理そう……
    (知識だけではなく人間関係も考えないと優勝できなさそうだからなあ……)
    それにしても、最近は海外の番組の移植版が目立ってますなあ。
    明日始まる日本版『SURVIVOR』も、元々は海外で作られたものだし……。

    あと、こちらの銀行で発生しているATMトラブルは
    未だに完全復旧されたとは言い難いようです。今日もちょっとしたトラブルに見舞われています。
    正直言いまして、怖くてまだ使う気にはなれません(汗)


    ……で、さんざんタイトルとは関係無い話題を振った上で本題に入ります。
    今日最大のニュースは、参考人招致の席上で辞意をもらした加藤紘一さんのお話。
    3〜4年前には「次期首相候補」として海外のメディアにも登場していたほどの人物だったのですが、
    1年半前に、時の首相に対して反旗を翻して失敗してからは、
    何かとつけて悪いニュースばかりが耳に飛び込んでくる感がありました。
    そして、一連の悪いニュースの極め付けとなったのが本日の辞任騒動。
    地元には相談をせずに独断で決めてしまったことだそうで、後援会の方も困り顔。
    ついには、国民に白い目で見られながら政界を事実上「追放」されることになってしまいました。

    ここ15年くらいの日本の政界の中で、「首相になり損ねた大物政治家」というのは
    故人となった安部晋太郎氏や渡辺美智雄氏など数人いらっしゃるのですが、
    これらの方々は「あと一歩と言うところで」「運に見放された」「実力ある人」だったのですが、
    加藤紘一さんの場合、どうもこれらの方々とは異なっているようです。
    確かに、経済問題など政策には長けている方ですし、英語もべらべらしゃべることができる
    (訪米の際、CNNのキャスターと1対1でインタビューを交わしていたシーンは今でも覚えています)人ですが、
    「優柔不断」という、政治家としては致命傷となる欠点を持っている人でもありました。
    森さんに対して反旗を翻した時も、その優柔不断さが裏目に出て2回も判断ミスを犯してしまい
    (1回目は反乱を起こす時期を見誤ったこと、2回目は反乱を貫徹しなかったこと)、
    最終的に派閥の3分の2を失うという大失敗を演じてしまいました。
    今回の辞任騒動でも、最初に「党を離れる」という中途半端な責任の取り方をとってしまったため、
    国民からの不満の声を一層招くことになってしまいました。
    今日の参考人招致における答弁を聞いていると、「(悪い意味で)一般市民とかけ離れた」経済感覚を持っているような
    気がしなくも無かったのですが、そんなことは優柔不断さに比べれば些細な問題かもしれません。
    参謀や助言者ならば多少優柔不断な人間でもある程度は務まると思います
    (それを考えると、政策に通じていた加藤さんには相談役としての素質には恵まれていたとも言えます)が、
    国の指導者として国民を率いる立場にある人間は優柔不断であってはならないのです。
    ……まあ、政界を去って行く人間のことをここで論じても始まりませんが。

    今回の件によって増大するであろう政治不信については、書くのが嫌になるほど自明なことですので省略します。
    それよりも、今はベツレヘムにあるキリスト教の聖地を巡る攻防と、
    倒産したドイツのメディアグループのその後が気になっています。
    ……日本の現実から目を背けている、とも言いますが(爆)

  • 2002年4月4日 23時28分07秒
    宣戦布告無き戦争

    現在、イスラエルとその周辺で、
    「第5次中東戦争」の前哨戦になるかもしれない様々な戦闘が発生しています。

    いつ、どこで、何を間違えたから、こういう事態になってしまったのでしょう?
    2001年、世界貿易センタービルに航空機が特攻したから?
    2000年、ビル・クリントン氏が外交での成果を得るべく、無理な外交努力を重ねてしまったから?
    1995年、和平推進に全てを捧げていたイツハク・ラビン氏が暗殺されたから?
    1982年、レバノンに侵攻したイスラエル軍がヤセル・アラファト氏を狙撃銃で暗殺しなかったから?
    1967年、イスラエルが国境を超えてヨルダン川西岸とガザ地区の占領を開始したから?
    1948年、国連が半ば無理矢理にイスラエル建国を承認したから?
    第1次世界大戦の最中、イギリスが3枚舌を使いユダヤ人とアラブ人の双方を愚弄したから?

    今回の事態に至った根本的な原因を考える為には、『旧約聖書』にまで話を遡らないといけないのですが、
    それについては今回は無視しましょう(爆)

    直接の原因は、25歳になるパレスチナ人にしてイスラム原理主義組織・ハマスのメンバーが、
    2002年3月28日に、イスラエル中部のネタニヤという街にあるホテルのレストランで自爆テロを起こし、
    食事中だったイスラエル人20人以上を殺害したことでした。
    たまたまこの時、都合が悪いことに──

    ●「過ぎ越し祭」と呼ばれるユダヤ教の大事な祭りが行われていた
    ●ベイルートでアラブ首脳会議が行われていた


    ──という2つの追加要素があったため、事態がこじれることになってしまいました。
    イスラエルの人々にとっては、大事なユダヤ教の祭典のど真ん中を狙った自爆テロによって
    200人以上が殺害されたことはユダヤ教を汚す行為とも言えるわけでして、過激派が黙って見過ごすはずがありません。
    そんなわけで、シャロン首相は公然とヨルダン川西岸などへの軍事攻撃を開始。
    パレスチナ自治政府のアラファト議長は電気・水道の通じない部屋に閉じ込められた状態となり、
    1982年以来最大のピンチを迎えています。
    一方、ベイルートで行われていたアラブ首脳会議では、
    サウジアラビアからパレスチナ問題の和平案(といってもパレスチナ寄りですが)が提示されたのですが、
    その会議にはエジプトなど一部加盟国の首脳が出席せず(アラファト議長が用意していたスピーチも朗読されなかった)、
    自爆テロによって和平への期待感が完全に吹き飛ばされてしまったため、
    サウジアラビアが提示した和平案はどこかへ消えてしまった感があります。
    提案者であるサウジアラビアにとってはあまり面白くないことでしょう。
    4月4日になって、イスラエルとレバノンの国境地帯で、イスラエル軍とヒズボラ
    (レバノンからシリアにかけて活動する反イスラエルのテロ組織)との戦闘が始まったとも伝えられています。

    この事態に対する周辺各国の動きですが、
    EUと国連はイスラエル、パレスチナの双方に停戦を遵守するよう求めており、日本やロシアもこれに同調しています。
    一方、アメリカの対応ですが、ニュースなどから得た情報によると、
    ブッシュ大統領やラムズフェルド国防長官などはイスラエルの行動に理解を示す一方、
    パウエル国務長官はテレビのインタビューで「イスラエルに白紙の小切手を出した記憶は無い」と言って
    イスラエルの突出した軍事行動を牽制。
    つまり、アメリカ政府内部では一種の「閣内不一致」が発生しており、
    和平交渉再開や停戦に向けたイニシアティブが全くとれない状態にあるのです。
    「テロとの戦い」を自分から言い出した以上、パレスチナ人の過激な行動を擁護するのは不可能だが、
    イスラエルに肩入れし過ぎて対イラク政策でアラブ側の支援が得られなくなるのはまずい……というのが
    アメリカの外交政策責任者の本音なのでしょう。
    もっとも、イスラエル側は今のところ、議長の孤立を優先させる為、
    アメリカのジニ特使とアラファト議長の会談を認めていないようでして、
    結果としてアメリカは「口を出したくても口を出せない」という非常にまずい状況に置かれてしまっています。
    補記(2002年4月5日6時33分)
    イスラエルはアメリカ特使とアラファト議長の会談を認める方向に方針転換した模様。
    ただ、これで事態が解決できるかどうかは不透明。


    でも、実際にもっと重要(そして厄介?)なことをやったのはイスラム教諸国の外務大臣達。
    4月3日までクアラルンプールで開催されていたイスラム諸国会議機構特別外相会議で、
    こんな声明が発表されたのです。

    「われわれは、エルサレムを首都とする独立国家を建設する権利を行使しようとする
    パレスチナ人の苦闘をテロリズムと関連付けようとする試みを拒否する」


    この声明を字面通りに解釈すると、
    「イスラム教過激派組織による自爆テロを正当化している」ことになりかねません。
    マレーシアのマハティール首相が行った4月1日の開会演説では、
    パレスチナの自爆攻撃を含む「民間人への攻撃」をテロと定義する見解が表明されたのですが、
    こちらは参加国から猛反発を浴びてしまい、採用されなくなったようです。
    特別外相会議で発表された声明の中には、
    「他国による占領などの根本原因を放置したままでは『テロとの戦い』は成功しない」
    「われわれは、国際テロリズムと戦うとの口実のもと、
    いずれのイスラム国家に対しても一方的な措置を取ることを拒否する」

    というように、理性的で日本人でも理解・納得できるようなメッセージもあったのですが、
    自爆テロを正当化するコメントを聞かされた後では、非イスラム諸国に対する説得力はまるでありません。

    なお、今回の特別外相会議では、イラクから「石油を『武器』として活用したらどうか」という提案も出されました。
    提案そのものは却下されたのですが、
    不穏な空気が広がる中東情勢を反映して、石油相場の動向は実に不安定な状態となっています。
    2002年4月2日現在、ニューヨークで取引される原油先物価格は1バレル当たり27.71ドル(前日比+0.83)、
    3日の同価格は27.56ドル(前日比-0.15)と、高値での取引が続いているようです。
    東京工業品取引所の中東産原油先物(1キロリットル)市場も、4月3日に21150円という上場以来の最高値を記録しています。

    今、この時期に中東で更なる戦火が広がることになったら、石油価格の更なる高騰を招き、
    回復しかかっている日本経済の腰骨を折るようなことになりかねません。
    そんなわけで、今回の騒乱は早いところ解決してもらわないとどうしようもないのですが、
    今のところ、解決の目処が全く立っていないという笑うに笑えない状態が続いています。
    昔から中東問題の専門家の間で言われていることなのですが、
    シャロン首相に代表されるイスラエルの過激派(強硬派)には「大イスラエル主義」という発想があるそうです。
    これは、現在のイスラエルよりも広めの領土を確保して(当然、ヨルダン川西岸とガザ地区も含みます)国家の安全を図り、
    それと同時に『旧約聖書』にて神から与えられた「カナンの地」を取り戻すという宗教的な野心も混ざっている思想でして、
    シャロン首相の出身政党であるリクードは、この大イスラエル主義を掲げて政界で勢力を広げた政党なのです。
    西岸地区に多数存在するユダヤ人入植地はその典型的な現れ。
    今更、中東和平に乗り出すなんて言い出すことは、
    シャロン首相とリクードの存在意義そのものを否定することになりかねないわけでして、
    イスラエル側が自発的に譲歩するなんてことは多分無いでしょう。
    労働党が連立政権を離脱して政権交代が発生するなど、リクードの力が弱まるようなことがあれば話は別ですが
    (現に、労働党内部では連立政権離脱の是非を巡る論議が水面下で始まっています)
    で、アラファト議長の方も「殉教者になる道を選ぶ」と言ってしまった手前、妥協が不可能という状態。
    人気が無くなっていたアラファトさんも、今回の大ピンチで一躍ヒーローとなってしまったようですし。

    こんな状況下で日本が中東和平でニシアティブを発揮できるのでしょうか?
    「ヤハウェ」とも「アラー」とも呼ばれる唯一神を信仰せず、イスラエル・アラブの双方と親交を持つという点では
    中立的な交渉仲介人の要件を満たしており、本来ならばイニシアティブの発揮も不可能ではないはず。
    ですが、事態がこじれ過ぎているので、今の状況下でイニシアティブを発揮するのは多分不可能でしょう。
    外務大臣の川口さんも「現地に飛んで仲介に当たりたい」なんてことを仰いましたが、
    徒労に終わる可能性が高いと言わざるを得ません。


    追記1:
    ちなみに「事態がこのまま悪化して本当の戦争状態になった場合はどうなるか?」という疑問がありますが、
    多分、イスラエル軍の連戦連勝のニュースと自爆テロのニュースが交互に聞こえてくることになるんじゃないでしょうか。
    「両者が通常兵器のみで戦争を遂行したら」という留保付きですが……(謎)

    追記2:
    やっぱり、宗教が絡んだ戦争って怖いね。

  • 2002年4月3日 03時42分07秒
    走り書き

    今日になってエイプリルフールのネタを思い付いたところで、もう遅いんですよね……。
    トップページに

    「最後の更新は3月32日に行われました」

    と書くという、単純過ぎて馬鹿馬鹿しいネタでしたし……。

    とりあえず「明日は中東問題に関する記事でも書こう」と予告だけ打っておきます。

  • 2002年4月1日 23時48分07秒
    教育問題に関するコメントの続き

    今日、私が利用するとある銀行の支店を訪問したら、ATMの前に長蛇の列ができていました。
    土日に3社のATMシステム統合の為にサービスを停止していたらしいのですが、
    その作業は完全に失敗してしまったようです。で、今日は混乱続き。
    4月1日午後9時現在、この件に関して、インターネット上における同社からのコメントはまだありません。
    復旧作業があまりに忙しく報告する暇すら無いのか、それとも……(ゴフンゲフン)


    ここから本題。
    得尊さんの日記を見て、
    「教育問題を論議する時、実際に子供を教育・養育する立場にある方の言葉には説得力があるなあ」と痛感。
    御本人は「議論としては全然まとまってないです」と仰っていますが、私は話の趣旨を大体理解できた……と思います。
    確かに、体罰による死者とか裁判官等の犯罪は昔からあって、発声頻度も昔とそう変わらず、
    最近になって報道される回数が増えただけなのかもしれません。
    となると、次に「どうして体罰等を報道する回数が増えたのか?」という疑問が出てきます。
    マスコミの取材能力が向上したのか、より多くの情報が我々に伝えられるようになったのか、
    はたまた、事件を取材するマスコミ関係者やニュースを受け取る我々の価値観が変化したせいなのか……。
    私が物心ついた頃には、「戸塚ヨットスクール事件」(1983年)のような事件が発生し
    既に体罰が大きな社会問題と化していたため、
    体罰があまり問題となっていなかった(?)時代の状況や価値観はよく分からないんです。
    学校で体罰があったといっても、滅多なことでは行われるものではありませんでしたし……。
    ただ、小学校1年(1982年)の体育の授業では、跳び箱が飛べないと尻や足を叩かれることが頻繁にあり、
    その経験が原因で体育が嫌いになったという笑えない経験は今でも覚えています。

    ……ちょっとまとまりがつかなくなってきた。別稿にて書き直した方が良いかもしれません。


    うーん……本当は「エイプリルフール」にちなんで、何か気の利いたジョークでも書こうかと思ったのですが……。


    追記:エイプリルフールではなく、それでいて明るめの話題。
    <商業捕鯨>反捕鯨団体が条件付で再開容認(毎日新聞)
    反捕鯨運動で知られる民間団体・世界自然保護基金日本事務局が方針を転換、
    ●過去に鯨の乱獲を行ってきた水産会社や、それを認めてきた日本政府に反省を求める
    ●鯨の個体数や、その増減のデータを十分把握する
    ●有害物質や地球温暖化など、捕獲以外の影響も慎重に考慮する
    ●持続可能な漁獲量を注意深く推定する
    などの条件を付けた上で、商業捕鯨の再開を認めるらしいというもの。
    感情論で語られることの多かった捕鯨問題ですが、これが合理的で冷静な解決への突破口になるかもしれません。

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