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2003年4月の図書館長日誌

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サロニア私立図書館・玄関へ戻る日誌収蔵室で過去の記録を閲覧する

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  • 2003年4月28日 23時04分22秒
    Javaという言語

    ゴールデンウィーク……それは、社会人にとってはオアシスのような時期。
    そして、新入社員にとっては、「五月病」の引き金となる時期。

    しかし、今年のゴールデンウィークは、

    2日休み→1日勤務→1日休み→3日勤務→3日休み

    という、恐ろしく中途半端で忙しい構成になっており、
    有給休暇が取れない新入社員にとっては、長期休暇が満喫できない何とも残念な状況となっています。

    会社のほうはまだ研修中ですが、研修の中身がプログラミングとなったため、
    参加者の間で授業進度・理解度に結構大きな差が出始めています。
    そのため、上級者が席を立って初心者にアドバイスを行うことも結構多くなり、
    専門学校でプログラミングをある程度学んでいた私などは、(予想通り)他の方々のヘルプに回され、
    「人へのものの教え方」など、プログラムの勉強以外のことを研修させられている
    (講師の方などに伺ったところ、これはこれで貴重な体験らしい)状況になっています。


    さて、私が研修で「勉強『させられている』」のはJavaという比較的新しいコンピュータ言語なんですが、
    私の周囲がJavaのソースに悪戦苦闘している様子を見ていると、
    「Javaって、初心者向きなのか怪しいねえ」とちょっと感じてしまいます。
    私の研修先の例で言いますと、研修参加者のうちCやBASICなど
    何らかのプログラム言語を事前に勉強してたのは全体の3分の1。
    Javaのプログラムの根幹を成す「オブジェクト指向」という思考方法の存在を知っていたのは全体の9分の1。
    しかも、この「オブジェクト指向」というのが厄介な代物でして、簡単な記述による説明が不可能という
    若干込み入った概念なんです。私の言葉で平べったく言うと、

    「プログラム中に『モノ』を作り、
    そのモノの『属性』と『振る舞い』を一体化して再現することを通じて、
    プログラムのアルゴリズムを実現し、大規模且つ高速の開発を可能にしたプログラム技術」


    ……ということになります。
    プログラム初心者には何のことは全く分からないでしょうし、上級者でも首を傾げたくなることでしょう。
    何しろ、上の台詞を書いた私自身ですら、この説明を不正確なものだと考えているのですから(爆)

    それに、授業を慌てて進めてしまったため、プログラミング初心者が引っ掛かりやすいミス
    に対するフォローが不十分で、オブジェクト指向の概念説明が始まってからも
    受講生の間ではちょっとした混乱が続いていました。
    幸い、日曜日の間などに自宅学習を行った方が多かったため、
    今日の授業は実にスムーズに進んでいたのですが、一時はどうなることかと心配になったものでした。

    ちなみに、私の場合、自宅学習はほぼ全て「復習」になっています。
    ただ、これは普通の復習ではなく、「他人に物を教える可能性がある」ことを考慮した
    復習ですので、意外と手間が掛かっています。
    今度の連休は休めそうに無いなあ……。

  • 2003年4月22日 23時01分45秒
    戦争間際だったアメリカ訪問記 Part 4「ゲームショップ報告記」

    アメリカ旅行から大分日がたってしまったため、
    海外旅行の事後報告に関する記事が大分遅れてしまいました。
    そんな中、今日はアメリカから持ち帰ってきたパソコンゲームの話をしたいと思います。


    さて、いきなりですが、ここで問題。
    貴方が考えつく範囲で、「アメリカで売られていそうな日本のゲーム」を挙げるだけ挙げてみて下さい。

    Thiking Time....

    ……さて、どれだけ思い付きましたか?

    では、答えの発表。
    私がセントルイスとニューオーリンズのゲームショップで実際に発見したものに限りますが、
    これだけのゲームソフトが販売されていたのです。
    日本の作品とゲームの仕様が非常に異なっている作品は太字で表記しました。

    メトロイドPRIME、スターフォックス、MARIO PARTY 4、ピグミン、ゼルダの伝説 4つの剣、ゼルダの伝説 時のオカリナ
    XenoSaga Episode I、鉄拳3(確証は無い)、KINGDOM HEARTS、VAGRANTSTORY(2枚組になっていました)
    FINAL FANTASY VII、FINAL FANTASY VIII、FINAL FANTASY IX、FINAL FANTASY X
    Dead Or Alive 3、Dead Or Alive Xtreme Beachball
    GT2、RACHET & CLANK、ブラボーミュージック!(英名“MAD MAESTRO!”)、WILD ARMS Advanced 3rd
    英名“Gunbam Battle Assault”(邦題は知りません)、『ギレンの野望』シリーズの1作品(正確なところは分かりません)
    デジモンバトルアリーナ、TOMB RAIDER、Bounty Hunter、GRANDIA 2、ARMORED CORE III
    ブレスオブファイアV、BIO HAZARD 0(英名“RESIDENT EVIL”)DINO CRISIS(英名“DINO STALKER”)
    Capcom vs SNK 2、STREET FIGHTER Zero 2(確証は無い)、.hack、VF4、PHANTASY STAR COLLECTION
    天誅(確証は無い)、鬼武者2、小説『魔術師オーフェン』のゲーム化作品(邦題は知りません)
    CRIMSON SEA、真・三国無双2(確か『3』もあったような気がする……)、決戦

    他にも『ボンバーマン』シリーズの数作品などを確認。ただし、上記を除く日本製ADVはほぼ皆無。
    知人氏の証言により、『DRAGON QUEST』シリーズが『DRAGON WARRIORS』の名称で販売されていることを確認。

    多そうで少ない……というのが実感かもしれません。

    ここで、私がゲームショップを見て回った範囲で気付いたことをいくつかピックアップしてみます。
    アメリカのゲーム事情を垣間見ることができる資料程度にはなるでしょう。

    (1)最も品数が多いのはスポーツゲームらしい
    半端な数ではありません。ゲームショップの棚の半分がスポーツゲームで埋まっていました。

    (2)CRPGは殆ど日本製である
    発見できた外国製のRPGは全てオンラインゲームでした。

    (3)アメリカでの「戦争ゲーム」はガンシューティングか?
    これが最も驚かされたことでした。
    例えば、“DESERT STORM”という作品が売られていました。
    これは中東を舞台にした戦争(湾岸戦争?)をモデルにしたと思われるのですが、ゲームのジャンルはガンシューティング。
    日本の某ソフトメーカーは、同じ題材をウォーシミュレーションにしていたことを考えると、
    ちょっと意外という気がしないでもありませんでした。
    また、“RAINBOW SIX”というゲーム(トム・クランシー氏が書いた同名の小説が原作)が売られていたのですが、
    ジャンルは戦術級SLGとガンシューティングを足して2で割ったような内容になっていました。

    (4)細かい規制内容
    アメリカで販売されるゲームのパッケージには、ゲーム内の注意すべき描写を示す記述が掲載されています。
    例えば暴力的なシーンが存在する場合には“Violence”、RPGで戦闘シーンが登場する場合には“Mild Violence”、
    某DoA(既に「某」ではありません/爆)のように露出の多いキャラが登場する場合には“Mature Sex Themes”などなど……。
    この細かい注意書きは、アメリカの消費者団体や政府関係者ががゲームの持つ特性に過度の警戒心を抱いている証拠。
    問題描写が1個も無いとおおっぴらに記述されていたゲームって
    “Who wants to be a millionaire?”のようなクイズゲームか、普通のスポーツゲームくらいでしたよ。

    (5)アドヴェンチャーゲームは事実上皆無
    完全に無い……というわけではありません。私が調べた時には、
    『MYST』、『Everquest』、『LAW & ORDER』(同名の法廷TVドラマを元に作成された推理物のゲーム)など4作品がありました。
    しかし、いわゆる恋愛ADVの作品がゲームショップの棚に並んでいることは全くありませんでした。
    (良い意味でも悪い意味でも)「ギャルゲーは日本固有(?)のサブカルチャー」になっているということなのでしょうか。


    さて、こんなアメリカのゲームショップの中から、土産物としてゲームソフトを探し出すのは結構大変な作業でした。
    そして、私が最終的に土産物として選び出したのは、
    カナダに本社を持つゲームソフト会社が出した“SUPERPOWER”というシミュレーションゲーム。
    1997年の世界を舞台にした戦略級SLGで、パッケージにこんなに謳い文句が……

    BASED ON OFFICIAL DATA TAKEN FROM U.S. MILITARY AND C.I.A. DATABASE

    この宣伝文句には、正直言いましてショックを受けました(笑)

    ゲーム版“LAW & ORDER”とどっちを買うべきかさんざん悩んだ末に選び出したアメリカ土産の一品。
    プレー報告記は近日中に公開したいと思います。

  • 2003年4月18日 22時50分30秒
    給料が掛かっている試験

    ……のため、現在日誌を書くのも一苦労という状態が続いています。
    研修期間とはいえ、手を抜かず真面目に10時間近く勉強をするとなると、
    かなり頭と神経をすり減らしてしまうものです。
    特にきついのが目。本との睨めっこを続けている状況では、目にかなりの大きな負担が掛かっています
    (PCのディスプレイを眺めるよりも目には厳しかったりする)。

    4月20日に行われるこの試験、受かるかどうかは五分五分といったところ。
    しかし、この試験が終わらないと、心理的に落ち付いた生活を送ることができません。
    そんなわけで、月曜日辺りまでは更新が全く行われない状態が続くと思います。

  • 2003年4月14日 22時39分50秒
    公職選挙法第95条を読んでみましょう

    ウイルス対策と称して新しい花粉用マスクを購入すべきかどうか迷っている図書館長です。
    住民票移転の時期が悪かったため、今回の選挙では投票権を行使できませんでした。

    んで、選挙そのものの総評ですが、
    ニュースなどでは「国民の政党離れが加速した結果が現れている」との論評が広がっています。
    政治家の皆さんも、この事態には結構びっくりされているようでして、
    「信じられない」といった声まで上がっています。
    驚いている暇があったら対策を立てたらどうなんだと突っ込みをいれたいところなんですが……。
    他にも、「国政選挙でもないのにイラク問題など外交問題を選挙の論点にしようとするのは
    地方の問題を無視するという点で間違っているのではないか」という突っ込みを入れたかったのですが、
    選挙も終わったことですし、これ以上は何も言わないことにしておきます。
    地方公共団体にとって、自分達の抱える赤字とイラク問題のどちらがより「危険」かは説明するまでもないはずですが……。


    それにしても、今回の選挙で最も驚かされたのが、札幌市長選挙の結末。
    有効投票総数の4分の1に当たる法定得票数を誰も得ることができなかったため、
    選挙をやり直すという非常に珍しい展開を見せることになりました。
    立候補したのが7人で、与党・野党共に支持層が別々の候補者に分裂してしまったことが招いた結末。
    誰も「25%」の壁を抜け出せなかったところを見ると、無党派層の支持も別々の候補者に散ってしまったのでしょう。

    こんなわけで、計らずも注目を浴びることになったのが公職選挙法第95条
    この条文には、当選に必要な有効得票数に関する規定が書かれておりまして──

    区分当選に必要な得票数
    衆議院議員(小選挙区選出)有効投票総数÷6
    参議院議員(選挙区選出)有効投票総数÷(通常選挙における選挙区内の定数×6)
    ※除算に用いられる数は増加することがある)
    地方公共団体議会の議員有効投票総数÷(選挙区内の定数×4)
    地方公共団体の首長有効投票総数÷4


    つまり、理論上は候補者が5人揃えば再選挙は十分に有り得るわけなんです。
    これまでの選挙では、東京都知事選挙など、首長選に立候補する人間が10人以上並ぶことも時たまありましたし、
    参議院選挙でミニ政党や無所属の候補者が大勢出馬することも珍しくありませんでした。
    この事実と第95条の規定だけを考えると、再選挙はもっと多くても良さそうな感じがします。
    しかし、実際には滅多に行われたことがありません。
    普通の選挙ですと、候補者が大勢出てもその多くが正真正銘(?)の「泡沫候補」であり、
    実際に選挙戦に関わっているのは半分以下(首長戦で当選しそうな人間は2〜3人くらい)になるのです。
    無論、再選挙なんて滅多に起こりません。
    泡沫候補で溢れかえっている選挙では、法定得票数を満たさなかったために供託金を没収される候補者も珍しくありません。

    このことを考えますと、今回の札幌市長選挙で起きた再選挙という結末が、
    理論的な(?)面から考えても極めてレアなケースになることが分かるわけです。
    「泡沫ではない」候補者が5人以上も出揃った背景事情は、北海道の地方ニュースを調べてみないと分かりませんが、
    政治過程論の研究テーマとしてはなかなか興味深いものになりそうです。

    なお、誰も当選者がいなかった今回の札幌市長選挙の場合、公職選挙法第106条・第109条などの規程により、
    近日中に再選挙が行われることになるわけです。
    ……まさか「再々選挙」というとんでもない事態に陥ることは無いですよね?

  • 2003年4月9日 23時02分50秒
    終戦は確定していないけど、ちょっと早めに統括を

    当図書館長は就職に伴い、3月31日から今日までの間、東京から離れて研修を受けていました。
    ビジネスマナーやOSの使い方に関する説明など研修内容が簡単な物でしたので、
    研修の合間を縫ってイラク戦争情勢などを知るべく、新聞やテレビなどに数多く目を通していました。

    そこで、「どうせだったら……」ということで、東京に本社を置く大新聞5紙
    (東京新聞は研修先で売られていなかったので除外します)を
    とっかえひっかえして──昨日はA紙、今日はB紙、明日はC紙……──全部に目を通してみたのですが、
    戦争に対する論評の差や読者投稿欄に現れる読者(その新聞のシンパ)の意見の差異があまりに激しく、
    不謹慎だと承知しながらも、新聞を見て吹き出してしまうことも多々ありました。

    ただ、ちょっとだけ気になったのが、日本経済新聞の「変化」。
    国際問題や安全保障問題では中立に近い立場を取っていた(と思っていた)新聞なんですが、
    イラク戦争に関する記事や間も無く審議入りする有事法制に関しては、かなり保守的な論調を見せていたのです。
    有事法制の審議入りを取り扱った社説では、明白な論調で有事法制の制定に賛成の態度を示し、
    野党・民主党に対し明確な対案を出すように求めていました。
    これが元々の日経のスタンスなのかどうかはちょっと分かりませんでしたが、
    各紙に対して抱いているイメージを少し修正しなければならなくなったようです。

    これだけではなく、今回のイラク戦争では、幾度と無く戦争とマスメディアの問題を考えさせられました。
    今回の戦争では、アメリカ軍が最前線への従軍記者の派遣を認めたことや、
    イスラム世界を中心に反米主義を掲げている複数の衛星ニュース局が戦争報道に加わったこと、
    戦争取材に関わったマスメディア関係者の死亡「事故」が相次いだことなど複数の要因が重なり、
    過去の戦争と比較して、マスメディアの存在が戦争の中でより大きな位置を占めるようになりました。
    ただし、今回の戦争におけるメディアの位置付けは「中立的な観察者」ではなく
    「戦争の道具の1つ」と呼ぶべきものになっていました。
    特に、アメリカとイスラム世界のメディアにその傾向が顕著で、
    イスラム教圏で視聴者を伸ばすアル・ジャジーラテレビの施設が「攻撃を受けた」ことも、
    事故ではなく故意にアメリカ軍が攻撃を指示したのではないかと考えてしまいます。
    日本のメディア──特にテレビは戦争に直接関わっていない分だけ中立性が高いと言えますが、これも相対的なもの。
    一部メディアの報道姿勢には「まず意見・結論ありき」という悪い面が顔を覗かせています。
    このことにも関連するのですが、4月に入って、「フセインを支持していない」ことを明示する為に、
    フランスやドイツは相次いでアメリカ支持の方針を打ち出したのですが、
    そのことをはっきりと伝えたテレビのニュースってどのくらい存在するのか、正確なところが全く分かりません。
    新聞では(程度の差はあれど)一通り触れていたはずなのですが……。


    最初は長期化が懸念されていた戦争ですが、幸いにも比較的早く終結しそうな気配となっています。
    無論、イラクの戦後処理の問題が未解決のまま残っていますし、「北の将軍様」の動きが不気味ですので、
    世界がこれで平和になったというわけではないのですが、独裁者が1人権力の座を追われることを考えると、
    戦争が始まった3月20日以前と比較して、世界は「ちょっとだけマシ」になったと言えるでしょう。「ちょっとだけ」ですけど。

    でも、個人的には、中国で広がっている新型肺炎のほうがもっと気になっているんですよねえ……。
    中国政府が情報を出し惜しみするから、展望が暗くなってしまうという面も考えなければなりませんが。

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