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2004年1月2日 16時45分10秒
政治部記者の初仕事
新年、明けましておめでとうございます。
日誌中心の更新となりますが、今年も何卒よろしくお願いします。
それにしても、今年は元旦から政治部の記者さんが急がしそうで、少々同情を禁じえないところがあります。
政治部の記者を忙しくさせたのは、元旦にいきなり靖国神社を訪問した小泉さん。
元々、小泉さんは年始に伊勢神宮を訪問していたのですが、12月31日に伊勢神宮訪問の中止が決定され、
その翌日(出発間際になって)、突然「靖国神社に初詣しに行く」と言い出したものだから大騒ぎ。
いつもの通り、内外(厳密には日本とその周辺国3つくらい)のメディアが騒ぎ出し、
中国や韓国の外務省も正月から多忙なお仕事を抱えることになってしまいました。
で、今回の小泉さんによる確信犯(もしくは愉快犯)的な元旦の靖国神社参詣は、
私の実家でもちょっとした問題となっていました。
個人的には「参詣するのは好き勝手にしてもらえばいいけど、わざわざ元旦にするこたぁないだろ
(建国記念日とか終戦記念日とか、“絶好の”タイミングは他にもあったというのに)」というのが本音なのですが、
その他の親戚筋の意見はかなりきれいに真っ二つに分かれていました。
片や、「中国や韓国に『これ以上歴史問題でウダウダ言うな』と無言の脅しを掛けた」と賞賛する20代末の人がいれば、
「歴史というものを知らなさ過ぎる」と批判する50代の姿あり。
そして、この歴史論争を眺める私の片手には、『親日派のための弁明』という、
韓国の元左翼で親日派のノンフィクションライターが執筆した韓国批判の本がありました(爆)
この『親日派のための弁明』という本は、私が帰省時の暇潰しの名目で購入した本の1つで、
新横浜から福岡に向かう新幹線の中で読破してしまったものです。
内容は、上でも軽く触れた通り、「韓国人による」(ここがポイント)韓国批判の本。
作者が扱っている時代は19世紀後半から20世紀前半が中心。
その中で、作者は現在の韓国で売国奴同然に扱われている当時の親日派勢力・改革派勢力を高く賞賛し、
“革命”(当時、内乱続きで荒廃していた李氏朝鮮が一旦独立した後、保護国を経て日本に併合された過程)に抵抗した
李氏朝鮮の宮廷内に残る守旧派勢力や一部の反日主義テロリストを批判し、
反日の姿勢を貫いたことを理由に彼らを高く評価している現在の韓国社会(特に教育界や知識層)を
容赦無く滅多切りにしています。
作者の金完燮(キム・ワンソプ、3文字目は「火言火」+「文」)さんは元々左翼運動に身を投じており、
光州事件で学生運動側に加わっていた経験を持つ方。
そのため、19世紀から20世紀の朝鮮史の解説において、「ブルジョワ革命」という文言が頻繁に使用されていますし、
20世紀後半に韓国で行われていた軍政に対して批判的な論調が目立ちます。
日本人の視点からすると、韓国の軍政時代もそんなに悪いことばかりではなかったという気がする
(韓国の高度経済成長もソウルオリンピックも、どちらも軍政時代の産物じゃなかったっけ?)のですが……まあ、いいや。
ちなみに、この本は韓国でアダルト雑誌並みの有害図書指定(本当の「ビニ本」状態です)を受けているそうです。
……そりゃあ、「独島(竹島)は日本の領土である」とはっきり言い切ったりしていれば、
時の韓国政府にとって面白いはずが無いでしょう……特に、ここ2代に続く親北朝鮮政権にとっては。
最近、この本に限らず、韓国や中国の歴史認識や外交姿勢を批判する意見が増えています。
そのことを「正常なナショナリズムの萌芽」と評価するか、
「第2次世界大戦の亡霊を蘇らせる行為」と批判するかは、
その人が育ってきた環境や歴史認識などに因るところが非常に大きいと思われますので、
嫌韓論・嫌中論の是非は、ここではあえて触れないことにします。
しかし、インターネットで歴史・政治のサイトを漁っていると、嫌韓論・嫌中論に肯定的なサイトが特に多いように思われます。
このことは、マスコミの伝える“世論”とインターネットの“世論”の落差を示す好例でして、
インターネット世界の言論動向を知る興味深い傾向と言えるでしょう
(ひょっとしたら、『インターネットの法と慣習』辺りが取り上げてくれるかも……)。
インターネットの世界を知らず、マスコミが伝える日本と韓国・中国の関係が「全て」と考えている人は、
この落差に驚かざるを得ないのではないでしょうか。
では、この落差がどこから来るのか?
……少し考察してみたいのですが、今は紙面(というよりも時間)が足りませんので、場を改めて論議したいと思います。
書き上がってみたら危険な文献になるかもしれませんが、それはいつものこと、ということで(ぉ
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