蝋燭と蟹鋏

カーチャ・ボルジア

首都とモンレッドを結ぶ主管道路の真上に建設された要塞が共和国軍のモンレッド防衛の重要拠点である。第二次モンレッド会戦でカーチャ部隊に捕らえられたカオルィア将軍はこの要塞の地下に繋がれていた。その両腕は鎖で括られて万歳の形で石の壁に吊るされており、戦闘中には華麗な姿を戦場に誇っていた戦闘服は所々が引き裂かれてDカップはあろうかというその両乳房は無残にも顕に晒されていた。白い肌には鞭で打たれたミミズ腫れが浮き上がっているのが拷問の激しさを物語っている。目には涙が光ってはいるが、目つきはしっかりとしていた。どうやら共和国軍の過酷な拷問にここまでは耐えているらしい。鞭を手にしているのはレザーコートを羽織った共和国の評議委員であった。

「エヴェリーナ、この娘は何か話した?」
「カーチャさん、さっきから厳しく尋問しているのですが、まだ何も話そうとしないんですよ。なかなか強情でして・・・ こんな状態です。」
更に鞭が打ち込まれた。見る見る間に右の乳首の上に線状の腫れが現れる。カオルィアの顔が苦痛に歪んだ。だが、その口は閉ざされたままである。
「エヴェリーナ、それじゃあ只の百叩きよ。ちょっと代わってもいい?」
一言、エヴェリーナに断ると燭台から蝋燭を外してカオルィアに近づくカーチャであった。
「あらあら、綺麗な白いお乳がこんなに赤くなっちゃって、可愛そうに・・・」
先ほどの鞭打ちで腫れ上がったばかりの右乳房を撫ぜながら、蝋燭の炎で傷口を確認してみる。エヴェリーナの鞭の威力も相当なものであった。腫れ上がっているばかりか、一部は傷口が開いて出血もしている。
「早く話せば、苦しい思いはしなくても済むのよ。話す気はないの?」
ここまで耐えておいて、簡単に質問の回答などをするはずがない。カオルィアは大きく頭を振った。
「話す気はないのね。でも、こんな目に合うのよ。」
カーチャは蝋燭を傾けると、蝋を乳房の傷口に垂らした。蝋が冷めないように、傷口の直上から垂らされた蝋である。出血までしている傷に溶けた蝋が垂らされれば、その痛みは倍増する。たまらず、カオルィアは叫び声を上げた。
「うふふ・・・ 随分と効いているみたいね。でも、この程度で終わりじゃないのよ。」
この部屋へ来るためにわざわざバネ付きの蟹鋏を取り寄せていたカーチャであった。(後世では洗濯鋏とも言う)鋏の先にはギザが切ってある。普段は漁師が網などを留めるのに使用している鋏であった。
「お乳が丸出しで可愛そうね。アクセサリーをつけてあげるわね。」
かなり、強いバネが入っている鋏である。両手で歯を広げると、その凶悪なギザの間に右乳首を入れた。だが、乳首は乳房の中に埋まっている。このままでは、蟹鋏で乳首を挟むのは無理そうであった。だが、これに挟まれた時の痛さはカオルィアにも容易に想像することが出来た。
「い・・・いやぁ!」
「一言、なんでも話すと言えば痛い目に合わないで済むのよ。このまま、お乳にアクセサリーをつけて欲しい?」
「うう・・・」
見るからに強力な鋏である。これで乳首が挟まれたら、血行が止まり腐り落ちる事すら考えられる。しかし、まだカオルィアは口を開こうとはしない。
「仕方ないわねえ。じゃあ、自分でアクセサリーを付けられない様に努力してみなさい。出来ればだけどね。」
カオルィアの乳首は顕にされているとはいえ、美しい白い乳房の中に埋もれている。このままなら鋏で嬲り者にされる心配はなさそうだった。だが、カーチャも女である。朱色の小ぶりな乳輪の中にある乳首をどうすれば、鋏で挟める状態になるかは良く分かっていた。拘束されて、剥き出しの乳房にそっと指を添える。ピックとカオルィアの身体が震えたのは、拷問中であるとはいえ、そこが性感を感じる場所である事の証拠であった。微笑を浮かべたカーチャは乳首を摘んで、軽く捻ってみた。またもカオルィアの身体が震える。掌で乳首を転がしてみた。明らかに、先ほどまでの痛みを堪えるうめき声とは別の声がカオルィアの口から零れた。
「巨乳の割には感じ易いようね。いったいいつまで耐えられるのかしら。」
先ほどまでは、乳輪の中に埋まっていた乳首が序々に頭をもたげて来ている。必死で堪えようとするカオルィアであるが、身体は反応してしまっていた。カーチャは乳房を揉んでは、乳首を弄る。その繰り返しを何度も続けられてはオンナの身体が目覚めないはずがなかった。
頃合を見計らうと、舌での攻撃に乳首への責めを切り替えることにした。下乳から舌を這わせて、乳輪のボツボツを丁寧に舐めていく。カオルィアの顔が赤く火照り始めた。弄ってから舐める。オンナの身体を責める時の常套手段である。それも、同じオンナであるカーチャが責めているのだから、カオルィアの性感がどうなっているのか、手に取るように分かっていた。

カオルィアは舌での攻撃が始まってから、必死で悶えて快感を逃そうとしていた。だが、カーチャは意識してカオルィア自身から性感を求めるように仕向けていった。舌による乳首責めを自粛したのがそれである。すぐ近くまでは舌を這わせるのであるが、カオルィアが感じるのを見て取ると、すぐに乳房へと舌先を動かしてしまう。これを何度も繰り返されたのであるから、責められているカオルィアには堪られなかった。こうなれば、身体の渇きを早く癒して欲しい。カオルィアの身体はいつしか、乳首への責めを欲しがるようになり両乳房をカーチャの前に突き出していたのである。
ここが、堕し時だろう。そう判断したカーチャは右乳首についに舌先を這わせた。
「あ・・・ああぁ・・・」
散々に焦らされた乳首である。僅かに舐められただけでも敏感に反応した。その頭はあっという間に乳房から抜け出すと、ピンと勃起したスタイルを取っていた。巨乳であるだけに、その先に突き出した乳首は一層際立っていた。
「あらあら、こんなに立たせちゃって。帝国将軍とは言ってもはしたないオンナのようね。アナタは。」
「み、見ないで!」
「本当に立派なお乳だこと。きっと鋏が良く似合うわよ。」
「や! 止めてぇ!」
乳房から勃起した乳首を蟹鋏で鋏むことは訳が無かった。その凶悪な歯が右乳首の根元に食い込む。あっという間に乳首は紫色へと変色していった。
「いっ痛い! お願い取って!」
「おやおや、さっきまで強情だったアナタが頼み事をするとはね。第一、左の乳首はまだ立っているじゃないの。本当はこっちにも付けて欲しいんじゃないの?」
必死で嫌々をするカオルィアを無視して、左の乳首にも蟹鋏を取り付けるカーチャであった。カオルィアの顔は苦痛に歪む。
「このままだと、直に乳首には血が通わなくなって腐ってしまうわね。アナタが乳首はいらないと言うなら別だけど、一言話しを聞かせてくれるだけで五体満足でここから出られるのよ。」
耳元で語りかけるカーチャにソッポを向くカオルィアである。中々気が強いらしい。

「早く話した方がいいと思うんだけどね。下に付いているモノもなくなるかもよ。」
今度は下半身への攻撃が始められた。手早く、カーチャはカオルィアのスパッツとハイレグの黒いショーツを引きずり下ろした。更に両足首に足枷をはめると足を大きく開かせて壁にある鉄輪に固定した。これで大股開きとなったカオルィアの秘所は丸見えになる。だが、オンナのカーチャにとっては特に秘所そのものは興味がない。今は如何にして拷問相手を苦しめるかしか考えていない。乳首と同様に下半身でいたぶれる場所があるとしたら一箇所しかない。割れ目の中からそれを引き出すと、指先で摘んでねじってみた。それは充血して割れ目の外まではみ出して来た。小型の蟹鋏を取り出してカオルィアに見せる。
「下も挟んでみましょうか? これで挟んだら本当に取れちゃうかもね。」
「・・・・・・」
「うふふ。ではやってみましょうか。」
外陰茎を広げると、クリトリスをグっと引き出して蟹鋏で留める。この痛みにカオルィアはさすがに堪える事が出来なかった。地下室の外まで聞こえそうな絶叫を上げた。そんな姿を見てもカーチャは微笑んでいるのみである。

「アタシが話して欲しいのはアナタが部隊に配ったカンタレラをどこで入手したかという事だけなのよ。簡単な事でしょう。その程度の事を話しても帝国軍には迷惑はかからないわ。自分が子供を産めない身体にされるのとどっちがいいのかしら。」
ついに口でもカオルィアの心を揺さぶり始めた。そもそも軍隊にとっては装備の供給源などは最大の極秘事項である。こんなことを簡単に話せるはずがない。だが、それを話す程度の事は帝国の不利益にはならないというとんでもない理論である。だが、そんな理論ですら正常な論理ではないかと信じてしまうような状態にカオルィアは追い込まれつつあった。
「こんなモノもあるのよ。見てみる?」
カーチャが差し出して見せたのは1本の五寸釘であった。良く磨かれており、銀色に輝いている。
「これをどこに指してみようかしら。喉にしましょうか?」
釘はカオルィアの唇に差し入れられた。必死で口を塞ぐカオルィア。だが、尖った釘を防ぐ事などが出来るはずが無い。易々と釘は歯に届いた。歯がこじ開けられた。先端が舌に届いた。口腔の中がかき回された。どこかが切れたらしい。カオルィアの口から血が零れた。
「次は目に刺そうかしら・・・」
「い、嫌ぁ!!!」
カーチャは釘をカオルィアの目の前にかざしてみせる。一通りの恐怖感を与えると屈みこんで、釘を秘所へあてがった。
「やっぱりここへ刺してあげるね。」
膣への入り口を見定めると一気に釘は秘所の中に差し込まれた。どこかの内壁に触れたのか、それとも処女だったのか、カオルィアの秘所から血が溢れる。クリトリスとは別に身体の中からこみ上げてくる痛みに、またもカオルィアは悲鳴を上げた。だが、カーチャは相変わらず悲鳴などには無頓着である。冷静に釘が抜けないように紐を腰骨に通して釘と秘所をしっかりと結びつけた。これでカオルィアは両乳首とクリトリス、膣に金属が付けられたのである。其々が激痛をカオルィアの身体に与えている。もう、立っているだけで限界になりかけているカオルィアであった。
「まだ、話す気にはなれないのかしら。ここでアナタが死んでしまったら、モンレッドの戦いで死んだアナタの部下達は犬死なのよ。生きて帝国へ帰るべきじゃないの?」
これも、無理のある理論である。そもそも犬死させようとしているのはカーチャ自身なのだから。だが、そんなことまでカオルィアは考え付かない。苦痛から逃れさせてくれる有利な交渉のようにすら感じられた。
「少し暗いわね。お乳をもう少し良く見せてもらおうかしら。」
何を言い出すのだろう?と、思ったカオルィアの顔が蒼ざめた。
カーチャは蝋燭を右乳の蟹鋏に近づけると鋏に蝋を垂らし始めたのである。鋏は金属で出来ている。蝋が垂らされたら、その熱は吸収される。蝋から発せられた熱量はそのまま、傷つき敏感になっている乳首に伝わるのである。徐々に熱を帯びてくる鋏に恐怖を感じながらも、何も抵抗が出来ないカオルィアであった。
「あらら、青かった乳首が赤くなってきたわね。血が通い出したのかしら。もっと熱くしてみましょうか?」
乳首に赤みが差して来たのは皮膚が焼けて来た為であるのだが、そんな事にカーチャは構う様子はなかった。直接蝋燭の炎で鋏を加熱し始めたのである。鋏は赤く熱せられ、輝き始めた。
「ぎゃあぁぁぁ!!!」
とても22才の女性が出すのは思えない叫び声が地下室に響き渡った。

「早くしないと本当にアナタのお乳は使い物にならなくなるわね。仮にカンタリアの事をここで語ってもアナタが話したとはアタシもエヴェリーナも帝国にバラしたりはしないわよ。それでも強情を張ってツライ目に合いたいのかしら?」
勿論、情報が漏れたら捕虜になった人間が最初に疑われるものであるが、今では泣く子を説得しているようないい回しになっている。右乳に続いて左乳の鋏も蝋燭の炎で焼きながら、カオルィアを堕とそうとするカーチャだった。すでに右胸は乳輪から乳首までに水ぶくれが出来ている。それが鋏で締め付けられているのだから、言語を絶する激痛が走っていた。更に左胸が焼かれている。カオルィアはもう半狂乱になって戒めから逃れようともがいていた。だが、鎖で繋がれた両腕、両足が自由になるはずはない。自分の両乳房が取れるのではないかと思われるような苦痛を強いられるのを、ただ受け止めるしかないのが現状である。
「下も壊してしまおうかしらね。」
なんとあろう事か、今度は膣内に打ち込まれた五寸釘が蝋燭の炎であぶられた。釘の先端が赤く焼かれていく。その熱は釘を伝わり、カオルィアの秘所を奥深くまで焼いていった・・・
「ぎゃあぁぁぁ!!! や、止めてぇ!!!」
秘所からは湯気が立ち始めていた。体液か血液が釘の熱で蒸発している証拠である。このままでは、内壁も焼きただれてこの場所は二度と本来の用途では使えなくなるであろう。
「止めるのは簡単よ。アナタが話してくれればいいだけ。」
「は、話すわ。だから止めてぇぇ・・・」
数時間に及ぶ拷問の末にカオルィアが堕ちた瞬間であった・・・

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カオルィアが語ったのは次のような内容であった。帝国で最近カンタレラが流通するようになったのは、帝国貴族のサーネ・ボルジアが密売ルートを通じて、軍部や一部の政府高官に横流ししているためである。カオルィアの部隊は第一次モンレッド会戦終了後にキリグアイの補給隊からカンタレラを受け取った。ボルジア家は古くからの帝国貴族ではあったが、近年は没落しつつあった。だが、どこかでカンタレラを入手してからは、帝国の裏世界を中心として権力を復活させつつあるようだ。サーネ・ボルジアはすでに80を超えた高齢であり、今はハルバートのクレイン寺院にいる。子供は娘しかいなかったが、長女マリアに養子を取ってからボルジア家の様子が変わったというのが帝国内部での風評である。暗殺を極度に恐れているために外出することはない。

「なるほど、サーネ・ボルジアか。シュガー家とどういう関わりがあるのか、逢って確かめる必要があるようね。エヴェリーナ、アタシの用は済んだわ。後はアナタの好きにしてちょうだい。」
思わぬ収穫を捕虜から得ると事に成功したカーチャは拷問室を後にした。エヴェリーナは評議委員としてまだ尋問を続けているようである。
「若い娘なんだからあまり苛めないでね。」
自分のやった事は棚に上げて、カオルィアの身体を心配するカーチャであった。

(2002.10.15)


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