ハルバートへ

カーチャ・ボルジア

「うっうう・・・ あっああ!!」
 漆喰で覆われた一室には椅子とテーブルが置かれているだけである。ドアに小窓はあるが、そこには鉄格子が嵌め込まれている。ここが何をする部屋なのかは、テーブルの上に置かれた道具の数々で判るだろう。床についた黒ずんだ朱色の汚れは紛れもなく血痕である。天井からは鎖が吊るされ、その先にあるものは少女の両腕である。その少女の上半身を覆っていた衣服は無残にも切り裂かれ、スパッツと下着は剥がされて秘所は剥き出しになっている。少女の周りには何人もの男が屯し、性行為を繰り返している。身体を舐める者、精液をかける者、秘所へ挿入している者。勝手な振る舞いをしているようには見えるが、少女の性感帯への攻撃は怠っていないようである。その証拠に少女は何度も吐息を漏らしては、身体を震わせていた。いったい、いつからこの色責めは続いているのだろうか? だが、少女の目にはまだ生気が残っている。心はまだ壊れていないようだ。

「どうだ。ファルの調教は順調か?」
「これは、これはアワー様。このように、このオンナを手懐けております。」
「そうか、では私の一物を舐めてみろ。」
 アワーと呼ばれた男は自分の股間の物をファルの口に近づけた。それを睨みつけたファルはマーサに唾を吐きかけて来た。元は共和国軍の副官だったファルである。優しい性格だとはいえ、簡単に帝国の高官の言いなるほどプライドは低くはなかった。
「なんだ、全く調教が進んでいないではないか。」  帝国の高官と思われる男は不敵な微笑みを浮かべた。

 フェルグリアの戦いで白峰渚に捕えられたファル・サンティアは帝国本国に護送された。処刑を覚悟していたファルであったが、連れて来られたのはこの拷問室である。処女は部屋に入れられて間もなく奪われた。その痛みが引く間もないまま連日の責めが続けられている。ここ数日でついにファルの身体は男達のしつこい性感帯への愛撫に反応するようになってしまっていた。だが、自分から求めて性欲を満たすような事はしたくない。その一心がファルの精神を支えているのである。これで、最後の一線が崩れてしまったら・・・ 考えたくはなかった。既に帝国に身を売ってしまったファルである。心まで委ねることは決して許されないことだと信じていた。

「皆の者、下がれ。私が直に調教してみよう。ふっふふ、共和国軍の副官とやらでも只のオンナに過ぎない事を判らせてやる。」
 アワーは小脇に抱えてきた鞄から一つの大瓶を取り出した。中には白濁した液体がずっしりと詰まっている。蓋を開けてみると中からは甘酸っぱい香りが立ち込めてきた。羊皮で作った手袋で掬い取られたその液体は幾筋もの尾を引いている。どうやらかなり粘度の高いローションであるらしい。
「な、何をするの!」
 アワーに背後から顕にされた両胸を揉まれながら、ローションを塗られると思わずファルは声を出した。ベトベトして気持ちが悪い。それをアワーは乳房全体に均一に広げていき、乳首には特に念入りに塗り込んでいった。いや乳首は塗り込むと言うよりもローションで固められたと言った方が適切かもしれない。ファルの朱鷺色の乳首は燭台の灯りに照らされて白く輝いて見えた。
「ふっふふ。何もしないさ。お前が求めない限りはな。」
「何を馬鹿なことを。アタシがお前なんかに何を求めるというの・・・ えっえ! うっうう!!!」
 一時は強がりはしたファルであったが、自分の身体の変化に気付かずにはいられなかった。両胸が熱く火照り、毛細血管が浮き出して来ている。いっそ、痛みが走ってくれるのなら・・・ だが、その感覚は痛みの一歩手前で胸の知覚細胞を刺激し続けているのだ。
「か・・・痒い・・・」

 手袋を外したアワーは椅子に腰掛けると用意したブランディーを取り出すと、ファルの様子を好奇心を持って観察し始めた。もう両胸は真っ赤に色付いている。唇を噛み締めているのは痒みに堪えている証拠であった。だが、ファルの両腕は高く掲げられ吊るされている。自分で胸を掻く事など出来るはずがなかった。頭を振っては、悶えるその姿には17才の少女とは思えない色気を感じずにはいられない。しばらくは、その姿に見とれるアワーだった。

「おい、もう少し愛撫してやれ。だが、胸だけは責めるな。」
 アワーに命じられた男達は再びファルの身体に取り付いた。腰を首を秘所を、触られてはいけない場所に男達の手と舌が這わされていく。連日の責めでファルの身体は既に開発されてしまっていた。だが、そればかりではない。感じた。先ほどまでの責めよりも遥かに強い性感が身体の各所から湧き上がってきた。だが、一箇所だけ満たされない場所がある。胸の痒みだけは他の場所がどんなに愛撫されても消えることはなかった。特に念を入れてローションを塗られた乳首はピンと立ち上がり、誰かが触ってくれるのも待っているようであった。この渇きを癒して欲しい。腰を撫で回している手がほんの少し上を揉んでくれれば、痒みが癒せるのに。だが、その手は乳房に近づくと見せかけて、腰へ戻っていってしまう。何度も焦らされ続ける間についにファルは愛玩してしまった。
「お・・・お願い。胸を揉んで下さい・・・」

「はっはっは。何と言ったのかね? もう一度、言ってもらえるかね?」
 アワーは意地悪く聞き返した。勿論、本当に聞こえなかった訳ではない。こうやってファルのプライドを崩しているのである。
「お願いします・・・ 痒いんです。胸に触って下さい。」
「いいのかね。1部隊の副官ともあろう者がそんなはしたない事を言っても。」
 ファルは真っ赤になって耐えた。何を言われようとも、一刻も早く胸の渇きを癒してもらわなくては気が狂いそうであった。両胸はもうザクロのように赤く熟れている。出来る事ならこの両胸を切り離してしまいたい。そう思うほど、胸の痒みは頂点に達していた。
「では、お望み通りにしてあげよう。」
 今度は鮫皮で作った手袋をはめるとアワーはファルの背後に回った。ゆっくりと乳房を掌で包み込む。ファルの大ぶりな乳房は男の掌では覆い切れない。赤く染まった乳房を丁寧に撫で回していった。今度は表面がザラついた鮫肌の手袋である。アワーが掌を動かすたびに手袋の皺が乳首を刺激した。今まで放置されて続けていた乳首が、反復した運動で擦られ続けている。数日前に処女を奪われたばかりのファルであっても感じずにはいられなかった。
「き・・・気持ちいい・・・」
 思わず、ファルは快感を口にしてしまった。アワーの口元には微笑みを浮かびあがる。腕の動きを徐々に早めていくと、ファルは腰を振り始めた。感じているのである。先ほどまでの男達の責めでも身体は感じていたが、今の感触と比べたら比較にならない。もっと、強く胸を揉んで欲しかった。もっと、乳首を責めて欲しい。もう、アワーの手の動きだけでは我慢できなかった。自分から腰を振り、胸を揺すり、刺激を求めた。こんなにSEXが気持ちいいとは思わなかった。もっと、もっと、もっと・・・
 突然に意識が真っ白になった。ファルは初めてオーガニズムを体験したのであった。

 気が付いた時、ファルは椅子に座らされていた。両腕は相変わらず、真上に吊るされている。椅子に座る事が出来たのは鎖を緩めたためだろう。それよりも、座らされた格好に気が付いてファルは色をなした。深い椅子に奥まで腰掛けられて、手摺に両足首が鎖で固定されている。捕えられた時に身に付けていたスパッツとパンティはとっくの昔に剥ぎ取られていた。まだスカートが残っているとは言え、両足の奥は角度によっては丸見えである。
「い・・・嫌ぁ・・・」
 慌てて足を閉じようとしたファルであったが、足首は手摺から離れようともしない。どうやら椅子も床に打ちつけられているらしい。しばらくの間、もがいてはみたが吊り上げられた両腕がブラブラする以外は姿勢を変えるは出来なかった。ふと、背後に気配を感じる。
「お目覚めかね。副官さん。どうやら、愛欲にも目覚めたようだったがね。」
 下劣な言葉に耳元を真っ赤にしてファルは反論した。
「あ、あれは単に痒かっただけです。」
「胸が痒かった割には腰まで振っていたがね。腰にはローションは塗っていなかったぞ。」
「そ・・・それは・・・」
「まあ、胸だけでは物足りないだろう。ここも責めて欲しいんじゃないのかね。」
 アワーは燭台から持ち出した蝋燭の灯りでファルの股間を照らし出した。まだピンク色を保っている秘所が蝋燭の灯りで浮かび上がる。
「嫌あぁ!!! 見ないで!!!」
「随分と使われたと思っていたら、まだまだ綺麗じゃないか。もう少し開発しないとここはまだ楽しめないぞ。」
「お願い・・・ もう離して・・・」
「では、これを咥えたら離してやろうか。」
 アワーはズボンのファスナーを下ろすと、黒光りする逸物を取り出して、ファルの目の前に翳して見せた。それはあまりにも大きく、初体験をさせられた男のモノなどとは比べ物にならなかった。ファルの顔には恐怖の表情がはっきりと表れる。
「い、嫌です。」
「直に咥えたくなる。これを下にも塗られるんだからな。」
 アワーが取り出したのはあのローションである。ファルの顔からは色がなくなった。そんな事はお構いなく、アワーはローションを掬い取るとファルの花弁にクリトリス、膣内にたっぷりとローションを塗り込む作業を進めた。
「そ、そんなところまで・・・」
 作業は秘所だけではなく、アナルにまで及んだ。まだそこは誰のモノも受け入れていない。固い入り口をこじ開けるように指先を這わせ、奥深くまでローションが塗られていく。17才の少女にとっては信じられない屈辱であった。だが、本当の屈辱は作業が終わってから始まるのである。

「か・・・痒い・・・」
 ファルは本当に良く耐えた。椅子の上でもがき続けていたが、1時間も身体の中から染み出してくるような痒みに声も出さずに耐え続けたのであった。だが、それも限界が来る時が来た。ついに訴えるような眼差しをアワーに向けて、感情を口にし始めたのである。
「フフフ。痒いのか。それでどうして欲しいのだ?」
「か、掻いて下さい。」
「どこを書いて欲しいのか聞いているのだ。」
「ア、 アソコです。」
「アソコ? それじゃあ判らないぞ。もう少し判りやすく言って欲しいものだな。」
「うっうう。オ○○○です!」
「なんだ。言えるんじゃないか。言葉を知らないのかと思ったぞ。」
 ここまで弄るのはファルを堕とすための算段である。高貴な家庭で育ったファルが口にすることなど、一生無いであろう言葉を口にさせると更なる屈辱をファルに強いた。
「では、約束通りこれをしゃぶってもらおうか。」
 もう、その黒い逸物を舐めない理由はファルには考え付かなかった。これさえ舐めれば、楽になれるのである。共和国軍の法術の使い手として兵達の尊敬を一身に受けてきたファルの姿はもうなかった。あるのは拷問から逃れたいばかりに、帝国の高官に身を捧げる哀れなオンナの姿に他ならない。何時の間にか奴隷女に堕ちようとしているファルであった。
 しばらく、自分のモノを舐めさせるとアワーは背後の男に顎で合図を送った。予め手順が決められていたらしい。燭台用の蝋燭を2本取り出して男はファルの股間に取り付いた。
 やっと楽になれる。そう思ったファルであったが男の取った行動には唖然とせずにはいられなかった。男はネジの切っている蝋燭をファルの肛門にねじ込んで来たのである。思わず、男根を吐き出そうとしたが、アワーはそれを許さない。しっかりとファルの後頭部を押さえつけ、喉元まで男根を押し込んでしまった。
「う・・・ううん・・・」
 喉まで押し込まれた男根とアナルへの責めでファルは悶絶しそうになった。だが、冷たい蝋燭が奥に入ってくるに連れ、ネジがアナルの内壁を刺激し痒みが癒されて来ている事に気が付くと蝋燭への不快感は信じられないほど安らいだのである。このまま男根さえ舐めていれば、前も癒してもらえる。そう思えば口を汚される嫌らしさすら感じなくなっていた。ファルは自分がそこまで堕ちたことには気が付いていない。むしろアナルへの責めを身体が求めつつあった。
 だが、秘所は先ほどから放置されたままである。この痒みを何とかして欲しい。アナルはもういい。頼むから前も・・・ 男根で口を塞がれている以上は声でそれを伝える事は出来そうも無かった。やむなく、腰を振ってそれをアワーに伝えようとする。それは少女が取るとは思えないほどエロチックな光景であった。
「フフフ。そうか前も犯して欲しいんだな?」
 首を縦に振って訴えかけるファルである。目にはもう愛玩の表情すら見て取れた。それは、戦時まで敵であった帝国の高官に対する態度とはとても思えない情景である。ついにファルは自分からSEXを敵に求めるようになっていたのである。
「おい。もう1本を入れてやれ。」
 アワーに命じられて男は別の蝋燭を秘所へ捻じ込んだ。ローションの責めですっかり濡れきった秘所は簡単に蝋燭を受け入れる。アナルに挿入された蝋燭と共に秘所の内壁を擦り上げた時、ファルの身体に雷撃が走った。
「うぅぅぅ!!!」
 たった一度の攻撃にファルは耐える事が出来ずにオルガスムスを迎えてしまったのである。
 今度は失神することはなかった。だが、回復を待っては更なる攻撃が加えられる。度重なる攻撃にも身体は敏感に反応した。もうそこまでファルの身体は開発されてしまっていた。
 何度目かの頂点に達したのを見届けると、アワーは下に食い込んでいる蝋燭の動きに合わせて男根をファルの口で扱かせた。
「ぐうぅぅ・・・」
 喉一杯に温かいものが満ちるのを感じる。それは瞬く間に口の中一杯に広がった。
「飲むんだ。」
 言われるままに、ファルはそれを飲み干した。蝋燭の動きが活発化する。またもファルは行ってしまった。気持ちがいい。もっと続けて欲しい。心底から思った。何かがファルの中から崩れ落ちていった。

「これで、このオンナは我が娼館のホストとして迎え入れる事が出来るだろう。中々の上物だ。残りの調教が終わり次第、娼館まで連れて来い。」
「かしこまりました。アワー・ボルジア様。」

(2002.11.30)


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