ファミリアの真意

ファミリア=スティーヌ

6年前は共に笑い、そして語り合った友であり、
今は敵であるリンデとの激戦後、あの一件から目を覚ましたファミリアの
目の前にいたのは、私兵軍「ICE EDGE」の副官であった。

ファミリア「…わたしは何日眠っていたのでしょう」
   副官「丸一日眠っておられました」
ファミリア「そうですか」
   副官「その間、第4部隊は帝都にて、第5部隊はカルカシアにて壊滅
      第2部隊は現在、カルカシアにて攻防中ですが…」
ファミリア「相手は、ベルンハルトと白峰渚ですね」
   副官「はい、いかにイリス殿でも辛いでしょう」
ファミリア「…レナスティーナに伝えなさい。
      今が好機、共に帝国へ…と」
   副官「司令、正気ですか? とても今が好機とは思えません」

ファミリア「戦場にいる者は、己の信念・理想・野望、様々な理由で戦います。
      ですが、どれも私にとっては、くだらない身勝手な妄想でしかありません。
      平和な世を作れるのは、軍人ではなく民です。
      その民を戦争によって苦しめている、全ての将には償う義務があります。
      民を苦しめている張本人達が無傷と言うのは、虫が良過ぎる話ではありませんか?」
      
   副官「…レナスティーナ様を見捨てろと?」
ファミリア「皇帝、神威巫女、共和国評議会委員長…
      レナスティーナとて例外ではありません。彼女にも償いを…」

そこには既にレナスティーナに敬称をつけるファミリアの姿はなかった。

(2002.10.27)


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