王手
ファミリア=スティーヌ
副官「見えて来ました」
クァル・アヴェリ樹海を抜け、目の前に広がるのは
まさに「要塞」と言うに相応しく立派な共和国首都。
だが、ファミリアが着いた時、そこには先行した部隊の姿も
共和国軍の姿も見て取ることは出来なかった。
副官「どう言う事でしょう。何かの罠でしょうか?」
ファミリア「…やってくれますね、ラヴェリア議長」
副官「と、言いますと?」
ファミリア「ここは、戦いの地では無いと言うことです」
副官「はぁ?」
ファミリアは、それだけ言うと薄っすらと笑みを浮かべ地図を手にした。
ファミリア「時間がありません。全速力で南部に向かいます」
副官「はい!」
副官「今、帝国のクレア方面からの情報が届きました」
ファミリア「無用です。帝国、クレア、共和国…そして、祖国レヴァイア
それぞれで戦った人々の死は、きっと意味のあるものだったのでしょう。
ですが、この戦乱自体に何の意味はありません。
私の切り札…それがうまく行けば、
この戦乱にも僅かながら意味を持たせる事が出来るかもしれませんね(微笑)」
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