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恐怖のお菓子
 
 
 ゲイル、セグトラ(共著) 「すぴ〜すぴ〜」
 (・・・・・戦場だというのによく寝るな・・・思考の中見てもあまり緊張していないようだ・・・)
 「ぐぅぐぅ・・・」
 (そうだ・・・明日軍議があったな・・・このあいだの借りを返さないとな・・・ククク・・・)
 
 カルスケート防衛会議にて・・・
 「申し上げます! カーチャ殿より見舞いの品が送られてきました!」
 「ほほう・・・どれどれ・・・」
 
 
 | カルスケートの皆様へ 先日飴を買ったのだがちょっと買いすぎたのでそちらに送ろうと思う。そちらもがんばってくれ。
 
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 見舞いの品を確認する諸将、イチゴ飴、りんご飴、ぶどう飴などにまぎれて・・・
 「んっ!? なんだこれ?」
 ショウ・ラングド将軍が一つの袋を取り上げる。
 その中飴は新緑色に輝く宝石のような飴・・・見ただけでは味がわからず袋にかかれた名前を読む。
 「なになに・・・ゴーヤ飴?」
 「えっ!? 兵殺しと噂の・・・あれですか・・・」
 セグトラは顔を青くしながら固まる・・・
 「私は食べたくないわ・・・」
 あの剛に聞こえた煌槍の彩音ですら一歩ひく。
 「・・・・・・・・・・・」
 食べたくないので黙りこむゲイル、
 (ほう・・・面白そうなものがあるじゃないか・・・主よ、しばらく体を借りるぞ・・・)
 「うっ!・・・」
 ゲイルの体の中に潜むアル・キルロードが体をのっとる・・・
 「ゲイルさん、大丈夫ですか?」
 突然うめき声をあげたゲイルにショウが心配そうに駆け寄る。
 「・・・いや・・なんでもない、大丈夫です・・・」
 口調をゲイルのように装い、何事もなかったかのように体をのっとったアルが答える。
 「とりあえずどうしましょ・・・誰か食べてみます?」
 ショウがほかの3将にたずねる、するとゲイルが・・・
 「・・・セグさんどうぞ・・・・・(ボソッ)」
 「えっ!?」
 「あっいいですね、セグさん」
 自分が食べなくてすみそうなのでセグトラにふるショウ・・・
 「わ、わたしは食べたくな・・・むぐぅぅぅ・・・」
 「つべこべ言うな(悪)」
 有無を言わさずセグトラに食べさせるゲイル・・・
 「・・・・・・・・コロンコロン」
 セグトラは嫌々ながらも口に入った飴を転がしていたのだが・・・
 「・・・・・うっ・・・」
 短いうめき声と共に一気に顔色が悪くなり白目をむくセグトラ・・・半開きになったその口から飴が転げ出る。
 あまりの苦さに耐え切れなかったのだろう・・・飴が床に落ちると同時に、セグトラはその場に崩れ落ちた。
 「・・・・死んだぞ・・・」
 「そこまでの力があるのか・・・この飴は・・・・」
 「・・・・・【合掌】・・・・・」
 セグトラの様子を観察するゲイルとショウ、彩音の場合は手を合わせてもうすでに死者扱いである。
 「この飴、カーチャ隊が退却するときに配られたそうだが、兵が脱走したのではなく、倒れて動けなくなったというのが正しいようだな・・・」←ショウ
 「伝説(恐怖)のお菓子の仲間入りだな・・・さすが兵士殺しの飴と言われただけある」←ゲイル
 「・・・・・・・・」
 「・・・・・・そろそろ起こしましょうか・・・・」
 
 そのころセグトラの頭の中・・・
 「ここは・・・えっ!? 兄さん!? そんな・・・死んだはずじゃ・・・」
 一面に広がるお花畑の中で、いるはずのない人間が笑顔で近づいてくる。
 「兄さん! なんでこんなところに・・・って? えぇ!?」
 笑顔の兄に腕をつかまれ・・・そして・・・
 
 「秘技、一本背負い!」
 ゲイルの一本背負いがセグトラを地面に叩きつける。
 「ぐはっ!? 兄さん! いきなり何するんですかって・・・あれ?」
 「セグさん大丈夫ですか?てっきり死んだと思いましたよ・・・」
 ショウが心配そうに駆け寄る。
 「えぇ、何とか・・・(一瞬本当に天国に行ったような気もしますけど)・・・うっ!?」
 答えながら周りを見回していたセグトラの視線が捕えたものは・・・先ほど口からこぼれ落ちたゴーヤ飴・・・
 「・・・・あ・・・あ・・・いぎゃぁぁぁぁ! ゴーヤあ・・・・・(バタッ)」
 一瞬の沈黙の後、凄まじい悲鳴をあげ・・・セグトラは気絶した。
 「ほう・・・面白いな・・・見るだけで拒否反応が出るのか・・・」
 ゲイルがセグトラの様子を冷静に観察しつつ感嘆の声をもらす・・・
 「これほどすごいとは・・・・・(食べなくてよかったな)・・・で、また気絶してしまったんですけど・・・もう一回一本背負いします?」
 ショウは安堵しつつゲイルに尋ねる。
 「いや・・・ここはこれで・・・」
 といって持ってきたのはゴーヤ(大量)とジュース作成マシン・・・
 「えっ!?それどうするの・・・・?」
 「手作りゴーヤジュースを作って飲ませるんですよ、ショックでおきるはず・・・」
 ガガガガガ・・・・・
 大量のゴーヤをミキサーにかけるゲイル・・・サドっ気全開の顔で・・・
 
 そのころセグトラの頭の中・・・
 セグトラは何処とも知れぬ道を走っていた・・・。
 「はぁはぁ・・・飴が・・・ゴーヤ飴が・・・追って・・・」
 ・・・どのくらい走っただろうか・・・ついに足が動かなくなり座り込む。
 「はぁはぁ・・・まぁここまで来れば・・・大丈夫だろう・・・」
 安心しながら荒い息を整えていると、声をかけてくる者があった。
 「あの・・・すみません。当店でジュースの試飲会をやっているのですが一杯どうですか?」
 見るとかなり美人の女性がコップ片手にこちらを覗き込んでいる。
 「・・・そうですね、のどが渇いたので一杯お願いします・・・。何のジュースなんですか?」
 セグトラが尋ねると女性はにっこりと微笑み、答えてきた。
 「これは当店の健康ジュース、ゴーヤジュースというものです、飲むと健康になるんですよ〜」
 「ゴッ!? ・・・ゴーヤ・・・ゴーヤ・・・」
 恐怖に顔を歪めながら後ずさりするが、体が言う事を聞かない・・・。
 「まぁそう恐れずに・・・飲んでみると意外にいけますよ・・・」
 女性が変わらぬ笑顔で、セグトラにジュースを飲ませようとした時・・・
 
 「いやだぁぁぁぁぁ!? ・・・はっ!?」
 悲鳴とともにいきなり飛び起きたセグトラ・・・額にはびっしょりと汗が浮かんでいる。
 「だっ大丈夫ですか? セグさん? よっぽど悪い夢を、見ていてたんですか?」
 心配そうにショウがたずねる。
 「い・・・いきなりですね・・・変なジュースを無理やり飲ませられかけかけたんですよ・・・飲む前に目が覚めたんですけどね・・・」
 「あっ・・・そうそう・・・変なジュースで思い出したんですけどさっきゲイルさんが変なものを・・・」
 「えっなに? 飲みたいの? 飲みたいんだったら素直に言えばいいのにぃ(悪)」
 とんでもない(悪魔を思い出させる)形相を見せてこちらをふり返るゲイル、手にはミキサーいっぱいのゴーヤジュースが・・・
 「わ・・・私は、え・・・遠慮・・します・・・・・」
 「遠慮しなくていいよぅ(極悪)」
 無理やり飲ませるゲイル! 飲ませられるセグトラ!
 
 ミキサー残り4/4
 無理やり押さえつけてミキサーの口をセグトラの口に押し付け飲ませていく。
 
 ミキサー残り3/4
 セグトラの顔色が青くなった気がする・・・まぁいいや、緑色になるまで飲ませちゃえ(さらにミキサーを傾ける)
 
 ミキサー残り2/4
 んっ? なんか白目剥きはじめたなぁ・・・残り半分だし全部飲んじゃってね♪
 
 ミキサー残り1/4
 白目剥いて痙攣し始めたなぁ・・・まぁいいやここまでやったしぶっかける勢いで飲ませちゃえ。
 
 ミキサー残り0/4
 全部飲んだぁ!やれば出来るじゃん、気絶もしてないし。
 
 ほんとに緑色の顔をしたセグトラがすごい勢いでトイレにむかってかけこんでいく。
「ゴーヤ拷問ここに成れり」
 死にそうなセグトラを見送りながら満足そうにゲイルが微笑む。
 「ぐっ・・・ぐはぁぁ・・・・」
 
 
 
 ただいま不快な音がトイレのほうから聞こえてまいります。
 このあたりはご想像にお任せします。
 (ほんとに想像しないでね、気持ち悪くなるので)
 
 
 
 トイレから出てくるセグトラ・・・ほんとに意識はあるのか・・・
 「セグさん大丈夫?」
 自分でやっときながら人事のように声をかけるゲイル、その声に反応するようにセグトラがフラフラ〜ッとゲイルに近づく・・・
 「――――――――再び不快な音が流れております――――――――」
 「うわぁぁぁぁ緑がぁぁぁ緑色がぁぁぁ」
 大量の緑色をした==がゲイルを襲う(そして気絶)、その瞬間ショウは間合いを開ける。
 「ふふふふふ・・・ふふふ・・・」
 もはや死人の気配・・・精神が崩壊し始めているのだろう・・・ものすごい気配でショウに近づく。
 「よ・・・よるな!」
 「・・・・・・・」
 さらに近づくセグトラ・・・
 「寄らば刺す、近づくな・・・」
 「・・・・・・・・(ばたっ)・・・」
 「??????」
 「・・・・・(ピクピク)・・・」
 「・・・・・・・・・・・・・」
 
 その後ショウはゲロまみれの二人を連れて行ったという・・・・・
 
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