聖都偵察
グレイアス
聖都を眼下にのぞむ山中、グレイアス率いる第8部隊はこっそりと展開していた。
「報告します! クレア軍は聖都付近に結集。その数11!
大将を最奥に法術2、騎馬3、歩兵4と扇型に布陣。
その先鋒に騎馬の永倉隊が陣を張っている様子です!」
伝令がグレイアスの元へやって来て報告した。
「ご苦労」
一言労をねぎらうとグレイアスは待機していた伝令兵に声を掛けた。
「シチルにいる本隊に伝令。今の報告に加えて
『布陣から見て、橋近辺での戦闘が予想されるも先鋒の永倉隊による斬り込みの可能性もあり。
尚、当部隊の周辺に敵影無し。合流まで妨害はないと思われるが、警戒を怠らぬよう注意されたし』
そう伝えてくれ」
「判りました!!」
命令を受けた伝令兵が本陣を出て行く。
「さぁ、いよいよ決戦だ」
続々と集結する帝国軍。
今、聖都クレアを戦場とする決戦が始まろうとしていた。
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