橋の上で
グレイアス
「…………出てこないな…」 「そうですね。クレア軍は橋の向こうに陣を張って待ち構えています」 「まいったなぁ…向こうから来てくれないと盛大な罠のお出迎えが出来無いじゃないか」 そうぼやくグレイアス。その視線の先には熊バサミ、網、丸太、火薬樽等が山となっている。 「しゃあない。このまま置いといても場所を取るだけだ。使える奴は仕掛けておくか」 「すると、どれを?」 「やっぱ、見応えあるのは橋の爆破だろうな…」 「見応えですか…」 「本音としちゃ、万が一の撤退用だ。向こうの追撃の足を止めるためのな」 「他のは勿体無いが、変な所に仕掛けて味方が掛かってもまずい。河に流しちまおう」 「了解しました」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「さて、仕掛けも終わったし、工作隊としての仕事はもうなさそうだな」 「……だからと言って、この名前ですか……?」 「あぁ、向こうをおちょくるにはピッタリの名前に思わないか? いかにもクレアを自由に動いているように見えて」 「まぁ、そう見えなくもないでしょうが……とても軍の部隊名には見えませんね…」 「だからこそ、挑発の効果もありそうだろ?」 「しかし…許可下りますかねぇ…?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『リヴィアナ工作中隊』改め『クレア食べ歩き隊(仮称)』
……一応申請は通ったようだ…。
|