結束
料理長
「報告します。フェザ、ライト、ウェルタ三名による聖都クレアへの破壊工作は成功。命令通り、所要時間五分で、三つの敵兵寮を壊滅後、撤退いたしました。これにより推定される敵損害は三百程。敵本土の混乱も、僅かながら期待できるやも知れません。」
バンダムがいつものように淡々と報告する。
戦争に勝つために必要なもの、それは優れた武器でも名将でも無い、大局を支配するのは名も無き兵士達なのだ。
クッキングの奇襲法。寮を標的とした箱詰め破壊。
昔からの常套手段が八年も経った今、この緊急下で成功した事が意味するものは大きい。
「よくやるよ……。」
率直な感想が思わずこぼれた。
「なにを。当然だ、とおっしゃって下さい。我々一同、微塵も衰えてはおりません。」
思わず微笑を浮かべてしまった。なるべくこいつらの前ではクールにと決めているのだが。
「ひとまず、三人にご苦労様と伝えておいてくれ。報告、承った。」
「はっ、了解しました。」
バンダムはそう言うと、また持場へとに戻っていく。
彼らは常に旅の友であり、彼らは常に戦の友だった。
この八年間、やはり彼らは常に私と同じ道を、同じ志の下で歩んできたくれたようだ。
「ありがとう………本当にな。」
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