その苦しみ、その願い
アザゼル+鴉
パンドラの部隊が壊滅したと一報があった。
氷月将軍の生死は今のところ不明。
敵の捕虜となった。それが妥当だろう。
何かが苦しかった......
何かが悲しかった......
「パンドラ.....」
初めて愛した人と同じ名前の親友の名を呟く。
一瞬、帝国の連中を皆殺しにしようかと思った。
だが、それをあいつが望むはずが無い。
その思いをしまう。
母親と父親が気がかりだった。
祖父の赤竜源帥が帰って来た。
副将の静亞から聞いた。
彼女の家系は赤竜と親密であり、度々赤竜の家の情報が彼女を通して伝わる。
源帥は赤竜のことしか考えていない。
赤竜の血を絶やさぬ為には。何でもしてきた。
だから心配なのだ。
源帥の逆鱗に触れてしまえば母も父も殺される。
苦しかった.....
何故鴉の名を捨てても思ってしまうのだろうか?
何故唯一の親友のことを思わないのだろうか?
何を願って生きればいいんだ...............
ただ.......
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