迎える夜の日

アザゼル+鴉

特に何も思わなかった。
彼、リヴァイアサンに対しての憎悪は一番尊敬した祖父の事を聞かされて一気に冷めた。
今こうして私が生きていることに関しても。
不自由は無かった。
彼、リヴァと静亞が介護するように私を診てくれた。
別に病気は持ってない。
ただ.....リヴァは心の痛みがある。そう告げた。
確かに......最も信頼をして、大好きだった祖父が....非人道的な事をしていたのだ。
酷い損失感があった。
医者みたいな専門学知識は無いがこればかりは自分でも自覚できた。
悲しくて.....辛い.....
今までその様なことはあったが....今ほど深いものは無かった。
けど、少し浅くなっている。
理由はこの家の温かさだ。
木々に囲まれ、気の良い香りが常日頃漂っている。
無慈悲とか言われていたリヴァは其れ相応の深い痛みがあった。本人から直接聞いた。
それを.....逆にちゃんと受け止めていた。
強いなぁ....そんな眼差しで何時しか、彼を見ていた。
私がこの家に住むようになってから2週間ぐらいになった時。
少し早めに寝てしまった為、ふと起きてしまう。
もう一度目蓋を閉じるも、やはり寝付けない。
そう言えば静亞が睡眠不足だから最近買った睡眠薬を少し分けて貰おう。
そう思って静亞の部屋に向かう。
この家は3階建てで、一階はリヴァの書斎とリヴァの部屋、キッチン、リビングルームがある。
二階は客人用となっている為か部屋は全部で4つほどある。私の部屋(となっている)は南西にある部屋。
三階は屋根裏部屋で人、二人が丁度入るのに良いスペース。
その位置から綺麗な夜空が見える。
当の静亞の部屋(仮)は私の部屋(仮)を出て反対側、とは言っても方向が逆だけだ。
北東にあるのが静亞の部屋(仮)だ。
静亞の部屋に近付くに連れてぐっすりと寝ているんだろうなあと思い、引き返そうとも思ったがこっちはあまり朝は良くない。
静亞には悪いけど....と思い静亞の部屋(仮)のドアのノブに手をかける。
「あれ.....?」
ふと気が付く。
戸が僅かながらも開いていた。
無用心だなあと少し思ったが寒がりである静亞がきちんと閉じないのは変だと思い少し戸を開き部屋の中を覗く。
「あん、あん、あん!か、からすぅ......」
「はぁはぁはぁ....静亞っ!」
え........?
度肝を抜かれた。
リヴァ(鴉)と静亞が性行為をしていた。
ごくりと唾を飲む。
こんなに激しいものなの?
鴉と呼ばれているリヴァが容赦無く静亞を突いていた。
話には聞いていたけど.......これほど激しいとは.....
もちろん、私は処女だ。
周りと環境のせいでこの年齢(24)まで処女。
恋などもしなかったし、ましてや不男が列ねる山賊相手に処女を捧げるなんてもってのほかだ。
そんな事を考えさせない出来事が起きた。
「ふぁ.......ん、あっ?」
静亞の目が私の目と合った。
気付かれた!
焦ったが、リヴァの一突きにより再び視線がずれる。
動こうと思ったが動けなかった。
いや、動く気にはさせなかったのだ。
終わるまで.....観ていたい......私の中の誰かが言った。
誰でもない.....自分自身かもしれない....けど、観ていたいというのは本当だった。
二人の行為は更に激しさを増し、汗が飛び散っていた。
「静亞! このままいくぞっ!」
「くっ....ああああああああああああああああ!」
「でるっ.......!」
二人が叫び、痙攣する。
「あ...あ.....あ......」
やがて二人の行為は鎮まり、沈黙が漂う。
ふと.....自分の股間を触る。
何かに触れた.....
それを持ってくると粘つく何かが自分の触れた指の部分に付いていた。
「から.....す.....」
辺りは全くの無音だった為、か細い静亞の声がハッキリと聞こえた。
再び見やると静亞が何かを耳打ちしていた。
私は自然と階段を下り、外へと出ていた。



「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ......」
どれ位走っただろうか?
随分と家から離れている。
そんな感覚がした。
ふと辺りを見ると木々が列ねているだけ。
人の気配なんてしない。無論、獣の気配もだ。
ほんと、静かだった。
何時の間にか目を瞑っていた。
目にしっかりと焼き付いている二人の行為。
思い出すだけで体が火照ってしまう。
夜風が心地よく、丁度良い。
自然と股間に手を当てて、触っていた。
「んあ.......」
寝るときも服を変えてない為、下着代わりのレオタード(みたいの)に雨や寒さを防ぐための衣類を着ているだけ。
普通ならスカート状の物を穿いているが流石に寝る時に邪魔になるので取っている。
故にほぼ直に触れれる。
「あっ.....い......」 自分の指にべっとりとついているのがわかる。滲み出た愛液。
「ふぅん......」
大きくも無く、小さくも無くほどよい大きさの乳房を掴む。
友人の女性の言っていた事をふつふつ思い出す。
『自慰する時はねえ、乳首とかちょっと痛い!って感じるほどに抓ったりすると気持ち良いんだよ。あと、膣とかは指の第二関節まで入れて掘るように動かすとこれがまた気持ち良いんだよ〜』
ちょっと実践してみる。
優しく揉んでいた手を少し分かってしまう起っている乳首をつまむ。
「くぅん」
犬の寂しそうな鳴き声を出してしまう。
指で乳首をつまみながらも器用に乳房を揉む。
そして摩っていただけの指を少し勇気を振り絞り、少しずらして直に触れる。
声は出なかったものの、やはり上から触っていたのとは違う感覚。しかも、少しずらしたせいなのか、少し起っていたクリトリスを軽く擦ってしまう。
それはそれで気持ち良かった。
そして指を入れる。
「んあああぁぁぁぁ...」
変な感じだったが実質、気持ち良かった。
このままさっきの静亞みたいになろうかと思っていたら.....
「黙って見てようかと思ってたけど.....俺は俺で我慢が出来ない....」
「リヴァ!?」
今まで見られていた。恥ずかしさから体が急激に熱くなる。
しかし.....期待感もあったのも事実だ。
「きゃ!」
女の子っぽい小さな悲鳴を上げ、リヴァに押し倒される。
すぐには接吻はしてこなかった。
首筋を舐め、私の体を起こし、耳までも舐める。
「リヴァ......」
その時の私の顔はかなり妖艶で愛くるしかったとリヴァは言っていた。
「サーシャ....」
私の名を呼び、お互い望んで口付けを交わした。
リヴァの舌が口内に侵入し、暴れ回る。
私はリヴァの肩に手置き、リヴァに身を任せていた。
「ん!?」
口を塞がれている為声はくぐもっている。
リヴァが私の着ていたものを全て脱がし、乳房を軽く左右別々の方向に引っ張り、乳首をつまんできた。
しかも少し痛い。けど、快楽が勝った。
「ふぁ.....」
リヴァが口を離し、私の限界までに起った乳首を舐めた。
その間、手はじっくりと私の秘部を弄る。
「あうっ! ああ、い....あ....」
言葉にならぬ声を出す。
「もう....大丈夫かな?」
リヴァも自分の着ていたものを全て脱ぐ。
そして私は彼になら.....そう思っていた。
「いくぞ....痛いと感じたら素直に言ってくれ...」
私はコクンと頷く。
リヴァの先端が当たる。
少しずつ挿入されていった....
「焦らさないで.....」
そんなことを口走った。
「・・・・ならいくぞ」
一気に押し込められる。
「いっ!?」
これまで感じた時の無い痛み。
目が開いたり閉じたり繰り返されている。
リヴァに再び口付けされ、目が大きく見開きそして閉じる。
「大丈夫か?」
リヴァが私の顔を切なげに見る。
「だいじょう.....ぶ.....だから....」
言うのが少し恥ずかしかったゆえ途中で言い終わり、赤面する。
「あん!」
急にリヴァが突き始めた。
「なら....あとはこっちのペースにさせてもらうからな...」
さっき優しい感じから一変して激しく腰を動かすリヴァ。
これだ....私が待ち望んでいたのは....
「あ、あ、あ、いいん....!」
もう、私は彼に身を委ね、木々が列ねる夜、快楽に少しずつ溺れて行った。
何度も体位を変え、少しでも長く彼と繋がっていた。
「はぁはぁはぁ.....サーシャ....もう...」
彼は限界に近付いていた。
当の私もだった。
「い、一緒に!」
私が彼を抱きしめ、彼も私を抱きしめる。
「だすぞっ!」
「んああああああああああああああ!」
ドプッ。
「あ.....熱い.....」
彼のから出された精液は私の子宮口を叩くようにぶちまけられた。
再びリヴァと口付けを交わし、私は深い眠りに付いた。




翌日。
私は自分の部屋のベッドの上で目覚めた。
ちゃんと服は着せられ、朝食の匂いがここまで匂う。
「サーシャ、朝食が出来たぞ」
リヴァが私を呼ぶ。
窓の外を見て朝日が眩しかった。
少しずつで良い。少しずつ....自分の傷を治していこう。そう心に誓った。
「今行く!」

(2002.12.09)


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