豹変

神那 美雪

事件は突然起きた。
美雪は久しぶりに多くの将軍の中にいる。
コマ将軍や鴉将軍に話しかけられオロオロしながらも恥ずかしそうに答える美雪。
そこへ・・・風華がやってきた。
「あっ風華姉様ですぅ〜!」
今までのオロオロした態度から一転・・・トテトテと風華に近づき抱きつく・・・。
「こんにちは・・・美雪さん・・・」
微笑んで抱きついた美雪の髪を撫でる風華・・・と
そこまではいつもの風景だった・・・そして次の瞬間。
ひしっ・・・
その光景に誰もが目を疑った・・・。
なんとコマ将軍が風華に抱きつこうとして殴り倒された。
・・・・・全員の時間が止まる。
「い、いやぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!!(バキ)」
絹を裂くようなけたたましい叫び声の後、コマ将軍は風華の持っていた短刀で張ったおされた。
「いっいやぁ・・・美雪さんのトテトテ姿につい心を奪われて・・・」
コマ将軍はしどろもどろで釈明する。
「あっあなたって人は・・・先日の覗き事件から反省の色がないですの!」
風華が薙刀で一閃しようとした調度その時・・・事件が起こった・・・。
「私の姉様に・・・抱きつくな!」
・・・・・再度突然の大声に全員の時間が止まる・・・
美雪が全身をプルプル震わせながら仁王立ちする・・・その光景を風華はこう表現している。
「・・・あのときの美雪さん・・・まさに鬼でしたの・・・」と・・・
「ひぃぃ・・・みっ、美雪さん・・・話し合いましょう・・・これは罠です・・・そうだ罠に違いない・・・女難の神からの試練だぁ〜!(ヤケ)」
コマ将軍もその姿に恐る恐る後ろへ下がっていく・・・。
「ふぅ〜ふぅ〜」
完全に理性がふっとんだ美雪はじりじりとコマ将軍を追い詰め、壁の隅へ・・・。
「ひぃぃメイリィさぁ〜ん!」
コマ将軍が両手で顔を覆ったそのとき・・・。
びしっ・・・
「はぅぅっ・・・・・」
こぎれの良い音とともに美雪がへなへな〜とくずれ落ちる。
「ふぅっ収まりましたの・・・。」
風華のチョップが美雪に直撃・・・見事沈めた(笑)のである。
「助かりましたぁ風華様ぁ〜ぐはっ」
風華の足元にすがり付いてきたコマ将軍には薙刀一閃・・・。
「乙女の素足にすがりつかないでくださいですの!」
当然の意見である。
「あのぉ・・・美雪さん・・・大丈夫ですか・・・?」
呆然とことのいく末を見ていたギャラリーの中から、鴉将軍が恐る恐る風華に尋ねる。
風華の足元に『ばたんきゅ〜』の美雪・・・。
「へっ・・・いやぁ・・・美雪さん!誰がこんなに酷い事を・・・!」
風華はその場にうずくまり美雪を抱きかかえる。
美雪の目はぐるぐる回り・・・頭にコブができている。
「ほぇぇ・・・目がぐるぐるですぅぅ(ぴよぴよ)」
「美雪さん・・・美雪さん・・・しっかりぃ!」
誰もが『それはあなたです』と心に思ったが言葉するものはいなかった。

(2002.11.08)


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