宴会部長、降臨

御剣 叢雲

叢雲たちは鬼哭の里へとやってきていた。少し前に帝都までの往復をしていた彼女たちにとって「すぐ隣」とも言える鬼哭の里への移動は大して時間がかからなかった。
「え〜と、帝都まで行ってすぐにココまでなんてちょっと辛かったかもしれないけど本当にみんなお疲れ様!!」
『おぉ〜!!』
「地元の人にお酒とか色々貰ったから宴会するぞ〜!!」
『おおぉぉ〜〜!!』
こうして叢雲たちは宴会へと突入した。

笑い声の中を叢雲がふらふらと赤い顔をして歩いている。足取りもどこか危うく、右へ左へ蛇行しながら歩いていた。
「ふぃ〜…」
誰が見ても酔っていることが明らかな叢雲は何故か裸足だった。
「ん〜やっぱ暑い〜」
と呟くや否や、叢雲は器用にインナーウェアを脱ぎ始めた。
「む、叢雲ちゃん!?」
その様子を目にした近くのシンパの皆様が焦って叢雲を止めに入ろうとするが、
「暑い〜眠い〜」
と言いながら叢雲は彼らの手を簡単にすり抜けてインナーウェアを完全に脱ぎ捨ててしまった。
まだ襦袢は着ているといっても元々羽織る程度に着ている叢雲である。その姿の危険度は想像に難くない。
「叢雲ちゃん!! 早く服着て!!」
「ヤダ〜暑い〜」
そう言いながら襦袢の帯を解く叢雲。数人が取り押さえようとするがあっさりとそれをすり抜けてしまう。
叢雲を止めようとするシンパの皆様が激しく叢雲に迫るのでなかなか避けることに気を取られて襦袢を脱ぐことができない叢雲は川を見つけると迷うことなく川に飛び込んだ。
「ああっ! 叢雲ちゃんが!!」
続いてシンパの皆様も絶え間なく水しぶきをあげながら川へと飛び込んでいく。

収拾のつかなくなった宴会は、結局水を浴びて素面になった叢雲が自分が襦袢一枚の姿で川の中に入ってることが原因で暴れだそうとしたが、シンパの皆様の数人が「それは本気でヤバイ」と、叢雲の普段使っている網を使って叢雲を止めたところで終了したという。

(2002.09.12)


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