叢雲と政治(?)
御剣 叢雲
「国境警備隊その3が壊滅した?」
国境警備隊その2を攻撃し、そのままにらみ合いに突入したっぽい叢雲はイリス・フレア両将軍の攻撃の結果報告を受けていた。
「続いて帝国13部隊、バーネット将軍の部隊がファミリア部隊との戦闘に突入したとの知らせが入ってます」
「え〜と…」
「将軍!! 国王により追撃部隊が編成されました!!」
「うっ…」
叢雲の額を一筋の汗が流れる。心なしか顔色も悪い。
「将軍? どうなされました?」
「ごめん…誰か分かりやすくまとめて…」
「現在の我々の位置はここになります」
そう言って連絡に来た兵士の一人が王都近辺の地図の一点に丸印を入れる。
「そしてこれとこれがイリス将軍とフレア将軍の現在位置です。この二部隊によって壊滅した国境警備隊はここに居ました」
地図の上に丸印が二個と三角印が一つ追加される。さらに三角印に上から×印が書き加えられた。
「そしてここにファミリア将軍が陣を構えており、帝国のバーネット将軍との戦闘に入っています」
丸印と三角印が増え、双方の間に矢印が描かれる。
「最後にこれが姫の現在位置で追撃部隊の現在位置がここになります」
「え? ちょっと待って、これじゃやばくない?」
叢雲が追撃部隊を示す黒丸印を指差す。
「こんなところにいきなり来られたら街に入られちゃうって」
「あの〜…将軍?」
「ん?」
「追撃部隊が出てきた意味…分かってます?」
「え? だから街が陥落するかもしれないんでしょ?」
的外れなことを言い出す叢雲に説明をしていた兵士がため息をついて言い出す。
「この部隊はですね…」
「この部隊は?」
「国王の部隊なんです」
「じゃあ味方なの?」
「…敵ですってば」
「何で?」
頭を抑える兵士。
「とにかく! この部隊に我々が攻撃すると明確な反逆行為となるので不用意に攻撃できないんです」
「じゃあ別のところ攻撃すればいいんじゃないの?」
「…ぜひそうして下さい」
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