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戦場にて
 
 
 御剣 叢雲 「背後より帝国第三騎士団、突っ込んできます!!」
 「白鎧騎士団は?」
 「動きありません!!」
 
 白鎧騎士団への突撃を終えた後、叢雲の部隊は第三騎士団に背後から強襲されていた。
 「前が動かないんだったら後ろに全員集中!!」
 その命を受けた兵士たちが次々と第三騎士団の方へと向き直る。
 「一人でも多く斬るよ!!」
 
 第三騎士団の突撃を正面から迎え撃つとあっという間に激しい攻撃にさらされた兵士たちが命を落としていく。
 激しくぶつかり合う騎馬と騎馬が次々と互いの命を奪い合う。高い統率能力に後押しされて効果的に戦う第三騎士団に対して叢雲の部隊は気力で応戦していた。
 「意外と善戦してるね〜…向こうが怖いんだけど今は大丈夫かな?」
 前線からの報告を受けた叢雲がそう呟く。
 「叢雲ちゃん、白鎧騎士団がフレア将軍の方に進軍を開始したみたいだよ。それから…」
 「あ、荻生くん居たんだ」
 偵察に出かけていた荻生が叢雲に手早く現状を伝えた。
 「よしっ! だったらコレ終わったら一気に突っ込むよ!!」
 「突っ込む? どこへ突っ込むんだい?」
 「帝都♪」
 
 陽が温かく倒れた兵士や戦い続けている兵士たちに照り付ける。
 のどかな風景にまったく似合わない戦闘は第三騎士団が突然引き返し始めると、示し合わせたかのように静かに終わりを告げた。
 
 その場に残された兵士たちの躯を見てまわる。
 そういえば白鎧騎士団の白い鎧と第三騎士団の漆黒の鎧は正反対なのによく似ているなと叢雲は苦笑した。
 
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