伝言
御剣 叢雲
「リヴァイアさん?」
「そーじゃなくて『リヴァイアサン』さん」
「さんさん?」
聖都クレアでの戦線に立つ空翔三郎から送られた手紙は『先日敵味方問わずに届けられた書状の人物に心当たりがあるか』と言う内容だった。
それで紙束の中から引っ張り出してきた書状を要約して叢雲に言おうとしていた緋和は予想だにしない質問攻撃を喰らっていた。
「んで…心当たりか…」
「あるの?」
「リヴァイアさんなんて初めて聞く名前の人に心当たりあるわけ無いじゃないですか…」
空から心当たりがあるか聞かれたと言うことはクレアに在籍していたことがあったからなのだろう。しかし叢雲はクレア軍=シンパの皆様と言ったことぐらいしか頭に残っていなかったりするのだった。
「あ、そ〜だ。空さんに伝えといてほしいんだけど」
と、叢雲が勢い翌立ち上がる。
「『無慈悲な死神』より『慈悲深い死神』の方が怖いと思うよ。その辺の木でも切るように人切る人と笑顔で頭撫でてた次の時にはその相手を斬ってるほうがずっと怖いもん」
そう言って叢雲は他の書類作業を放り出してその場から逃げ出すのだった。
|