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神の刀(ツッコミ用?)その二
 
 
 御剣 叢雲 「さてと…」
 叢雲は轟雷刀を抜き放ってその刀身をしげしげと見つめていた。
 「この間のコトで『雷』の理由は分かったんだけど…『護神刀』の意味って何だろ…」
 神を護る刀とも神の護りのある刀とも取れる曖昧なネーミングではあるが、とことんユーザーフレンドリーな点を考えると後者かもしれない。
 ――もっとも『神』の存在自体が曖昧なものではあるのだが
 そう考えながら叢雲は再びその刀を振り回したりしていた。
 
 「叢雲さん…最近破壊衝動に駆られること多いんじゃない?」
 落雷。
 「けほっ…やっぱり苛立ちが溜まってるんだね〜」
 落雷をまともに受けたはずの荻生は何事もなかったかのように…少し咳き込んだがにこにこと喋り続けた。
 「げっ…耐性ついてる」
 
 嵐の吹き付ける平原に雷が落ちる。そりゃもう遠慮なく落ちる。一度に2〜3個落ちる上に雲から雲にも光が走っては消える。
 「今年の秋刀魚は美味しくなるぞ〜!!」
 そのど真ん中でわけの分からんセリフをのたまっている叢雲。
 そのまま延々と嵐と雷のど派手な演出は続いた。
 
 「叢雲さ〜ん…叢雲さんどうかした?」
 嵐と雷と秋刀魚のパラレルワールドにぶっ飛んでいる叢雲の目の前で荻生がひらひらと手を振ってみる。
 「はは…ははは……」
 ぱたっ
 そのまま叢雲は神経性胃炎で数日間病院暮らしをするのだった。
 
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