叢雲人物ファイル〜レヴァイア王国篇〜

御剣 叢雲

イリス・ザッカリン
 イリスさん。髪の毛が黒くて目が赤い。目が充血しても分からないんじゃないかと思う。
 おとなしい人で戦争嫌い。時々料理してたり掃除してたりする。おにぎり好きらしい

叢雲はイリスの部屋に上がりこんで茶を飲みつつ饅頭を食べていた。
突然ふらっとやってきた叢雲を快く招きいれながらも、イリスは周辺の酒という酒を全て巧妙に隠すことに全精力を注がなくてはいけなかった。
「う〜ん…ちょっと塩が多かったかな…イリスさんはどう思います?」
そういう叢雲が手に持っているのは自分で持ってきた饅頭だ。それなりに形は整っているのだが、叢雲自身が作ってきたものなのだろう。数が二人で食べるには多すぎる。
「そうですね…美味しいと思いますが…」
そういうイリスの口調はどこか辛そうだ。
「もう20個以上食べてるんですけど…いつ無くなるんですか…?」
「う〜ん…私は40個ぐらい食べてますけど…あとコレの5〜6倍ぐらいはあると思いますよ」
「……」
一瞬イリスの時が止まる。途方も無い数字を目の前にして思考が停止したらしい。
「あの…叢雲さん……一体何個ぐらい作ったんですか…?」
「え〜と…あんこが無くなるまでです」

饅頭の大きさを考えると荷物はさほど多くはならないのだが、それでもかなりの量である。
結局二人はそれを担いで宮廷へと向うのだった。

フレア・F・カーマイン
 フレアさん。騒がしいのが好きらしい。猫が嫌い。背が高い。どんどん戦場で前に出るタイプ。
 時々難しそうな本読んでたり武器いじってたりしてた。料理をすると「凄い」と聞いたことがある。

「お、二人揃ってどうしたんだ?」
宮廷へと向う道の途中で反対側からやってきたフレアは何やら大きな荷物を持って歩いてくる二人を見つけると軽く声をかけた。
「今から宮廷の茶室まで行くんですけど、フレアさんも来ますか?」
「たまにはそういうのもいいかもな…」
「じゃあ決定〜♪」
こうしてフレアも宮廷へと向うことになるのだった。その後の不幸に未だ気づかないまま…

「で、フレアさんはさっきまで何してたんですか?」
「ああ。図書館でちょっと本を探していたんだ」
そういうフレアの手には兵法書が数冊ある。
「意外と…勤勉なんですね」
イリスがそんなことを言っている間に叢雲が兵法所をぱらぱらとめくる。そして何事も無かったかのようにそれをフレアの手に返した。
「……」
なぜか少しうなだれた叢雲を先頭に三人は宮廷へと向った。

ファミリア=スティーヌ
 ファミリアさん。誰に何されてたか自分でもはっきり覚えてないけど私が捕まってたときに助けてくれた人。
 金髪。お茶が好き。いろんなこと考えてるみたい。戦闘中は凄く冷静で頼りになる。

茶室に上がりこんできた一団をファミリアは別段驚いた気色も無く迎えた。
流石に叢雲が持ってきた饅頭の数には多少驚いていたようだったが、それでも落ち着き払ったものだった。

そして静かに落ち着いて時が流れる。
他愛の無い雑談…というわけには行かなかったが、フレアの持っていた兵法書に関して話してみたりと、話に花は咲いていた。
そしてそれ以上にハイスピードで消化されていく饅頭の山とそれ以上の勢いで消費されていく茶。静かだったのはコレが原因だったのかもしれない。
「ふむ…(ずずず)この戦法だとこんなところに穴があるのか…(むぐむぐ)」
「みひゃいえすね〜…(訳:みたいですね〜)一対一なら便利なんですけど…(ずず…)お茶もう一杯」
「しかし問題は…私たちにそれほどの兵力があるかどうか…ですね」
既にイヤと言うほど饅頭を腹の中に収めているイリスは手に持った饅頭を早くももてあましている。
「ところでコレは…どれ程で無くなるのですか?」
「まだコレの10倍はありますよ♪」

結局饅頭は兵士たちに配られた。しかし一部の饅頭にはあんこの代わりにわさびが入っているなどして彼らを困らせたと言う。
「だってあんこ余ったから生地作ったらこんどそっちが余ったんで…」

(2002.12.02)


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