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戦の終わり
 
 
 御剣 叢雲 後の世に「ノスティーライナの戦い」と呼ばれる戦いに叢雲は最後だけ参加した。
 普段は無謀な突撃を繰り返す叢雲だったが、この戦いの最後の攻撃の時は他の部隊との連携攻撃も見事なまでにこなして見せた。
 
 そして戦いが終わる…
 
 戦の中で将軍も…兵士も…様々な者が命を落した。
 その戦場を無言で叢雲は後にする。それを見送るかのようにぽつんと置かれた金ダライ…
 「間違えた!! え〜と…コレがこうでココにこれが…」
 その場には比較的大きい壷にアンバランスな一輪だけの華がひっそりと活けられていた。
 
 
 カルカシアまで戻ってきた叢雲はそこで部隊を解散した。
 それが終わると突然紙と筆を持ち、姿勢を正して何かを書き始めた。
 
 
 叢雲は書きあがったそれを墨も乾かない間に王都へと着払いで郵送した。
 それが終わると帝都に向って歩き出す。
 以降、叢雲が王都に戻ることは一度も無かった。
 
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