ある名の伝説
パンドラ
戦場では勝ちたい物が集う、私だってそうです・・・・・・・・・・・でも、
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「パンドラの箱」の伝説を知っていますか?
私の故郷ではその伝説から迷信が生まれました。
ある「箱」がありました。それが箱なのかは分かりませんが
少なくとも迷信では「箱」と呼ばれていました。
それは人々の希望でした。夢でした。憧れでした。幸福の象徴でした。
それは持ち主の願いを微力ながら叶える事が出来ました。
人々はその箱を求めました。しかし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その「箱」には「負」が詰まっていました。・・・・・・・・・・・・・・・・・
願いを叶えるたびにその相手の心が宿り「箱」の力となりました。
が、人の思いには常に「負」がありました。
「正」と「負」は常に二律背反、切り離せない存在だからです。
「正」の力は消費され失われ、「負」だけが完全なまま残りました。
そして、・・・・・・・・・・・・・・ある時
「箱」は暴走しました。当然起こりうるはずの事でしたが、
「箱」を信じ切っているだけだった人々には暴走にしか見えませんでした。
「箱」はそれからも願いを叶え続けました。叶えた後「負」が溢れました。
「負」は、世界を変えていきました。その様は正に絶望の具現でした。
「箱」は滅びを撒くと言われました。その力は恐怖でした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・故に、
誰からともなく「滅びの箱」と呼びました。
伝説にあやかり「パンドラ」の名が与えられました。
このとき「滅びの箱 パンドラ」が生まれました。迷信の誕生でした。
そして「パンドラ」の名が「滅びを撒く名」として認識されました。
・・・・・・・・・・私が自分に課した名はそこから来ています。
・・・・・・だから、「破壊者」で、「滅殺者」で、その他諸々で有り
何よりも「滅び撒くモノ」たる「殲滅者 パンドラ」でした。
だから、私は「勝ち」を願っても、目指しても、手に入れても、
その場や歴史の「勝者」になってはいけません。
「勝者」と成った私によって紡がれるのは「平和」ではないのだから。
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