第一夜

結城 紗耶

紗耶の住む神社からクレアまでは、常人が徒歩で約半日。
その日、紗耶がクレアに到着したのは、3日目の夕方の事であった。

まずは父に言われた「月風 麻耶」と言う人物に会わなければならない。
その人物が何者なのか、紗耶の知るところではないが、会わなければ始まらない。
なぜなら紗耶自身、自分が何の目的でクレアを訪れたのか、知らされていないからである。

一晩の宿をとり、翌日「月風 麻耶」に会うと、紗耶は戦場で戦う軍を紹介された。

『クレアムーン第二部隊「蒼風」 副官』

これが紗耶に与えられた役職であり、自分が初めて仕事をするのだと知らされた。
真っ直ぐな性格である為か、すぐに理解が出来た。

「つまりは、自分はこの部隊に属し、主の命を守れば良い」のだと。
元々、「男性は引き立たせ、自分は三歩後ろを行く」と言う性格の為の判断である。
主とは『エアード・ブルーマスター』、自分とは主従の関係であると言う誤解さえなければ、概ね間違いではない。
いまだ、このエアードと言う人物が、どのような者なのか知る術はないが、
与えられた仕事である以上、彼を粉骨砕身の覚悟で補佐をしようと心に決めた時である。

(2002.09.03)


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