第三夜
結城 紗耶
帝国からの不戦勧告から開戦へと・・・遂に火蓋が切られた頃。
紗耶は紹介された『クレアムーン第二部隊「蒼風」』の本拠となっている陣営へと辿り着いていた。
建物の中は案外広く、すれ違う兵士が自分を見るも、気にも止めずに歩き続けていたが、
目的となる指揮官室には辿り着く事は出来なかった。
「どうしたんです?」
そうこうしていると、不意に紗耶に話し掛ける女性の声があった。
紗耶「ええと、指揮官さんに会いたいのですけど、場所がわからなくて・・・」
時雨「あぁ、もしかして、あなたが新しく副官(補佐)になる結城紗耶さんですか!?」
紗耶「あ、はい。結城紗耶と申します」
時雨「私はクレアムーン第二部隊『蒼風』の副官 曇空時雨です」
紗耶「えっと・・・曇空さんですね」
時雨「はい。時雨と呼んでくれればいいです」
紗耶「判りました。時雨さん、ところで指揮官さんはどこに・・・」
時雨「残念だけど、部屋にはいないと思います。ついてきてください」
時雨が案内した先は、シチルの川へと続く、クレアムーン近くの川であった。
時雨「エアード将軍!」
エアード「のぁ!Σ(==; もう見つけたのか」
時雨「全く・・・新しい副官がお待ちですよ」
エアード「ん、あぁ何かそんなような事言ってたなぁ」
時雨「言ってたなぁ、じゃありませんよ。もう目の前にいるんですからしっかりしてください!」
エアード「・・・・・・・・・・・・」
エアードの視線に入った人物は、およそ戦場に出るような人物には見えなかった。
エアード「んー、時雨も冗談がうまくなったなぁ(・w・」
紗耶「今日からお世話になります 結城紗耶と申します」
エアード「・・・・・・」
時雨「エアード将軍! 失礼ですよ」
エアード「あ、いやまぁ・・・よろしく(==;」
こうして、開戦前夜、結城紗耶は正式にエアード・ブルーマスター率いる『蒼風』の副官(補佐)となったのである。
その翌日・・・
エアード「よーし、出発するぞぉ・・・って紗耶・・・なんで俺と同じ馬に乗ってんだΣ(−−」
紗耶「わたし・・・馬には乗れませんから」
エアード「あ、そう(==;」
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