第八夜

結城 紗耶

紗耶「やはり…私が副官の方が良いのではないでしょうか」
飛鳥「なぜです? これは麻耶様がお決めになった事ですから、そうですかと言うわけにも」
紗耶「私は指揮などした事もありませんし…何より戦い方を知りません…」
飛鳥「でも、貴女はこうして多くの者達を連れて、この港町まで来れたではありませんか」
紗耶「それは…飛鳥さんの指揮が凄いですから…」

飛鳥は紗耶の頭に軽く手を置くと、微笑みかけながら、こう言った。

飛鳥「確かに貴女は部隊を指揮した事も、戦ったこともないかもしれません。
   でも、これだけの者達を動かしたのは、紛れも無く指揮官である貴女なのです。
   兵士達も、貴女が着いて行くに足りない人物だとしたら、始めから来ません。
   貴女には戦は出来なくとも、兵士達の心を動かす、何かがある証拠ですよ。
   戦いの事は私に任せて、貴女は貴女の思うように動いてください。
   私も全力で補佐いたしますから」

紗耶「飛鳥さん、ありがとうございます」
飛鳥「礼には及びません。貴女の初陣、勝利で飾りましょう」
紗耶「不束者ですが、よろしくお願い致します」

こうして紗耶と飛鳥が率いるクレア軍は、戦場となっている港町リュッカでと辿り着いたのである。
そして、運命の時も刻一刻と近づいている事に、紗耶は何となく予感しているのかもしれない。


PS:紗耶のお萩の美味しさの秘密は、まだ秘密ですw(紗耶自身、気づかずにやっているので)
   ヒントは、「誰もが知っている究極の調味料」とだけ言っておきましょうw

(2002.10.09)


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