問いかけ
ソフィア
「プラチナの・・・悪魔っ!!!」
帝国軍の誇る精鋭、アオヌマシズマ率いる「Pussy Foot」の攻撃が止むか止まないうちに、常勝の女神ことアリスが率いる「Crimson Knights」が、レヴァイア私兵軍団「RED GRISTEN」に襲い掛かる。
「ひるむな! 敵兵に死を! オレに続け!!!」
自らも真紅に染まったフレアが、愛用の大鎌をひっつかんで走りだすと、最後までその周囲につき従っていた兵士たちが、悲壮な決意に身を固めてその後ろ姿に続いた。
「雑魚には目をくれるな! 狙うのは総大将の首一つっっ!」
圧倒的な戦力を誇る帝国に対して兵を挙げる、とレナスティーナが宣言した時、フレアもまた私兵を募り、その旗の下に参じた。ファミリア、イリス、御剣・・・数こそ少ないものの、集まった面々は名将の名に恥じぬばかりであった。そして、誰も成し遂げた事のなかった帝都侵攻・・・。
あのときの決断が、間違いであったとは思っていなかった。
そうするしか、なかったのだ・・・。
「ソフィア・マドリガーレ! 貴様も一軍を率いる身ならオレの前で出てこいっ!」
その大鎌が一閃する度に、確実に帝国軍の兵士たちがなぎ倒されていく。
・・・しかし。
Pussy Foot、そしてCrimson Knightsという帝国屈指の精鋭を相手に、絶対的な兵力不足は致命的であった。そして、その精鋭部隊を率いるのは、あのシズマとアリスなのだ。
「・・・・・・」
肩で息をするフレアの前に、一人の黒衣の男が立った。得物も何も持たず、素手で戦場に立ちながら、誰もその男を止めることはできなかった。フレアの周囲を固めていた者たちも、背骨を砕かれ、首をおられ、ある者は己の得物を奪われ斬り伏せられていく。
「・・・・・・・上等だ・・・・・・・」
フレアの最後の突撃から三十分後・・・。
一兵残らずRED GRISTENは地に倒れ伏し、フレアもまた力尽きて血溜まりの中に身を沈めていた。
「・・・・・・叢雲には拷問のフルコースをご馳走してくれたらしいが、オレにはどうしてくれるんだ?」
気がついた時は、フレアは両手両脚を背中に回された格好で、とある一室の天井から吊るされていた。腹を下にし、海老反りを強いられている為、全身の体重が不自然にかかる。それでもフレアは気丈に相手をにらみ付けた。
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