いつもの光景
ヴェルヴェット・ヴィシャス
カルスケートのヴィシャス隊の陣幕の中でヴィシャスはあの女性仕官に膝枕をしてもらいまどろんでいた。
額の寝汗を女性仕官は拭いながら色々と考えていた。戦場のこと、これからのこと、そして・・・。
「う・・・」
ヴィシャスのうなされた声に顔を覗き込むとヴィシャスの目は見開かれ爛爛と輝いている。
「悪い夢ですか?」
女性仕官はタオルで額を拭う。ヴィシャスはタオルで目を隠しながら笑った。
「そうかもな。子供の夢を見た。子供の。俺の子かもな」
ヴィシャスは笑いながら。体の位置をずらして陣幕の間から見える外の風景を見やった。
「無駄死にはしねえほうがいいぞ。」
「何か言いましたか?」
女性士官の声にヴィシャスは応えず。またまどろみ始めるのだった。
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