後書き
やっと書き終りました。こちらはAPRIL FOOLです。
まずは、最後まで読み通して頂いた方に深く感謝致したいと思います。
そもそも、この作品の原案となったのは、1997年9月頃に勢いで書き上げた200KB(≒文庫本換算で180ページ前後)の中編『異端審問所書記室長の日記』という長いタイトルの未公開小説でした。この小説では、ストーリーの3分の2以上を、ラプラスとマンフレートの2人による会話で進めてしまうというかなり無茶な真似をしていました(^^;)。中身も主としてエブラーナでのエピソードに限られ、帝都シルクスの描写は1ヵ所も用意されていませんでした。後に、1999年秋以降になって、この小説に帝都シルクスでの登場人物達や、エブラーナ編に新しくキャサリン・グリーノック司教を加え、新しいエピソードを色々と書き足して完成させたのが本作品です。付け加えた部分の方が異様に長かったのも考え物ですが(^^;)。
小説の中身ですが、内容としては読んで頂いた通りです(^^;)。ジャンルとしては、テクノスリラーと推理小説とファンタジー小説を足して4で割ったような内容です。……え? 「何故3で割られてないのか」って? 実は、残り4分の1の正体が作者もよく分からないのです(--;)。
冒頭にも書きましたが、私は本作品を推理小説と意識して書いたわけではありません。……実を言いますと、私って、推理小説のトリックを考えるのが結構苦手なのです。いや、トリックを解くのは好きですよ。しかし、密室殺人のアイデアを考えたり、正確な時間運行で知られる日本の鉄道網を使ったアリバイトリックを考えたりするのは本当に苦手でして……。あの手のトリックを考えるのには、「天啓」に近い物が必要なのかもしれません。だから、わいとのホームページで公開されている推理小説を読んでいると、「ああ……トリックが思い付けるなんで羨ましい(うっとり)」と思ったりしてしまうのです(^^;)。
ちなみに、ある推理作家か批評家が述べた言葉の中に、「本格推理小説で双子トリックを用いる場合、その事実を冒頭に紹介しなければならない」というものがあります。前編を公開した後でそのことに気付き、「しまった、警告文を書いていない!」と激しく後悔してしまったこともあります(--;)。その点では落第ですね(T_T)。
それから、私は同じ推理小説でも1960年代や1970年代の社会派推理小説(だったっけ?)を部分的にせよ知っている人間なので、ミステリー小説やTRPGの推理シナリオでも、トリックよりも動機の部分に重点を置いてしまうんです。ただ、今回の事件の動機は極めて利己的なので、社会派推理小説にあるようなメッセージ性があるかというと少し疑問でして……ああ、後悔続き(TT_TT)。
一応、メインテーマとしては、ファンタジー世界における犯罪捜査の描写というものがあったのですが、それがどの程度成功したのかについては、読者の皆様の御判断にお任せしたいと思います。
本作品に関する感想・苦情・批判・非難・質問につきましては、全てまとめてこちらにて受け付けております。質問に関しましては返答のメールにて解答したいと思いますが、質問が多過ぎた場合は、別ページを設けその中で解答したいと思います。
最後に、オンライン版での次回作ですが、候補が5つあります。
(1)デニム、セントラーザ、サーレントの3人組による推理小説(今度はマジで作ります)
(2)新太陽歴4980年のリマリック帝国を舞台にした軍記物小説
(3)エルドール海で活動していた海賊達の興亡を描く軍記物(冒険?)小説
(4)ファンタジー版『今そこにある危機』(爆)
(5)デフルノール王国へ渡航したフォルティア・クロザックのその後を描いた冒険小説
全部長編だ(--;)。
ちなみに、(1)(5)は本作品の続編になります。
御希望がありましたら、前出のメール中にでも書いて頂けたら幸いです。
では、本日はこれで失礼致します。
西暦2000年9月12日午前6時07分 APRIL FOOL / 4月1日の魔術師
『異端審問所の記録』目次
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