(0)非常に短い前置き 本文書は、『アーケードゲーム紀行』の第2弾である。 |
(1)ゲーム説明 今回選ばれたのは、NAMCOが作ったパズルゲーム『Mr. Driller』。『1』と『2』の2種類が発表されているようであるが、私がプレーしたのは古いバージョン(?)のほうであるし、また、どちらのタイプでもゲームのルールと醍醐味・面白さは全く同質であるので、ここでは第1作の紹介として話を進めていきたい。 ゲームの設定はシンプルである。 「世界各地で突然、町の中にカラフルな岩石が登場したぞ!」 「町の人は大弱りだ!」 「原因は地下にあるらしい!」 「じゃあ、何とかして原因になった岩を取り除くんだ!」 という状況である。そして、原因となった岩を取り除く為に地底世界に派遣されることになってしまった少年。 彼がドリルを使い地下へと進み、カラフルなブロックを全部打ち砕いて、困っている世界の人々を救うことになるのである。 物凄く雑然としており、なおかつ不十分な説明であるが、本作品の最大の魅力はゲームシステムにある。以上のような背景なんてゲームの面白さに比べたら大して重要な要素ではないはずである。 画面だけ見れば落ち物パズルのように見える本作品であるが、実際には単なる落ち物パズルとは全く異なる内容を持っている。本作品のルールを簡単に御紹介したい。
平べったい言い方をすれば、「一風変わった落ち物パズル」である。 |
(2)実際のプレー記録 では、私が実際に100円を使った時の記録を紹介したい。 前回は間違って1000円使ってしまったので、今回は「100円だけしかプレーしない」という強い意気込みの元、財布の中に10000円札と100円玉1個だけを用意して行った。幸運にも、台は空いていた(私が舞台として選んだゲームセンターは、対戦格闘ゲーム以外の台は滅多に埋まらない)ので、そのままコインを投入してプレーを開始する。 主人公の少年が降り立ったのは、ピンク、黄、黄緑、水色の蛍光色で彩られた岩達と、その隙間に埋まる酸素ボンベと茶色のブロックが並ぶ世界である。「こんなところに行かされるとは、運の無い奴め」と思いながら、早速ドリルを動かして下へと掘り進んで行く。ブロックが消滅し、連動して上のほうのブロックが落ち始める。そして、早速連鎖が始まるのだが、その動きを見て、ふと嫌な予感が頭の中をよぎる。 「こいつは、連鎖を起こしちゃダメなゲームじゃないのか?」 そう。自分の真横のブロックに穴を開けた場合、ブロックの配置次第では、10m以上も上の場所のブロックが勝手に動いてしまうのである。それに合わせて新たに連鎖が発生、そして新しく発生した連鎖が更に別のブロックの落下を引き起こし……。 「いつ、どこで上からブロックが降ってくるか分からないではないか!」 そういうわけである。酸素ボンベや茶色の岩が配置されている場所の関係上、脇に目を向けずだひたすら真下にだけ掘り進めるのは不可能であるため、どこかで横に穴を開けなければならない。つまり、ゲームをクリアしたければ、いつどこで始まるか分からない巨大連鎖を常に警戒しつつ、連鎖発生のリスクを冒して、横のブロックに穴を開けて行かなければならないのである。 事情が分かった以上、慎重に進めているだけの時間は全く無い。残り酸素の量も考慮しなければならない。そこで、私は今まで「慎重」に掘り進めていたのを改め、「とにかく下へ素早く掘り進める」ように方針を改めたのである。そして、偶然(?)にも助けられ、私の主人公は無事に100mを進むことに成功したのである。 後はこの繰り返しであるはずなのだが、途中で困った事態を迎えてしまう。 「ブロックの色の数が減っているではないか!」 色数が減ってしまった場合、当然、連鎖も発生しやすくなる。そして、頭上からブロックが降り注ぐ確率も高まってしまう。無論、他人のプレーを見ずにゲームを開始した私には、このような巨大連鎖に対する心構えは全くできていない。キャラに上を向かせてドリルボタンを連打するという技(ゲームオーバー後に知った)も使えない。 「なんじゃこりゃ〜〜!」 ぷちぷちぷち。 最終的な記録は324mであった。 |
(3)最後に (1)でも触れたが、本作品はただ単純な落ち物パズルとは全く異なっている。通常の落ち物パズルでは純粋に喜ばれることの多い多段連鎖も、本作品のゲームシステムでは、主人公の命を奪うことになってしまう。(研究を重ねたプレーヤーならば話は別であるが)意図的に巨大な連鎖を作り出すことも困難である。落ち物パズルで連鎖が嫌われてしまうルールは実に珍しい。 攻略のコツであるが、常に上方を警戒しながら素早く掘り進めて行くことぐらいしか思い当たらない。100m掘り進むことに成功したら、上方で発生しつつある巨大連鎖が全てリセットされるため、命拾いすることもあるのだ(これは本当)。あとは、酸素ボンベには執着しないことぐらいであろう。500mコースを選んだ場合、酸素ボンベはかなり多く配置されているため、掘り進めている途中で酸素の残量が少し減ったとしても、多少の無茶はできてしまうものである。もっとも、1000mコースでは酸素ボンベの数も少なくなっており、多量の酸素を消費してしまう茶色のブロックも増えているので、1000mコースでは酸素ボンベに執着したほうが良さそうである。 ルールが簡単なパズルゲームなので、軽い息抜き程度にでも楽しんでみてはいかがだろうか。クリアできるかどうか別にして、息抜きするには十分楽しめる内容である。 |