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バル様による『それは舞い散る桜のように』レビュー

注意

 本文章はバル様から御投稿を頂いた『それは舞い散る桜のように』(Windows)レビューです。ですので、背景が黄緑色となっている部分(レビュー本体)の著作権はバル様にあります。予め、御了承下さい。


バル様による『それは舞い散る桜のように』レビュー
項目評価
操作性10
音楽8
画像10
システム10
設定8
人物9
脚本10
主観評価30
合計95


 他のレビューサイトで良く見かけるのは「謎が謎のままで、ゲームをクリアしても『??』しか残らない」という事だ。それ故に、このゲーム(これからは『それ散る』と呼ばしてもらう)は「名作になれなかった良作」と言われている。
 しかし、殆どのサイトはここまでのレビューで止まってしまっていて、誰も「こんなことくらい制作側も気付くだろう」という疑問に対して踏み込んでいない。私は「どんな物事には理由がある」と考えている。しかもそれが人の手によって作られた物ならば尚更だ。

 じつは、それ散るには続編の『けれど輝く夜空のように』という作品で、8年後の和人を主人公として瑛などとの恋愛模様を描きつつ、『それ散る』で伏線を張っておいた全ての謎を解き明かす予定だったらしい。しかも、それ散るのセーブデータを引き継ぎ、そのデータによって話が変化するという技術的にもかなり興味をそそられるアイデアまで盛り込まれていた。それなのに何で日の目を見ることがなかったのか? これに関してはいろいろと込み合っているので「大人の事情」とでも言っておこう。ようするに発売停止になったのだ。
 つまり、このゲームの本当の姿は『それは舞い散る桜のように』が大きな起承転結の「起承」を、そして『けれど輝く夜空のように』が「転結」を担っていて、2つが合わさって初めて1つのゲームとなるのだ。そして、これも良く聞く疑問だが「オールクリア後の和人の視点での桜花との出会いは何なんだ」というのがあるが、上記の事を踏まえていればわかるだろう。ちなみに、『それ散る』は本当は「それは桜の舞い散るように、けれど輝く夜空のように」というタイトルで、2つの内容が一緒にはいって発売される予定だったらしい。

 事実を知ってみると、やはり『けれど輝く夜空のように』が発売されなかったのは痛い! 『それ散る』は最初に言った「名作になれなかった良作」という文句がやはり有名だが、この『けれど輝く夜空のように』があれば「名作を越えた傑作」になりえたかもしれない。個人的にはこれ以上ないお気に入りなだけに残念だ。


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関連リンク

『それは舞い散る桜のように』OHPのコピー版

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