操作性 (/10) | 4 | インストールの不便さという致命的な問題点あり。具体的には、 (1)インストール時に900MBの容量を要求される (2)インストールするファイルの量をユーザー側で変更することができない (3)インストール完了までに20分以上の時間を要する といったところ。 インストール時にセットアップファイルからwavファイルを分割して取り出す作業を行っており、 wavファイルが約4700個(容量にして約735MB)も存在するのが原因と見られる。 しかも、そのうち約350MBは英語のwavファイル。かなりの高確率で死蔵ファイルとなる。 せめて、ユーザー側でインストールするファイル (英語の有無、音声そのものの有無)を選択できれば良かったのだが……。
<注記>実は、『銀色』をプレーした直後『Exile』をインストールしてみたのだが、こちらのソフトの場合、 (1)インストールするデータ量は20MB(声無し)または1000MB(声有り)のどちらかを選択できる (2)インストールの所用時間は1000MBインストール時でも8〜9分程度 というようにユーザー側の環境に配慮して作られている。 こういった「良い例」を知っていると、どうしても『銀色』の不便さが気になってしまうのである。
なお、誤字脱字等を修正したファイルがこちらにて配布されている。 |
音楽 (/10) | 8 | 楽曲の使われ方に問題点も見られなかったし、十分に良いと言える範囲内。 |
画像 (/10) | 9 | 女性達の虹彩が広過ぎるような気がするが、それを除けば問題無く楽しめるし上がり。 |
システム (/10) | 3 | 基本的には1本道シナリオ。 各章毎にバッドエンドが用意されているものの、バッドエンド行きかどうかの見分けは容易につく。 |
設定 (/10) | 9 | 細かいところに問題点があるかもしれないが、銀糸という設定のアイデアはなかなか良い物に感じられた。 |
人物 (/10) | 7 (9) | 計5章構成。複数のライターが分担して執筆している。 というわけで、登場人物・脚本に対する評価も章単位で行うことにしたい。 ※ここで言う「第5章」は「第4章」の後編となる「錆」編のこと。
第1章・第4章・第5章は「とても良かった」と前向きに評価したい。 私的には第1章が全5章中最もお勧めである。
第2章については、ヒロインの性格設定が論議を呼ぶところ。 典型的な自己犠牲キャラであり、しかもおっとりボケボケタイプの性格の持ち主。 現実世界にはあまりいそうに無い人格の持ち主なのだが、 彼女のようなキャラに感情移入できるかどうかで評価が大きく分かれることになる。 なお、男性キャラなど周囲の人間は現実にも有り得そうな普通の人々として描かれている。
第3章について。私は「第3章は不要」と考えている。その理由は、 (1)銀糸が登場する以外に、他の章との関連性が全く存在しない (1・2・4・5の各章は、設定が裏でしっかりと繋がっている) (2)登場人物達の言動があまりに短絡的・思慮不足 (特にヒロインの朝奈。登場人物に対して嫌悪感を抱いたのは久し振り) (3)夕奈の視点が完全に欠落しており、彼女に対して感情移入することが極めて困難 (朝奈と男性キャラの間で視点移動が行われているのに、なぜ夕奈に視点が動かないのか? 暴走する彼女の心の内は覗いてみたいものがあるのだが……) といったところ。 他の章に致命的な問題点が無かったので、第3章の特異性(≒問題点)が余計に気になるのである。 登場人物の言動が現在のものとは異なっていたとしても、他章との関連性の薄さはやはり問題視したと思う。
<注記>おまけシナリオについては本編とは関係無いので敢えて黙殺(爆) 本編への感情移入が激しかった方はプレーされないことを推奨する。 |
脚本 (/10) | 6 (10) |
主観評価 (/30) | 15 (20) | 私的には第3章が無ければもっと高い評価をつけても良いと思っている。 あと、インストールの不便さなど技術的な問題点がどうしても気になった。 |
合計 (/100) | 61 (72) | 第3章に対する評価が大きな注目点。他の方のレビューを御覧になる時に注目されたし。 |