-
2003年1月6日 16時02分40秒
宇宙食の世界
現在、私の友人の1人がアメリカに留学しています。 時たま、その友人からメールやら手紙やらが届いているのですが、今回はアメリカからのお土産が入っていました。 以前、彼に「お土産は食品で頼む」と頼んでいたのを今でも覚えてくれていたようです。
さて、彼から食品の土産が届くのは今回で2回目となりますが (ちなみに、前回はボストンで紅茶を買ってもらいました/マテ)、 今回入っていた品物のラベルを見て思わず唸ってしまいました。
FREEZE-DRIED SPACE MEAL
REAL ASTRONAUT FOOD
その正体は、フリーズドライされた本物の宇宙食。 友人氏によると、ケネディ宇宙センターに観光へ出かけた際、土産物店で入手したんだそうです。 パッケージには
This product was used on the first manned mission to the moon and continues to be used by NASA in the current space program.(注:原文そのまま)
|
と添えられていました。アメリカの宇宙開拓(?)史を物語る貴重な一品というわけです。 友人氏のセンスの良さに感謝しつつ、早速箱から中身を取り出してみました。 中に入っていたのは──
●スパゲティミートソース ●チョコクッキーではさんだバニラアイスクリーム(ただしフリーズドライ) ●フリーズドライされたイチゴのスライス
──という3品。 今日は、そのうちのアイスクリームとスパゲティを食することに致しました。
フリーズドライされたスパゲティですが、裏面の説明を読むと「沸騰したお湯で戻さないといけない」とのこと。 そこで、細かい説明に目を通してみました。
PREPARATION INSTRUCTIONS
1. Cut or tear foil package at top seal.
2. Discard oxygen absorber (AGELESS(R)) from foil package. Do not eat.
3. Empty contents of package into a medium size bowl.
4. Add 3/4 cup (6 oz.) BOILING water, stir thoroughly.
5. Cover and let stand 5 to 10 minutes.
6. Stir and serve.
CAUTION : Boiling water may cause skin burns.(注:原文そのまま)
|
ちょっと不自然にも思えるくらい丁寧な解説ですが、指示通りに作ってみることにしました。 まず、袋の口を破ってから脱酸素剤を取り出し、 ボウルに中身を移してから150ccの沸騰したお湯を入れて掻き混ぜ、 5分から10分間放置──
──なぬ? 「5分から10分」?
親切そうに見えて、意外なところでアバウトになっている解説文に苦笑いしつつ (おそらく、低気圧下での調理・食事にも考慮したんだろうと思います) 約8分間待ってようやく完成。
味のほうはちょっと酸味が強いかなという印象がありましたが十分に「美味しい」と言えるものでした。 ただ1つだけ注意しなければならないのは、 スパゲティが短く切れた状態で調理されていたということ。 一番長い麺でも、長さが2.5cmほどしかありませんでした。 そのため、フォークを使おうにも悪戦苦闘する始末。 途中からフォークの使用を諦め、スプーンだけでスパゲティを食べることになりました。 もっとも、これは宇宙空間での食事が楽にできるようになされた配慮だと考えられますから、 文句の言いようがありません。
形状に驚かされたものの味は良かったスパゲティとは異なり、 フリーズドライのアイスクリームのほうはそこまで美味とは言えませんでした。 私が普段食べているバニラアイスと味付けが異なっているせいであるという面もあると思いますが、 アイスクリームの部分がぱさぱさに乾いている上に常温で食したため、 「アイスクリームを食べている」という実感が湧きませんでした。 食感としては「乾燥して固めたマシュマロ」と評するのが最も良さそうに感じられました。
乾燥したイチゴのほうは後日頂く予定です。 果たして、どんな味になっていることやら……。
|