楽しい一夜

アメージュ・ラズリ

此処は共和国の首都にある将軍達のよく集まる酒場。
今日も何時ものように将軍達が来ている…そして、この日は…。
第2部隊将軍のゲイルが…。
第3部隊将軍のエヴェリーナ・ミュンスターが…。
第4部隊将軍のカオス・コントンが…。
第6部隊将軍のセグトラが…。
第7部隊将軍のショウ・ラングドが…。
第8部隊将軍のカーチャ・ボルジアが…。
飲み会をしていた。

ワイワイがやがやと楽しい声がしている。
誰かが叩かれる音。
それでも、諦めない様な下手なジゴロの声。
それらの中に何時もの様にあたしは入っていった。

 キィィ……バタン…

あたしに最初に気づいたのは下手なジゴロハンターカオスだった。
「あっ、アメラちゃんこばんわーッス♪」
そう言いながらカオスくんはあたし…アメラに抱きついた。
「きゃっ!?だ…駄目だよカオスくん…」
アメラは少し目を潤ませながらカオスを見た。
と、そこに…。
「こぉら! アメラちゃんに何をやってるんだー!」

 バキャッ!!…ゴロゴロ……ズドッ!

 「ぐはっ!? ごろごろごろ……ガン! ぶしゅー(@@)」 カオスがセグトラの飛び蹴りを受けて綺麗に地面を回転して壁にぶつかった。
「大丈夫、アメラちゃん?」
「は、はい…毎度の事ながら思いますけどだいじょーぶーカオスくん?」
アメラがそう言うとカオスは片手を挙げて手を振った。
「大丈夫みたいねぇ…まあ、こんばんわぁ♪」
と、アメラは遅い挨拶をした。

 ゴクッゴクッゴクッゴック………ダン…

「ふぅ〜〜、う〜ん、やっぱり仕事の後はお酒に限りますよぉ♪」
アメラは大ジョッキに入ったビールを一気飲みして軽快にテーブルに置いた。
「はぁ〜、未成年のくせによく飲むわね…」
と、隣に座っているカーチャがアメラに向けて言った。
「えー?いいじゃないですかぁ〜♪」
「そうッスよ! アメラちゃんの言う通りいいじゃないッスか♪」
何時の間にやらアメラの腰の方にカオスが抱きついていた。
アメラはそのカオスを見てニコリと笑い右手を掲げた。
「ロン出てきて♪」
「あ……何か嫌な予感が………」
カオスが呟いたが時既に遅し。
アメラの掲げた腕に紅い龍の刺青が浮き上がり炎の龍となりカオスに向かって飛んでいった。

 キシャァァァァ!!……ゴオオオォォォォオオオ!!!!
 「ぎゃわっちーーーーー!! 熱っ…ちょ、み、水ぅ〜〜!!」
火を纏いながら走り回るカオスを尻目にアメラの雰囲気が変わった。
そして、フラフラとカーチャの所に歩いていった。
「ん〜〜〜〜♪うにゅ〜〜〜〜〜♪」
「きゃっ!? ちょ…ちょっと、アメラちゃん?! 何処触ってんの?! いやぁ〜〜! たすけて〜〜〜!!」
カーチャに擦り寄ったアメラはカーチャの胸、腰、太股、内股、色んな所を触りながら猫の様に抱きついて舐めたり、抱きしめたりした。
カーチャはピクピクと震えながら気絶した。
そして、アメラは他の目標を探そうと体を回した。
「「「「ヴ……!!?」」」」
残りの4人があからさまに嫌な顔になり少しずつ後ろに下がっていった。
アメラはまるで目を光らせた獣の如く4人を見つめ跳びかかった…が。
「熱いっすーーー!!」

 ドゴスッ!!!

「うにゃっ!?」「がふっ!!?」
と、すんでの所でカオスと激突して床にぶつかった。
「……ふぇ…?あれ?あたし一体……」
「熱いっすーーーー!!!」

 バシャーーーン!!

「ぶわっ!? ……ふぅ、よぉやく消え………て、あの〜…どしたんすか?(^^;」
水が飛んできた所にカオスが振り返ると他の方々が怒った顔で睨んでいた(特にカーチャは殺気を込めていた)
「「「「「お前が悪いんだ!!!!!」」」」」

 ドカスッ!バキスッ!!バキャ!!!

「な………なんでオレだけこんな目に……【パタ】」
その状況を見ていたアメラは遂に笑い出した。
「…くすっ……うふふふふっ……あはははははは〜〜♪」
「「「「「「????」」」」」」
「みんな面白いですよぉ♪だから笑ってしまって〜…ふふっ…」
アメラのその一言でみんなは笑い出した。
(こんな時がずっと続いてほしいな…)

それから、みんなで楽しく可笑しく飲み会をした。
「あ、もうこの時間ですか〜、じゃあ、そろそろ失礼しますね」
「そうすかー、じゃあ、おやすみなさいっす♪」
「おやすみなさい、アメラちゃん」
「おやすみなさい」
「明日またね♪」
「襲われないでね〜♪」
「そういや、最近この付近で変死体が見つかってるって話だから気をつけてね」
と、口々に色々言っていたが最後の言葉にアメラは一瞬悲しい顔をした。
「大丈夫ですよぉ、襲われませんから、でも心配ですね…」
「んじゃ、オレが送ってきますー♪」
そう言ってカオスがアメラの腰に手をかけて外に出ようとした。
「……リュウ凍らせて…」
そう言って左腕から氷を纏った龍が出てカオスを凍らせた。
「はうぅ……さ、寒いっす…(TT)」
「では、失礼します…おやすみなさい」
そう言ってアメラが出て行った。
左目が蒼いまま…。

 続

(2002.09.25)


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