酔いがもたらす悲劇その2
ゲイル
「・・・・・・・(会議室で実験やるなよ・・・爆破実験を・・・!!)」
真っ黒に染まったカオスを見てゲイルは心からそう思った。カオスはそのまま医務室へ・・・
「・・・・・・・ふんふ〜ん〜♪」
アメラが鼻歌を歌いながら厨房に入っていった。
「あっお願いします、アメラちゃん(さっきの爆発でもう酔いは醒めてるけど)」
ふう・・・とため息をつくゲイル。ふと見るとセグトラがまだ一人酒をあおっている・・・
ほんとに爆発に気づいていないのだろうか・・・
しばらくすると・・・
「はぁ〜い、お待たせぇ〜♪」
そういわれてゲイルはお吸い物を見る・・・なにやら赤い茸や紫の茸が浮いている・・・
「あの〜アメラちゃん・・・この茸はいったい・・・?」
「あ、これ? 今日ね、山で運動してたときに見つけたの♪ ラスケちゃんもびっくりしてたからきっと美味しいんだよ!♪」
(なぜそこを強調する・・・)
セグトラの様子を見てみる・・・本能でやばいと感じたのかなぜか口をつけない・・・
「ねえ、飲んで、アメラのお・ね・が・い♪」
と、言いながら有無を言わさずアツアツのお吸い物をいきなり一気飲みさせられる・・・
「ごふっ・・・ぎゃぁぁぁぁぁ!?・・・・・・・」(←悲鳴にならない)
「・・・・・・・・」←話せない
「ごっくん・・・」←全部食べた
(・・・・・・・・ドクン、ドクン)
「あ、飲んだぁ〜ねえ? 美味かった? 美味かった? ・・・・ゲイルくん?」
「みゅうぅぅ!? ん!? あんなところにメガネっ子が〜」
解説 ゲイルが食べた茸その1 幻覚茸
赤くて毒々しい色をした茸、食べると文字どうり幻覚が見えて暴走しだす
性欲が爆発するのもこの茸の特徴である
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お吸い物に手をつけずゆっくり一人で酒を飲んでいたセグトラ、一人普段のストレスを
吹っ飛ばすかのように幸せそうに飲んでいた・・・この男にも自分の平和が崩れるときが
やってきた・・・
「のわあぁぁぁぁぁ!?」
突如襲われるセグトラ、襲うゲイル、
「わぁぁぁ!? ゲイルさんどうしたんですか!!」←びっくりしている
「きゃうきゃう♪」←とてもうれしそうに襲っている
「わっはなれて〜、正気に戻ってゲイルさん!!」←ポカポカと殴りながら
「ひゃっほうぃ♪」←服を脱がし始める
「あっ!? やめろ〜私は男だ〜!!! 男とやる趣味なんてありませんって〜!!!」
「!?」
男という単語に反応するゲイル。
「・・・・・・きゅぴーん」
しばらくの沈黙の後何かを見つけて不敵な笑みをこぼす。その視線の先には・・・
「う・・・・・ゲ・・ゲイルくん・・・?」
貞操の危機を感じ一歩引くアメラ。
「きょおぉぉぉぉぉ」
ゲイルがアメラに襲いかかるが・・・
「う〜、ゲイルくんゴメン! リュウ!!」
ヒョオオォォォォオオ・・・・・グオオオォォォォ!
「ぜぇぜぇ・・・た、助かった・・・?」
ほっと一息のセグトラだが・・・
「氷龍閃!!」
「まって、私まで巻き込まれっ・・・!!」
「きゃぁぉぉぉ・・・・」
カッチイ〜〜〜ン・・・
一瞬で氷づけにされてしまう2人。
「ありゃ・・・・う〜ん・・・・・ロン出てきて!」
ゴオオォォォォォォォオオ・・・・・キシャアアァァァァァアア!
「熱炎掌!!」
アメラはそう叫びながら拳を氷漬けの2人に向かって打った。
そして、その拳の方向へロンが飛んでいった。
ボオオォォ!
「ううぅ・・・」
「げほっげほっ・・・死ぬかと思った・・・って? 大丈夫ですか!?」
セグトラ、いきなり巻き込まれて氷付けにされる・・・彼の言葉は本当に心から出てきたものかもしれない。
「はぁ・・・・はぁ・・・・・・こ・・・・これで・・・だいじょ・・・」
バタン・・・
そう言いながらアメラも倒れこんでしまう・・・
(むくっ)
騒ぎの張本人(?)ゲイルが起き上がる。
「あっ、ゲイルさん大丈夫ですか? ・・・ってゲイルさん?」
「くくく・・・ふははははは・・・・」
解説 ゲイルが食べた茸その2 怨霊茸
普通は人の採ろうとも思わないところに生えている茸。
特徴は怪しげな紫色をしていて、食べるとその茸に乗り移った彷徨える怨霊の思考、
知恵を体の中で共有してしまう。時には完全にのっとられてしまうこともあるという恐怖の茸
霊を取り除く方法もあると言われているが・・・
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「くくく・・・ヤツに茸にされてから(殺されたともいう)はや200年以上経つのか、
まぁいいヤツの子孫を永遠に苦しませてやる、この体を使ってな! くははははは!んっ!?」
ムクリっ・・・・
「・・・・・・・・・・・んふふ〜♪」
急に起き上がったアメラ、だけど瞳が赤と蒼になっていた。
「・・・(ゲイルの記憶チェック中)・・・なんだ!? あのアメラとか言う小娘から出ている殺気は!?」
「・・・あら? 今回は少ないのねぇ・・・ざぁ〜んねん・・・」
しかも両腕には両方の龍に乗っ取られた証の如く刺青が浮かんでいた。
「あ"・・・やばい・・・」
アメラの異様な雰囲気を察して逃げ出すセグトラ・・・
「ん?・・あら、貴方確か・・・ゲイルだったわよねぇ?」
そう言いながらアメラはゲイルの顔を手で触れ始めた
「ん!?そうだが・・・(寒気がする・・・いやな予感が・・・)」
「あら、よく見るといい男だったんだぁ♪」
そう言いながらアメラはゲイルの首に腕を巻きつける
「まずいっ! そういえばもう1人いたな・・・あっ!? あんなところに! 助けろ〜!!!」
「だ〜め、に・が・さ・な・い♪」
「(一番離れたテーブルの影から)・・・頑張れ! ゲイルさん! ちょっと様子がおかしかったような気がするけど」
セグトラが遠くから見ている・・・ゲイル(?)が一瞬恨みのこもった目でセグトラを睨む・・・が
「ん〜〜〜、ムギュ〜〜〜! スリスリスリスリスリ・・・」
アメラは気合でも入ってるかの如くゲイルに体を擦りまくった
「はなれて〜!!!(マジで半泣き)」
「んふ・・・かぁ〜わいぃ・・・あ〜〜ん♪」
アメラは大きく口を開いてゲイルの鼻と口を巻き込んだディープキスが炸裂した。
「っむうぅぅぅぅ・・・」←(話せない)
「ん・・んむ・・・・はぁ・・・・ぁん・・・」
ピチュ・・・ぺチャ・・・ペチョ・・・プチュ・・・
アメラの色のあるキスだが実際には相手の精気を吸収しているのだ。
「ん・・ちゅ・・・ん・・・はぁ・・・」
スリスリスリスリ・・・・
アメラはキスをしながらゲイルの体の上下に擦り寄った。
「マジでセグトラさんたすけて〜!!! というかたすけろ〜!」
そのときセグトラは・・・
「・・・・・・男としてきっと・・・いや絶対嬉しいはず! 今はそっとしておいてあげよう!(耳ふさぎ)」
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「ふう、久しぶりにまともな美味しい精気だったわぁ♪」
アメラは嬉しそうにそう言った。
「・・・・・」
ゲイルはまるで死んだかのようにぐたっとしていた。
「まったく、この子は最低2日に1度は絶対に精気が入るってのを分かっていないのねぇ・・・」
アメラはため息をした。
「・・・そうしないとこの体は持たないって言うのに・・・・・」
アメラはもっと深いため息をついた・・・。
「きゅうぅぅぅぅ・・・」
「うふふ♪ まぁこの子のためだと思って頑張んなさいよ♪ だ・け・ど・この子にはひみつよ! それじゃ♪」
そういってアメラはでていった・・・
「ゲイルさん大丈夫ですか?」
いまさら出てくるセグトラ・・・
「ここに一応栄養剤おいておきますので・・・・んじゃ・・・」
出て行くセグトラ・・・
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「ううぅ・・・い・・・・生きてる・・・」
(大丈夫か主よ・・・)
「!?」
聞き覚えのない声が脳内に響く。
(これからこの体を使ってお世話になる・・・アル・キルロードという・・・よろしくな主よ・・・)
「・・・・・・(最悪・・・なんで俺にとりつくんだよ・・・)」
(最悪で悪かったな主よ・・・まぁ仲良くしようではないか、はははは・・・)
「・・・・・・・(考えまで読まれてる・・)」
ゲイル、霊に取り付かれ、この霊とこれからはじまる戦争の最前線に一緒にいくことになる・・・
終わり
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