妹の報告

アザゼル+鴉

「ティリシアさん。何の用?」
「まあ、カイザー。座れ」
カイザーは以前鴉基リヴァイアサンと将棋を打った所にティリシアに呼び出されていた。

その頃兄、アザゼルは.....
「はぁ......」
「お前......人の部屋に入って早々溜め息付くな」
アザゼルがリヴァイアサンの部屋に突如入ってきて溜め息を零した。
「いやね、最近我が愛する妹が妊娠の兆候に見られる行動を取ってるんですよ.....」
単純に吐き気や腹痛などの症状。何処にでもある症状なのだが一医者、一闇医者として多分と言うことで考えていた。
「それなら妊娠してるだろ」
リヴァイアサンが何杯目になるか解からない酒を飲みながら素っ気無く言う。
「それはそれで問題じゃあ!」
思う気持ちは解からなくは無いのだが.........

戻ってティリシア&カイザー。
「ほんで何ですか?」
カイザーはほんと鈍感と言えよう.....
ティリシアの腹部が少し膨れて居るのに気が付かない。
「・・・・・・ほんと、お前は鈍感なんだな.....」
ティリシアが溜め息を零す。
「はえ?」
「まあ.....それはそれで良いか」
呆れながらもカイザーの顔をまじまじと見つめ切り出す。
「カイザー。出来たかもしれない」
「何が?」
良い音がカイザーの頭から鳴った。
「其処まで鈍感ならお前........」
「ほんまに解からないんって....」
再びティリシアが溜め息を零す。
「ま....それがお前だからな.....」
「で、何が出来たんですか?」
カイザーがまじまじと見つめる。
「子供」
吐き捨てるようにに言うティリシア。
「・・・・・え?」
一瞬硬直したカイザー。
「多分、5ヶ月.....だと思う」
ティリシアが頬を掻きながら言う。
「ほんま?」
恐る恐る聞き返すカイザー君。
「危険日に4回連続で中出しすれば可能性はあるだろうが......それに妊娠の兆候が最近出始めた」
無論、腹痛や吐き気の事である。
「・・・・・・名前どないしよ.....」
「そうだな......」
空を見上げながら自分達の子供の名前を考え始める二人であった。

一方......アザゼルとリヴァイアサンは......
「どれだけ私が手に塩をかけたかわかりますか!?」
「お前の苦労と努力は解かった。解かったから.......」
アザゼルの悪酔いに絡まれていた。

(2002.11.22)


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