healing or plaything?

朝霧 水菜

「ふぅ・・・・・」
流れ出るシャワーの音を聞きながら、水菜は1つ、吐息を漏らした。
戦場では一度交戦状態になれば水浴びしに行く暇なんて、当然の事ながら、ない。
元々、汗はかかない体質とはいえ、それでもこまめに体を拭いたりして対処してきたが、
やっぱりこうやってお風呂に入るのとでは断然違う―心が洗われる、とでも言うべきか。
お湯が程よい温かさになったのを確認してから、頭から思いっきりそれを被る。
「気持ちいい・・・ですねぇ・・・・」
髪にお湯が伝っていく感触を楽しみながら、つと、その視線を落とす。
正直な話、それほどスタイルに自信があるわけではない。
それでも歳相応に胸も発育しているとは思う―流石にエルさんとかには敵わないけど。
剣技を修めている者としては割と珍しく、全身に目立った筋肉はないのは、
瞬発力が命の水菜の戦い方にとって、必要なのは柔らかい必要最低限の分だけだからだろう。
(やっぱり・・・男の方は胸が大きい方が好み・・なんでしょうか?)
男の心理とやらが今ひとつわからないままに、疑問符を浮かべる。
まあ、世の男が全てが全てそうだと言うわけではないのだけど。
「えっと・・・・」
思案しながら、試しに、軽く自分の胸に触れてみた―特に変わった感触はない。
以前に一度だけ、他人に触れられた時には自分でも驚くぐらい気持ち良かったのだが、
それ以降、自分で何度か触ってはみるものの、特に変わった感触は得られなかった。
たまに聞く、『自慰』という行為ではここも触るらしいのだが、水菜にはそれが理解できなかった。
「はぁ・・・・」
何となく、さっき晴れた気持ちがまた曇り気味になっていくのを感じながら、溜息を漏らす。
「水菜様、お湯加減の方は大丈夫ですか?」
そんな折、外でお湯の温度を調節していたメイリィが浴室に入ってきた。
水菜が既にシャワーを出しているのは音でわかっているので、当然、彼女も服は脱いでいる。
ただ、あくまでお湯加減を聞くためだけなので、バスローブを巻いているが。
「・・・あれ?水菜様、大丈夫ですか?」
全く反応がない水菜に、前に回り込んで改めて聞いてみる―が、やはり水菜の反応はない。
何やら、俯き加減に自分の胸を見つめながら、思案顔で考え込んでいる。
「・・・・・・・・?」
疑問に思いながら、水菜の目の前で手を振ってみる―と、その手が不意に水菜の胸に当たった。
「ふひゃあっ!?」
「え、水菜さ――きゃあっ!!」
―ドサッ・・・・
悲鳴だか驚きだかわからない声を上げて、ビクンッ、と体を跳ねさせた水菜が、
その拍子にバランスを崩し、足を滑らせてメイリィの方に倒れこんできた。
そんな突然の反応に、避ける余裕もなく、巻き込まれるようにしてメイリィも倒れる。
ほぼ条件反射なのだろう―その両腕で必死に水菜にしがみついていた。
「いたた・・・あれ?メイリィさん、どうして・・・・?」
やっと現実に意識が戻ってきた水菜が、メイリィに背中を預けながら倒れこんでいる事に気づき、
バスローブがはだけかけている彼女に、当惑した声をあげる。
「み、水菜様こそ・・・いきなり変な声をあげて、どうされたんですか?」
言いながら、態勢を楽にしようと、体をよじるメイリィ―当然ながら水菜にしがみついている腕も動く。
「ひゃっ!!」
その腕が体に擦れた瞬間、水菜はまた、ビクッ、と体を震わせて声をあげた。
いかになんでも、ここまで明らかな反応をすれば、どれだけ鈍感な相手でも気づく。
「水菜様・・・ひょっとして・・・・」
呟きながら、そっと胸に手をのばし、微妙な力加減で揉んでみる。
「ふぁあっ!め、メイリィさん・・・何をするんですかっ・・・・」
案の定、水菜は過敏とも思えるぐらいの反応を返してきた。
普段は微妙な間をとって接しているため気づかなかったが、水菜の感度は異常なぐらい、高い。
白っぽかった肌はあっという間に朱に染まり、力が抜けたように余計に倒れこんでくる。
その時、不意にメイリィにとある思考が過ぎる。
"これだけ感度がいいのなら、下の方はどうなのだろう?"と。
普段の彼女なら、間違いなく、そんな事は思いもしないだろう。
ひょっとしたら、彼女も、水菜の激しい反応に、倒錯していたのかもしれない。
「み、水菜様、失礼します・・・」
呟き、ゴクリ、と息を飲みながら、恐る恐るといった感じで片手を水菜の股間に滑り込ませる。
程なくして、目当ての物は見つかった―まだ固く閉じられた秘裂は、しかし、既に熱く潤っている。
「あ、そこはだ――ひゃあんっ!!」
―くちゅっ・・・・
意図に気がついた水菜が何か言おうとするよりも早く、メイリィの繊細な指が秘裂に潜り込んだ。
可愛らしい水音をたてながら、中を掻き分けるように入ってきたそれに、水菜の腰が浮く。
とろっ、と中から溢れてきた愛液が、メイリィの手に絡みついた。
(す、凄い、敏感過ぎです・・・)
稀にこういう女性が居るとも聞いていたが、まさかこんな身近に居るとは思わなかった。
ドキドキと、自分自身の鼓動も早くなってきているのを自覚する。
雰囲気に飲まれるように、固くなった乳首を摘み、秘裂を弄っていく。
「ん、んあっ!さっきは・・全然感じなかったの・・にっ・・・・」
上気した顔からは熱い吐息がこぼれ、ガクガクと腰が震えている。
気がつけば―メイリィ自身、息が熱くなっていた。
「あっ・・・だ・・めっ・・あ・・・あああっ!!」
秘裂を弄る指が、クリトリスを探り当てた途端、水菜はクンッ、と背中を仰け反らせていた。

緊張から弛緩へと移り、力なく寄りかかる水菜と、それを受け止めるメイリィとの、
2人分の熱い吐息が浴室に吐き出されては、溶け込み、消えていく。
「ん〜・・・今日は結局、何も釣れなかったな」
そんな状況が待っているとは露知らず、
釣りから帰った俺は手早く衣服を脱いで、入り、
「はっがぁっ!!!Σ( ̄□ ̄;;;」
目の前の光景に、驚愕の声を上げた。
(ま、前から仲がいいとは思っていたが・・・そ、そういう関係だったのか?)
まあ、誰でもいきなり『浴室で裸の女2人が絡み合ってる』のを見たら、こう思います、普通は。
その声に気がついたのか―ボーッ、とした表情で水菜がそちらを向く。
「エアード・・・さん・・・・?」
快楽に酔っているかのような思考で、辛うじてそれだけは認識できたらしい。
俺の中で、女難警報がけたたましく鳴り響いている―これはマジでヤバイ。
「ハハハ、ナニモミテナイ。ナニモミテナイッテ…(・w・;【出口へコソコソ】」
後ずさりしながら、出口へと向き直り、
「・・・・・・どこに行く気だニャ?」
ギロリ、と威圧感たっぷりの睨みを効かせて座っている紫苑と視線が絡み合う。
「ア、アハハハ・・・ダカラオレハナニモ・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
必死にごまかそうとするが、紫苑は黙ったまま、無言の圧力をかけてきている。
(こ、コイツ・・・この事を知っていて、俺の後をつけてやがったな)
勘弁してくれ―そんな心地で根負けして、改めて水菜の方を見やる。
恍惚とした表情、くたっ、と投げ出された四肢、赤く色づいた肌、熱く濡れる秘部・・・
―どれを取っても、今の水菜の様子は余りに扇情的だった。
(あ、ヤバイ・・・反応してきちまった・・・・)
そんな水菜の姿に、下半身が不謹慎にもドクドクと活発になっていくのを感じる。
つまりはあれだ―どれだけ理性があっても、体は反応しちまうわけだ、やっぱり。
(ああ、もうどうなっても、俺は責任は取らないからなっ!!)
半ば、ヤケを起こしながら、水菜に合わせるように屈みこむ。
スッ、と水菜の両腕が肩から背中に回す形で抱きついてくる。
その瞳は、先程よりかは幾分かまともに俺の方を見ていた。
「・・・・お前も本当にいいんだな?」
自らの肉棒の先端を水菜の秘裂に添えて、水菜の表情を見、念を押すように聞く。
それは、メイリィや紫苑に見られている前でやってもいいのか、という意味や、
俺とやっても本当にいいのか、という意味を含んでいたのだが、
「はい・・・きて・・・ください・・・・」
あっさりと頷いて、水菜はキュッ、と瞳を閉じ、回した腕に力を込めた。
それで幾分かは気が楽になった―少なくとも、後で怒られる事はなさそうだ。
「エアードさん、お願いします・・・」
水菜の背後から、メイリィがそう言いながら、秘裂を指で押し開く。
つまるところ、ここに居るのは全員了承した、って事か。
そう結論付けて、覚悟を決め、水菜の腰を掴み、持ち上げるようにして腰を前に突き出す。
―グチュグチュッ・・・
「っ・・・んああっ!!」
想像していたよりも、水菜の中の抵抗は少なく、熱かった。
それこそ、煮えたぎるマグマの中に突っ込んだような熱さで、肉棒に絡み付いてくる。
背筋を電流のように走る痺れに、気を抜いた瞬間に出してしまいそうになるのを堪えながら、
より深く、より奥に、より強い快楽を求めて腰を沈めていく。
―ズムッ・・・
「あ、はあっ!す、すご・・いっ・・・」
根元まで突き入れた肉棒が、膣の最奥を突き上げ、
「あつくて・・・おおき・・く・・て・・・・お、おくまで・・・・っ・・・!」
「くっ・・・・・」
ガクガクと腰を震えさせている水菜の呻きを聞きながら、歯を食いしばって射精に耐える。
見やると、メイリィは優しく水菜の双乳を揉み上げていた。
―ジュプッ、ジュプッ、ズチュッ・・・
「ひあっ!そんなに・・あっ・・・はげし・・こわれちゃ・・・ああっ!!」
もう、水菜自身、自分が何を言っているのかわからないのだろう。
腰を自分で動かす余裕もないぐらい、その感じ方は激しく、狂うように喘いでいる。
こちらもそう長くはもたない―大人しい水菜の乱れ方に驚きながらも、腰使いを激しくしていく。
「エアード・・さ・・んっ・・・エアードさ・・・んんっ!」
引き寄せられるようにだらしなく開かれた水菜の唇を唇で塞ぐ。
これが、こいつとする初めてのキスだとか、そんな事を考えている余裕はなかった。
ただ、本能の赴くままに舌を絡ませ、弄ぶ。
「んはっ!エアードさん・・・きもちいい・・・れす・・・・」
唇を離し、舌を伝って流れ込んだ俺の唾液を飲み込みながら、水菜が呟く。
それで、決定的に、今まで堪えていた物が決壊を起こした。
「くあっ・・・で・・るっ・・・・!」
「あっ・・あ・・あああああああああああああああっ!!!
―ドプッ・・ドクドクドクッ・・・・
腰を引く間もなく、深く突き上げた先端から熱い液体が迸り、
水菜が絶叫を上げながら大きく仰け反った―膣が一際強く締まり、果てた事を教える。
「はぁ・・・あ・・・あったか・・い・・・・」
絶頂の後の弛緩の中で、ぐったりと崩れ落ち、
俺に体を預けながら、水菜は、嬉しそうな顔でそう呟いていた・・・

「うぅ・・・まだフラフラしてます・・・・」
行為が終わって、取り合えず、メイリィと紫苑が先に出て、
水菜が気づくのを待ってから、エアードも浴室を出、
体を洗っていたのだろう―最後に出てきた水菜は、そう呟いた。
「そりゃあ・・・あれだけ激しくやったんだから、当然だニャ」
それに応えるように、エアードをけしかけた張本人―紫苑が自分の体を舐めながら、言う。
メイリィはというと、いそいそと夕食を作っていた―というか、忘れようとしている?
「あんまり辛いようなら、夕食は後にして、休んだらどうだ?」
紫苑に軽く拳骨をお見舞いしながら、エアードが言う。
ちなみに、相手の了承もなしに中に出してしまった件については、
『暖かくて・・・とっても気持ち良かったです・・・・』
という気づいた水菜の一言で一蹴されていた―運良く、今日は安全日でもあったらしい。
「いえ、大丈夫です・・・それより・・・・」
軽くかぶりを振り、まだ頼りない足取りでエアードに近づいて、瞳を閉じ、
「もう1度、キス・・・してください・・・・」
―スパァァァァァンッ・・・
どこからともなく取り出したハリセンで、エアードが水菜を叩き倒す。
「痛い・・・なんでそんな事するんですか・・・・」
「あれは不可抗力だっ!!」
涙目で呟く水菜に、エアードが叫ぶ。

今日もバライの街は平和だった・・・

(2002.10.12)


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