リレー形式SSシリーズ5
御剣 叢雲
「ん〜…ん?」
叢雲はベッドの上で眼を覚ました。あたりに馬は勿論いない。
どれ位寝ていたのかは分からないがその前にココはどこだろうか…
「よっ…と」
ゆっくりと床に脚をつける。素足に届く冷えた床の刺激が叢雲の寝ぼけた頭を一気に覚醒させた。
「え〜っと…」
ぺたぺたと素足のまま歩き回ってみると部屋の中にはもう一つのベッドがあり、そこには誰かが寝ていたようだ。
それ以外には特に変わったことはないようだ。しかしココがどこなのかはやっぱり分からない。
「確かアリサさんに会って…馬に襲われて…それから何したっけ?」
とりあえず部屋の中にいては何も分からないと、叢雲はゆっくりとドアを開けてみた。
「……」
「……」
ドアをはさんで向かい合う同じぐらいの高さの眼と眼。
どうやら二人同時に同じドアを同じように開けていたようだった。
「え〜と…あれ?」
「ん〜と…んえ?」
アリサと叢雲はミルが来るまで互いに状況を把握できないままだった。
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