リレー形式SSシリーズ4
ミル・クレープ
「……一体何事ですか?」
周囲を取り巻いている人々にそう問いながらやって来たのは、普段通りワインレッドの外套に身を包んだミルであった。
騒ぎを聞きつけ、すわ何事か?と手近な兵を3名ほど引き連れて来たものの、その場にあるものは地面に倒れる2人の将軍・・・と馬一頭。
「……取り敢えず、噛むのを止めなさい。」
そう、優しくフガクに言って取り敢えず手綱をとり、衛兵の一人に渡すと小さく溜息をついた。
(慣れたとはいえ、相変わらずのトラブルメーカぶりですね・・・)
天然のトラブルメーカと化しているアリサ、そして叢雲が帝都に来てからはこう言ったことは珍しくは無くなっていた。
「取り敢えず、侍女の方を2・3人呼んで下さい。このまま埃まみれで転がして置くわけにも行きませんし、湯浴みの準備もお願いします。」
テキパキと、連れてきた衛兵に指示を出して取り敢えず、この場の収拾を図る。
「取り敢えずはこれで良いとして、起きるまでは手近な部屋で休ませるしかないですね……」
どうにか周囲の野次馬を追い払った物の、あいも変わらず地面に横たわる2人を見て又一つ溜息がこぼれた。
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