パンドラの一日 〜夜明け〜

語り手エリー

1252年末  聖都クレア
某日・・・・・・・・・・・・早朝

パンドラの朝は基本的に早い。偶にひたすら遅いが
今朝は日の出より早く起床。

起床後、ひたすらに鈍い頭を無理矢理働かせる。
顔を洗い、寝間着から着替える。
目が冴えてきた所で朝食の仕込みを始める。
正直、ひたすら眠いがまずい朝食は食べたくない。
丹念に仕込みを続ける。


仕込みの終了後、街の外に出る。
仮面を付け普段着の上にローブを羽織っただけの格好
最近、日課となっている鍛錬を行う為である。
戦乱が迫っているのに衰えたままでは問題がある。
その為ひたすら鍛錬に打ち込む。

取りあえず、走る。ただ走る。

延々走り続ける。

ペース配分など考えずにひたすら全力疾走。
走り続ける程衰えを実感する。
速度も安定感も何より持久力が致命的に衰えている。
・・・・・・・・・・この状態から元に戻せるのだろうか?

弱気を振り払い。更に走り続ける。
さすがに疲労が溜まり遅くなってきたが。


街の近くの山に到着した。
山菜・キノコを採集しながら更に鍛錬を続ける。


しばらく続けた後、山を登る。
絶壁を選び、よじ登る。
特に腕の力が衰えているので始めた事だがかなりキツイ。
何度か落ちそうながらよ登りきる。

登り終えた頃、丁度日が昇り始める。休憩がてらに見る。
何となく気力が湧いてきた気がする。気分だけだが。

何となく吼えてみたくなるが街が近いので止める。
本来の「声」を久しく出していないのでこっそり出してみる。
何時もと同じく、時間が経っても普段使っている声よりも
遙かにスムーズに出す事が出来た。


その後、街に戻る。
幾つかの家では既に朝食の用意が始まっているようだ。
何となく小さく口笛を吹きつつ宿舎に帰る。


良い一日が始まりそうだ。…………………多分。

(2002.10.06)


『パンドラの一日 〜早朝〜』へ

年表一覧を見る
キャラクター一覧を見る
●SS一覧を見る(最新帝国共和国クレア王国
設定情報一覧を見る
イラストを見る
扉ページへ戻る

『Elegy III』オフィシャルサイトへ移動する