パンドラの一日 〜昼食〜
語り手エリー
昼時に街を歩いていたパンドラはトベリ&鴉に出会った。
時間が時間なので一緒に昼食を取りに行く事にする。
その店はそこそこの大きさだった。
心持ち値が張るので、余り客は多くない。
豊富な種類の魚料理で有名な店だった。
リュッカから獲れ立ての魚が直送されてくるらしい。
干物の類を使った料理も結構多く、味も良い。
パンドラは結構頻繁に食べに来ている。
勿論、味を盗む為でもある。
「此処の魚料理ならトベリさんも納得すると思うのですよ。」
「言い切るねぇ、そんなに上手いのか?
トベリは基本的に生で喰うから料理された魚を食う事は稀だぞ。」
「くけ、くけーー(―_―)」
「大丈夫でしょう。いざとなったら刺身の類もありますから。」
等と言いながら料理を待つ。
ちなみに注文は「メニュー全部一品ずつ」
料理が運ばれてきた。
「結構いけるな、魚ばっかりてのはキツイかと思ったんだが」
「くけけー(^‐^)」
「魚だけがメインな割に、味が豊富ですからね。
………………っと、トベリさん余りがっつかないで下さい。
零れてますよ。勿体ない。」
「くけ? けー(_ _)」
次々と運ばれてくる料理を3人であっという間に平らげていく。
殆どトベリとパンドラが食べていたので実質2人で平らげている。
「良く喰うなあ、太るぞ。」
「余計なお世話ですよ。それに前より食べてませんよ。」
「まあ、あの頃より少ないが、あの頃は普段は小食だっただろ。
最近は殆ど何時だって喰いまくってないか?」
「まあ、色々ありまして。」
「マジで食い過ぎると腹から来るぞ。
ただでさえ胸が薄いんだからこれで腹まで………」
鴉が言葉を止める。
正面でパンドラが露骨な作り顔で微笑んでいる。
鴉は肩をすくめて食事に戻る。
付き合いが長いだけあってパンドラの扱いを心得ていた。
パンドラとしてはちっと不満だったりする。
最近、鴉さんのノリが悪い気がする。
偶には仲が拗れない程度に派手に喧嘩でもしたい気がする。
流石に此処では店に迷惑が掛かるので仕方ないが
「(今度、格闘術の訓練がてら教官をからかいに行こう。)」
こっそりと危険な事を決心する。
実際前回からかった時は、対処を間違えて死にかけた。
結局、店の食材を半分以上喰らい尽くして昼食は終わった。
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