パンドラの一日 〜夕方〜
語り手エリー
日が暮れかけてからパンドラは宿舎に帰ってきた。
最近ちょっと疲れ気味らしくだるい事が多い。今日は特に酷かった。
が、休んでばかりはいられない。
そろそろ夕食だ。食後には永倉さんに会いに行く予定がある。
夕食終了後
パンドラは「寝室」で荷物をまとめていた。
手土産として、羊羹と先日に調合した「胃薬?」を用意する。
効果の程はさほどでもないが少なくても副作用はない筈、
最近、永倉さんの胃がヤバイらしいので丁度良い。
ふと、気が付く。
「(永倉さんの直属の方々の分を考えると羊羹じゃ足りないかな?)」
他の手土産を探すが、いい物が無い。
「仕方ないか、捻りがないけど」
そう言って部屋を出る。
向かうのは「執務室」、鍵を開けて中に入る。
中は、様々な物が保管されていた。
此処は倉庫として使用している。主に貯蔵庫。
少し奥に入ると保存の利く食材とアルコールが山程積まれていた。
殆どがパンドラが料理人として選び抜いた品である。
そう表現すると高級品の様だがかかった費用は比較的安い。
パンドラの性格上、高級品のみに拘る事は無い。自分用なら尚更。
また、パンドラに高級品のみを揃えられる様な資金はない。
将軍に採用された経緯が特別な事と実績の無さから極めて薄給である。
その薄給の更に半分しか実際には貰わない様にしている。
時々、「副業」をこなしているのだがその収入の方が遙かに多い。
閑話休題
幾つかの食材と口当たりの良さそうな酒を選び、手土産に加える。
問題があるとすれば、以前にリルルさんのことを頼んだ一件があるだけに
物で釣ろうとしていると見られそうな事だが・・・・・・・・
「まあ、いいか。ある意味事実かも知れないし」
気にせず荷物をまとめる。
実際、永倉さん達は聡明だ。邪推する事も多分無いだろう。
パンドラは日が暮れたばかりの街をふらふら歩いていった。
今日は、戦術レベルでの策について御教授願うつもりだ。
少数戦闘以外の経験が余りないので局地戦以外の戦術が甘い。
開戦までに其処の所を少しでもマシにしなければならない。
今のパンドラを考えると焼け石に水だろうがやらないよりはマシだろう。
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