将軍採用3「ワガガマな2人」〜続・潤いと言う名の口論〜
語り手エリー
昼食でも一騒動あった。
昼食はパンドラが作った。
鴉の推薦もあったが、教官もパンドラが作る料理に興味があったらしい。
料理の出来はかなり良かった。
パンドラがここ暫くで作った中でも一番だろう。
鴉「あの2人、何とかなんないですかね?」
ダ「多分、無理かと。」
昼食は比較的和やかに始まった。
パンドラの作った料理は教官も満足がいく出来だったらしく素直に褒めていた。
だが、料理についての話題になり、パンドラと教官の意見が対立した。
口論と言う程ではなかったが、白熱した議論を交わしていた。
鴉「料理がどうこうよりただ決着をつけたいだけの様な気がする。」
ダ「それで正しいでしょうね。」
溜息をつく鴉と笑みを浮かべながら主を見守るダナエ。
昼食後、再び書類作成に戻るが…………
教官「黙りなさいこの『ちっこいの!』」
パ「なんですか?『お・ば・さ・ん』」
鴉「二人とも………子供みたいだぞ。」
教官「何か言ったかしら?(キラーン)」
パ「(無言で、楔を抜く)」
書類作成に精を出す時間より言い争ってる方が確実に長い。
更にはパンドラがダナエにちょっかい?(口説きとも言う)を出して、
2人がかりで滅殺されたりする一幕もあった。
パ「綺麗な女性を見たらちょっかいを出すのは礼儀ですよ!」
鴉「何処の世界の常識だ。それはっ(踏み)」
パ「私の故郷の常識です。(這い蹲ったまま胸を張る。)」
鴉「お前だけの常識じゃないのか?(ぐりぐり)」
教官「その常識は否定しないけど………」
鴉「して下さい。教官!」
教官「私だって可愛い(?)男がいたら…………じゃなくて、
よりによってダナエに手を出そうとしたのは戴けないわね(シャキン)」
鴉「教官、刃物は駄目です。Σ( ̄〇 ̄)」
ダ「あらあら【微笑】」
教官「天誅!」
パ「ぐはっ……………〔ガクッ〕……………【死】」
結局、パンドラと鴉が教官宅を出たのは日が暮れてからだった。
「えらく時間が掛かりましたねぇ。」
「お前がすぐ脱線を増長させるからだ。」
「良いじゃないですか。楽しかったし・・・・・
とにかく話さない事には相互理解は生まれませんよ。」
「お前の持論だったっけか。
しかし、珍しく熱くなってたなあ、お前も教官も。」
「何というか所謂『喧嘩友達』のような感じの相性ですかね?
向こうも気付いていたかも知れませんが、
恨み事無しで楽しい喧嘩が出来そうな相手です。」
「気に入ったと解釈して良いのか?」
「ええ、とっても…………まあ、楽しくやらせて貰いましょう。
偶には童心に帰るのも良いでしょうし、初心に帰る為にも。」
「童心か、お前の方が年上なのに今日はやたら子供っぽかったなぁ。」
「偶には子供っぽくワガガマに生きたいじゃないですか♪」
「教官も時々子供だったり、ワガガマだからなぁ。」
そんな事を言いながら帰路に付く。
翌日、パンドラを将軍と認める辞令が正式に下された。
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