失敗
棗(なつめ)
紗耶「どうしましょう…」
空也「どうした? 紗耶」
紗耶は深刻な顔をして、台所でお萩と睨めっこをしていた。
紗耶「失敗してしまいました」
空也「ほう、紗耶がお萩作りに失敗するなんて珍しいな」
そこには見た目は、極普通のお萩だが紗耶が言うには『失敗』と言われるお萩が
100個ほど、皿に盛られていた。
空也「どれ1つ……………………」
紗耶「どうですか?」
空也「………………………」
空也は一瞬、小雪の顔が見えた気がしたが、まだ死ねないと約束したばかりである。
何とか堪え、正気を取り戻す事に成功した。
空也「…いやまぁ、弘法筆の誤りって言葉もあるしな(汗)」
紗耶「わたしはお坊さんですか…」
空也「…そうじゃなくて…猿も木から落ちるって言うだろ?(汗)」
紗耶「わたしはお猿さんですか…」
空也「…あぁ泣くな泣くな(滝汗) それほど失敗ってほどでもないだろうに」
紗耶「でも、先ほど空也さん気を失いそうでしたよ?」
空也「…うぅ、そ、そんな事無いぞ、ほーらうまいなぁ…(ぐぅ)」
皿のお萩を頬張りながら、涙を流しつつ笑顔を保つ空也であった。
紗耶「そうですか^^ まだいっぱいありますよ」
空也「…俺1人で食べるのも『アレ』だから、他の奴らにも分けよう…」
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