注意 本文章は刀和祥子様から御投稿を頂いた『D→A BLACK』(PlayStation2以降)レビューです。ですので、背景が黄緑色となっている部分(レビュー本体)の著作権は刀和祥子様にあります。予め、御了承下さい。 |
(ストーリー) 主人公 新城灯夜は外見はごく普通の高校生だが、暴走した死者の魂「クリープ」を狩る死神だという秘密があった。ある日パートナーである天使のユリエルと共にクリープに襲われていた同級生、神楽夏希を助けひょんなことから彼女に自分の正体とクリープの存在を知られてしまう。 だれにも喋らない事を条件に彼女に全てを話す決心をする灯夜だったが・・・・・ (システム関連) 1回クリアするとCGモードが、またルート達成率によりサウンドや各キャラのボイスモードが追加されるなどADVにおいて基本的なものは揃っています。ただバックログが使用不可であることや、過去の作品で好評だった3Dルートマップが無いといった不満点もあります。 随所にあるバトルについては難易度を自由に変えられるのと1回クリアすると任意でスキップできるため特に不満はありませんでした。ただ下記にあるようここで凝るくらいならもっとシナリオを増やして欲しいというのが素直な意見です。 (レビュー詳細) 『Lの季節』『Missing Blue』と名作を出したトンキンハウスの新作で発表から雑誌、ネット上でも期待されていたのですが蓋を開けてみると・・・・・微妙な作品です。 一言で言ってしまえば設定の壮大さに比べてボリュームが少なすぎるということです。 舞台は前作『Missing Blue』と同じく登場人物の心が作り出した世界(前作は主人公の世界、今回はヒロインの1人の世界)で、物語のラストでその真相が明らかになります。前作が様々な複線をゆっくり時間をかけて解いていくに比べ(総プレイ時間が100時間かかるというのもすごいですが、前作はこれが好評だった)、今回は1周が2時間(6章仕立てで短い第1章が5分で終わってしまう)で終わるので、謎解き→真相の解明までが非常にせわしなく感じるんですね。 私も含めて前作をプレイしてる者からすれば「あ〜またこのパターンか」とすぐ理解もできるものの、新規のプレイヤーからすれば最後の最後で真相を提示されて驚く間もなくラスボスが現れて倒したら強引にエンディングという結果になってしまうんですね。特に世界が人の心で出来ていると言った大きな真相は、伏線をたくさんはりゆっくりストーリーを展開させないと、そのバランスが崩れてしまうと思います。 インタビューで、「時間のない大人でも手軽にプレイできるよう考慮した」とありますが、プレイヤー置いてきぼりでは本末転倒ではないかと。 さてタイトルにBLACKとあるように発売日未定で続編のWHITEが出る予定なのですが、本作のこの出来を見る限り期待していいものやら。 トンキンハウスの作品と言えば様子見なしで買って損はないと評判でしたがどうも不安になります。 |