注意 本文章は刀和祥子様から御投稿を頂いた『D→A BLACK』(PlayStation2以降)レビューです。ですので、背景が黄緑色となっている部分(レビュー本体)の著作権は刀和祥子様にあります。予め、御了承下さい。 |
シリーズ3作目となる本作、前作のテーマが「英雄」であるのに対し「想い出」がテーマになっています。 ライトユーザーでも楽しめる仕様なのかダンジョンのパズル性はやや下がった印象があります。少なくとも『1』のデ・レ・メタリカや『2』のトランペゾへドロンのような難解なものは見受けられませんでした。ただ逆にサンドリバーや17号調査ポイントのようにアクション性が高まったことにより「アクションが苦手な人には少しきついかな?」とも感じました。 後気になったのは高速砂上艇での戦闘の戦略性の低さでしょうか、色々カスタマイズ出来るようになっているんですが、アークスマッシャー購入してヴァージニアを主砲に配置して全弾発射すれば敵を瞬殺できるので、後は何もいらないと言うことになってしまうんですよね。正直この仕様は何とかしてほしかったです。 『2』で好評だったモンスターキャンセルシステムも継承されており、無限にキャンセルはできないもののさくさく進めることが出来るのでストレスの溜まることなく楽しむことができます。又隠しボスやEXファイルキー収集、宇宙人の襲来といったやりこみ要素も満載で、長時間遊んでも飽きがこないのでお勧めの1本といえるでしょう。 (シナリオ) 『1』や『2』と比べてちょっとパワーダウンしたかなというのが正直な感想ですね。伏線の張り方や、シナリオとテーマである「想い出」との絡め方は見事なのですが、何しろ登場人物が多すぎてお互いの存在を食ってしまっている感があるんですね。 例を挙げると『1』では魔族との戦いの1段構え、『2』ではオデッサ、侵食異世界との2段構えに比べ、『3』では三預言者、ジークフリード、夢魔ヴェアトリーチェ(余談ですが彼女、その外見からラスボスにも関わらずヒロインのヴァージニアやマヤより人気があったりします(爆))の三段構え。この構造で一番わりをくったのがヴェアトリーチェで、物語の根幹に位置しているのにもかかわらず、前者の預言者とジークのインパクトが強すぎておまけみたいになってしまってるんですね。 特にヴァージニアのアンチテーゼ的な存在なジェイナスは本来なら終盤まで彼女の前に立ちふさがってもよさそうなのに、完全にマヤにその役割を奪われてしまっておりあっさりリタイアしています。もう少し登場人物を減らしてもいいから1人1人のキャラをもっと掘り下げて欲しいと感じました。 (サウンド) なるけみちこ氏が今作も担当、西部劇とファンタジーの雰囲気を旨く融合させ相変わらずいい仕事してます。西洋色が強い『1』、ヒーローものを意識した『2』に比べより西部劇の要素が強い印象を受けました。 サウンドトラックは『2』の1曲1巡方式が評判悪かったようで、『3』(及び『WILD ARMS Alter Code : F』)では1曲が2巡するようになりました。そのおかげで、『3』のサントラは1曲約4分・全曲合わせると4時間12分という大ボリュームになっており聞きごたえがあります。余談ですが本作の発売直後にNHKや筋肉番付などで使用されておりテレビを見ていて思わずにやりとしたこともありました。 (隠しボスについて) シリーズ通して名物となっている隠しボス。今回の特徴としてはどのボスも異常にHPが高いということです。 まともに戦うととんでもなく時間がかかり、私も比較的弱いジョン=ディー(HP11万)でさえ倒すのに1時間近くかかり、いつになったら終わるのかと頭を抱えた経験があります。 ただ抜け道もきちんとあります。ファイネストアーツという技を使えば3万〜8万くらいのダメージを与えることができるので、ガーデニングで栽培したフォースキャロットをどか食いしてファイネストアーツ連発すれば、比較的楽に倒すことができます。少なくとも『2』のアンゴルモアのようにレベル99まで上げても倒せるかどうかは運次第といったことはありません。 というより、明らかにファイネストアーツを使うこと前提に体力が設定されているようですね。ラギュオ=ラギュラは幼生体でもHPが75万、完全体では100万ありますから。 |