ちょっとした終わり
エアード・ブルーマスター
紗耶は光明巫女としての使命を果たすため、シチルの源流の中央でじっと時を待っていた。
嵐の前の静けさ…というように辺りは静かだった。
そして、それは来た。
自然の驚異…災いをもたらす激流。
紗耶は、己の使命を果たすために集中し始めた。
突如、紗耶の横を蒼い彗星が駆け抜けていく。
彗星は徐々に光を増し、川を斬り裂きながら激流を目指し進む。
そして目標に達した途端、轟音と共に辺り一面を蒼い閃光が包んだ。
紗耶から離れた場所…そこにエアードはいた。
「…今度は、守れたみたいだな……」
エアードは溜め息をつき、紗耶が無事なのを確認する。
胸騒ぎがして、紗耶に会いに来たのは間違いでなかったようだ。
「ありがとな…相棒………」
その手に、200年の間自分につきあってくれた聖剣の姿はない。
エアードは自分の力全てをスカイハイに込め、その聖剣自体を爆発させることで爆流を消し飛ばしたのだ。
安堵した途端、どっと疲れがやってくる。
「そういや…ずいぶんと……疲れたな……」
疲労に耐えきれず、その場に膝をつく。
真なる冬と戦ってから半年…その間に回復した力を全て使ったのだから当然のことだ。
エアードに残っている力はもうない。
「これだけ疲れてると、今日はぐっすりと眠れそうだな…」
そう言って苦笑すると、エアードはその場に倒れた。
瞼が重くなる。
四肢の力が抜けていく。
既に、意識を保つのもつらい。
ホント疲れたな…
誰も起こしに来ないんだ……
今は思う存分…寝ることにするか………
それを最後にエアードの意識は消えた。
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