リレー形式SSシリーズ二発目「それは禁句」
アリサ・ハウンド・フォックスバット
「あははははっ、叢雲さん、なんで馬が怖いんだろう? こーんなにかわいいのに♪」
気絶した叢雲を見下ろしながら、アリサは笑いながら言った。
「がじがじがじ・・・」
フガクはあいからわず叢雲のツインテールを噛んでいる。
美味しいのかどうかは噛んでる者にしかわからないが、フガクは噛むのをやめない。
「・・・起きないなぁ」
さすがにアリサはちょっと心配になったらしく、フガクから飛び降りる。
フガクから降りたとたん・・・アリサの目つきが豹変する。
「あ、あの・・・叢雲さん・・・大丈夫ですか・・・?」
恐る恐る叢雲に近づくアリサ。フガクは、もう片方のツインテールを噛み始める。
今まで噛まれていた髪は、フガクのよだれでぐしゃぐしゃになってしまっている。
どうやら、彼のお気に入りに追加されたらしい。
「あ、フガク、これ以上噛んじゃだめだよ・・・お腹壊しちゃうよ?」
アリサに諭されて、フガクは未練がましそうに首を上げる。
そしてアリサは、叢雲のそばにしゃがみこむ。
「叢雲さん・・・大丈夫ですか・・・?」
・・・返事がない。だが屍ではない。
アリサは、あたりをきょろきょろ見まして、軽く咳払いする
「コホン・・・朝〜朝だよ〜、朝御飯食べて、学校行くよ〜」
さらに、もう一度その言葉を繰り返す。
「朝〜朝だよ〜、朝御飯食べて、学校行くよ〜」
・・・叢雲の目がキラーンと光った。
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